Google広告で自動入札機能を使うのが一般的になってきていますが、きちんとリスクも理解して関係者と認識合わせしておくことを忘れないようにしましょう。そうしないと、成果が荒れた場合に「何でこんなに成果が悪化しているの!?」と自分自身も関係者もビックリしてしまいます。リスクは事前に関係者全員で認識を合わせておくというのは、広告運用だけの話ではなく、ビジネスを円滑に進める上での基本ですね。

リスク1.成果が安定するまで1ヶ月はかかる

自動入札機能によって成果が安定するまでには、学習期間が必要です。自動入札機能を設定したらすぐ最高の動作をするわけではなく、機械学習が学習期間を経て自動入札機能の精度を上げていき、成果が改善及び安定していきます。なお、予算の投下額にもよりますが、成果が安定するまでには「大きな予算を投下している場合でも2週間」「並み以下の予算を投下している場合なら最低でも1ヶ月」は成果が安定するまでに時間がかかります。

リスク2.設定した日予算の2倍くらい予算を使うことがある

入札方式を変えると、クリック単価や広告掲載有無や広告掲載位置等、様々なものに変化が現れます。それによって予算の使い方にも影響が出ますので、日予算として設定した予算よりも2倍程度まで多く予算を使ってしまうことがあります。数日もすれば大抵は設定した日予算程度の予算の使い方に落ち着きますが、1日単位で予算の使い方を管理している場合は注意が必要です。

リスク3.広告停止期間が発生すると、自動入札機能は再学習期間に入る

自動入札機能は過去の広告配信データを参照して、それぞれの自動入札機能の目的に合わせた入札を行ってくれるものです。しかしながら、過去の広告配信データをどれも同じように扱うのではなく、直近の広告配信データを強く参照します。人が施策立案する場合でも、数年前の広告配信データと直近過去1週間の広告配信データがあるとしたら、今の施策に活用したいのは直近過去1週間の広告配信データですよね。フレッシュな広告配信データの方が、自社・競合・市場の状況等を踏まえた今の実態に合っている可能性が高いからです。その為、強く参照される直近の広告配信データが欠損している場合、現状を踏まえる為に自動入札機能は再度学習期間へ入ります。そして、それに伴い、成果が安定する前に再度時間を要することとなり、その間は成果が不安定(クリック単価が高騰したり、コンバージョン率が低下したり等)になります。

今回は以上です。他にも細かいリスクはありますが、比較的発生しがちであり、かつ関係者が困るような代表的なリスク3つと言えば上記かなと思います。上記は「成果」と「予算」に関することになりますので、関係者であれば気になって当然ですし、その数値が悪いものになっていれば不安・怒りといったネガティブな感情の発生にも繋がってしまいますよね。だからこそ、こういったリスクはきちんと理解して、関係者に周知し、全員で認識合わせしておくことが大事です。認識合わせなんて基本動作だろと言われればそれまでですが、基本だからこそ徹底していきたいですね!

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Akira Kodaka

2005年、SEO・サイト制作で起業。法人向けSEOを請け負いつつ、アフィリエイターとしても活動(当時国内上位1%の報酬獲得実績達成)。また、同時期に美容室を買収し、黒字化させてバイアウト。その後、2010年から8年間、Googleで広告運用スペシャリストとして活躍。新規クライアント専門ビジネス支援部門リード、広告代理店営業マネージャー、通信テクノロジー業界シニアアカウントマネージャーを経験。2018年、株式会社援軍設立。