広告運用は基本的に一人で運用することが多いため第三者から何を行ってるのかわかりにくいという側面があります。そのため少しでも何かを実施していることを伝えるために必要以上に変更を加えてしまうケースがあります。しかし必要以上の変更は機械学習を阻害させる可能性があり広告運用者が行なってはいけない行動の一つです。

必要のない変更を加えることのデメリットとは

ではなぜ必要以上の変更は行なわない方が良いのでしょうか。

変更によって広告最適化が遅延する恐れがある

現在の広告運用は「データ蓄積」も重要な作業のひとつです。広告の稼働初期では大きな変更を加えずにデータを蓄積することが重要な期間が存在します。蓄積期間中は大きな変更は加えずに何週かのコンバージョンサイクル(コンバージョン サイクルとは、クリックの発生からコンバージョンの獲得までにかかる時間のこと)を繰り返すことを推奨しています。

Google の入札アルゴリズムによる学習の仕組み

広告のステータスはいくつか存在し「学習中」は学習において主要な指標が明確になっておらず基本的に各指標が荒れやすい期間となります。

この段階で繰り返し変更を実施してしまうと学習に時間が掛かってしまい必要以上に最適化に時間が掛かる恐れがあります。そのため学習中は大きな変更、繰り返す変更などは行わないことが重要となります。

数字が好調な場合はかえって数字を悪化させるケースもある

またコンバージョンが問題なく取れている時期に必要以上に変更を加えた場合、加えられた変動を受けて再学習に入る可能性があります。

【入札戦略のステータス/Google広告】何をすると再学習にはいる?

再度学習に入ってしまうと学習中同様に数字が荒れてしまう恐れがあり、結果改善前よりも数字が悪化してしまうことがあります。

 

何を行えば学習を阻害するのかを理解する

以前の検索広告では機械学習が進んでおらず、1キーワード1広告グループで一つ一つ手動で管理することが良いとされる時代がありました。機械学習の精度がそこまで高くないため手動で最適化することが当然であった時代です。

しかし現在は機械学習は大きく進化しており手動では越えられないスピードで広告は最適化されていきます。このチカラを十分に活かすことが広告運用者に求められるスキルの一つだといえるでしょう。何を行えば阻害するのか、何をすれば促進するのか一つ一つ理解して広告運用を行っていきましょう。

今回は以上となります。

 

なお援軍は「自動入札」「機械学習」に関連する記事が複数ありますのでご覧ください!

運用型広告:成果件数が0件なら広告掲載開始から2~3日で広告配信停止しても良いか?

部分一致×自動入札の時代だからこそ、除外キーワードの設定が重要!

Google広告:自動入札機能を使っていて徐々に表示回数が減少してしまう場合の対処法

Google広告:自動入札機能を導入後に成果が悪い場合、「我慢する」のが最良の選択なのか?

長期間広告を止めると機械学習はどうなるのか?

Google広告:発生しがちな自動入札機能のリスク3つ

Google広告:自動入札機能使用時の日予算変更による挙動

 

The following two tabs change content below.

Hiroshi Shimada

リクルートにて求人広告制作のディレクター、Googleにてアカウントマネージャーをそれぞれ経験。その後、健康コーポレーション(現RIZAP)にて、WEB施策のデータ分析を行う部署を統括。直近10年はWEBマーケティングに専念しているが、広告領域の業務で言えば22年の経験。オンライン・オフラインどちらの戦略立案・実施・分析においても、知識・経験が圧倒的に豊富なマーケター。