Google広告での成果を最大化しようとする場合、自動入札機能を活用するのが一般的になりました。自動入札機能では機械学習を使って入札を自動化することで、手動では実現できない「広告オークションごとに最適と思われる入札」を実現することができます。このような素晴らしい機能は使わない手はないですが、上手に機械学習を使いこなさないと広告の表示回数が徐々に減少することがあるので注意は必要です。

自動入札機能は「成果が良ければ積極的に広告配信を強化し、その逆であれば広告配信を抑制する」為、成果が悪い場合はきちんと対処しないと「強く広告配信しちゃダメだ」と機械学習によって判断され、結果として広告の表示回数が減少してしまうのです。そして、最終的には広告の表示回数が0になってしまうこともあります。そのような状態になりそうな場合の対処法について、今回は「自動入札機能の成果目標=コンバージョン獲得」という「よくあるケース」を想定して手短に解説していきます。

ポイント:自動入札機能で設定する成果目標を達成するよう調整を入れるのが大事

広告の表示回数が減少している状態を改善する為には、「なぜ、広告の表示回数が減少しているのか?」ということを理解して対処を行う必要がありますよね。原因を理解し、その原因を潰すという当たり前の作業です。

では、まず、この「原因」ですが、自動入札機能を使っているのであれば、広告の表示回数が減少するのは基本的に「自動入札機能で設定している成果目標を達成するのが難しいから」です。成果目標を達成できないなら、広告の表示回数を減少させて被害(=無駄な広告費を使ってしまうこと)を抑制しようと自動入札機能が動くわけです。

その為、対処法としましては、「成果目標の達成に関連する指標の数値改善を行うこと」となり、コンバージョン獲得が成果目標なのであれば「狙うコンバージョン単価」や「狙うコンバージョン率」といったコンバージョン関連指標の目標設定変更や調整を行うのが基本動作となります。その基本動作に関する具体的対処法をこれから3つほど述べます。

対処法1.入札単価と日予算を強めに引き上げる

まずは、コンバージョンの目標設定変更に関することから。コンバージョン獲得に関する自動入札を使っている場合、入札単価(=目標コンバージョン単価)の設定を現状よりも引き上げて下さい。現状のキツイ入札単価から目標数値を緩めることで広告の表示回数が伸びる可能性があります。また、入札単価の設定を引き上げたら、日予算も同時に引き上げて下さい。入札単価と日予算の金額の差分が小さいと「日予算を設定以上に使いすぎたらダメだ」とシステムが必要以上に敏感になり、これまた広告の表示回数を抑制する原因になりえてしまうからです。

なお、入札単価設定によるリスクヘッジよりも「とにかく広告の表示回数を増加させる必要がある」という場合には、自動入札機能を「コンバージョン数の最大化入札」に変更するのが良いでしょう。この自動入札機能は「日予算を全て使いながら可能な限りコンバージョン数を最大化させる」という働きをしますので、「とにかく広告を表示させることが重要」という局面では大変役立ちます。

対処法2.クリエイティブ(広告 and / or ランディングページ)を変える

次に、コンバージョン率の調整(=改善)に関すること。簡単に行えるのは、広告文や広告画像を変えることです。今までとは違った訴求内容のものに変えることで、今までとは異なるコンバージョン率になる可能性があります。訴求可能な内容の棚卸しを行い、売りとなりそうな訴求内容をどんどん試していきましょう。

また、簡単に行えるわけではありませんが、広告のジャンプ先に設定するランディングページのコンテンツ自体を変えるのはコンバージョン率に大きな影響を与えます。見込客の受け皿となるのがランディングページですから、その内容を変えることで良くも悪くも大きな影響が出ることとなります。広告文や広告画像の変更で当たりを探りながら、筋の良さそうな訴求内容をランディングページの目立つところに盛り込む等しましょう。

対処法3.オファーを変える

最後に、コンバージョン率を調整(=改善)する方法をもう1つ。それが「オファーを変えること」です。例えば、「価格を変える」「納期を変える」「品質を変える」「量を変える」「特典を変える」等になります。要は「見込客へ売り込む内容を変える」ということです。オファーを変えるのは最も難しい調整になるかと思いますが、難易度が高い分だけコンバージョン率の変化にも大きな影響が出ます。もちろん、必ずしも良い影響が出るとは限りませんが、現状を変えるにはこのような「良くも悪くもインパクトが大きなこと」をやるのが手っ取り早いということも多いです。

今回は以上です。自動入札機能を使っている場合に広告の表示回数が減少してしまうと、その時点で「もうどうにもならない」と諦めてしまう人もいるかと思います。もちろん、すぐに広告表示回数が戻って、その上で狙った成果も出すということは簡単なことではないですが、機械学習やそれを活用した自動入札機能を正しく理解していれば、この問題に落ち着いて対処することは可能です。今回の記事をご参考にして頂き、焦らずきちんと対処して下さいね!

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Akira Kodaka

2005年、SEO・サイト制作で起業。法人向けSEOを請け負いつつ、アフィリエイターとしても活動(当時国内上位1%の報酬獲得実績達成)。また、同時期に美容室を買収し、黒字化させてバイアウト。その後、2010年から8年間、Googleで広告運用スペシャリストとして活躍。新規クライアント専門ビジネス支援部門リード、広告代理店営業マネージャー、通信テクノロジー業界シニアアカウントマネージャーを経験。2018年、株式会社援軍設立。