リスティング広告とは、インターネット上で検索されたキーワードに連動して表示される広告のことです。検索連動型広告とも言われます。略して「リス」っていう人もいます。WEBでプロモーションを行う際にはかなり高い確率で実施するもので、WEB広告の一番メジャーな広告と言っても良いでしょう。
本日はリスティング広告って何なの?という方に向けて、基礎的な内容についてご説明いたします。
コンテンツ
リスティング広告の主要な媒体
リスティング広告の媒体は以下の3つです。
- Google広告
- Yahoo!広告
- Microsoft広告
Google広告
Googleの検索結果、YouTubeの検索結果面、Google Play、[ショッピング] タブ、Google マップなどに掲載されます。また、Googleのパートナーサイト(BIGLOBE、nifty、gooなど)の検索結果や、サイトディレクトリページでも掲載されます。
Yahoo!広告
Yahoo!JAPANの検索結果やコンテンツ面、Yahoo!の提携パートナーサイト(bing、exciteなど)の検索結果面に出ます。
Microsoft広告
2022年5月から開始となった広告で、bingの検索結果やmsnなどの検索結果面に出ます。
リスティング広告のメリットとは?
リスティング広告の主なメリットは以下のとおりです。
- 検索結果の上位に表示される
- クリック課金方式である
- ターゲティングが可能
- 成果が得られやすい
一つ一つ見ていきましょう。
検索結果の上位に表示される
オーガニックの表示位置よりも上位に表示されます。SEOで上位に掲載できていなくても、リスティング広告であれば一番上に掲載することも可能です。ただし、順位は後程ご説明する入札価格と広告の品質によって決まるため、必ず1位に出せるというものではないということは理解しておきましょう。
また必ず上位に表示されるわけではなく、オーガニックの検索結果の下のほうに出る場合もあります。
クリック課金方式である
リスティング広告は1クリック辺りの単価方式です。広告が表示されただけでは課金されず、クリックされて初めて課金されますので、無駄に広告費を垂れ流すことはありません。
ターゲティングが可能
リスティング広告は特定の条件(ターゲティング)に絞って広告を表示することも可能です。
例えば、
- 一度サイトに来たことがある人だけに出す
- 特定の地域にいる人だけに出す
- 特定の時間帯だけに出す
商圏が関東エリアだけなら、関東に絞って配信することも可能ですし、店舗が営業している時間だけ広告を出したいなら、10〜18時までといった時間帯で指定することも可能です。
成果が得られやすい
リスティング広告はユーザーが検索するであろうキーワードを設定し、それを実際に検索したユーザーに対して広告を出す仕組みです。ユーザー自ら探している情報や商品であるため、広告をクリックしてサイトに誘導することで成果=コンバージョン(商品の購入や会員登録など)に至る可能性が高いです。
ディスプレイ広告ですと、ユーザーが探していない場面(例えば、YouTubeを観ていたり、ブログサイトを閲覧している時など)で広告に当たるため、リスティング広告と比べるとすぐには成果に繋がらないことも多々あります。
リスティング広告のデメリットは?
では、リスティング広告のデメリットってあるのでしょうか?
デメリットというよりも気を付けるべき点についてご説明したいと思います。
管理が煩雑
業界・業種にもよりますが、多い場合数千から数万、数十万のキーワードを管理することになります。日々成果を見直したり、広告文を変えたりする必要があるため、管理工数が他のディスプレイ広告と比べて高くなりがちです。
日々の予算管理も重要です。1日あたりの上限予算も設定できますが、その設定を超えて配信されることもあるため、日々予算の状況はチェックする必要があります。
競合が多い
WEBでプロモーションする場合、優先的に取り組むことが多い広告のため、競合も非常に多いです。人気のあるキーワードでは、より競合が多く、入札単価が高くなる可能性があります。
また、業種によっては1クリック辺りの単価が非常に高額になります。1クリック1,000円を超えることもざらにあります。
単価の高い業界例
金融系
美容系・医療系
転職や、特定の人材サービス(看護系)など
ニッチなキーワードでは広告が出ない場合がある
あまり検索数の少ないキーワードでは広告が表示される回数もかなり少なくなります。そのため、確度は高くても、そもそもサイトに誘導できる数が非常に少ない場合もあります。
また過去に検索した履歴がないキーワードは広告を設定しても広告が出ません。例えば、CMで「〇〇で検索」というのがよくありますが、〇〇が初めて検索されるようなキーワードですと最初広告が出ません。ただし、ユーザーが何度か検索していると広告が出るようになります。
リスティング広告の仕組み
ここではリスティング広告の基本的な仕組みと掲載ロジックについてご説明します。
まず、リスティング広告の構成要素は大きく以下の3つしかありません。
- キーワード
- 広告文
- リンク先URL(ランディングページ)
つまり、ざっくり言って、
「どんなキーワードで」「どんな広告文で訴求して」「どのページに誘導するか」
がリスティング広告の骨組みになります。
キーワード選定
まず、自分の商品やサービスに関連性の高いキーワードをピックアップします。大きく分けて以下の2パターンがあります。
- ブランドワード(指名ワード)
- 一般ワード
ブランドワードはその名のとおり、自社の会社名だったり、商品のサービス名のことです。「指名ワード」とも呼ばれ、ユーザーが具体的に指名して探しているため、成果に繋がりやすいのが特徴です。一方で有名な企業様のお名前やサービス名でない場合は、検索数が少なく、広告の表示回数も少なくなります。
一般ワードは、商品名やサービス名ではなく、それに関連するキーワード全般を指します。
ダイソンという電気機器メーカーがありますが、それを例にすると以下のようなキーワードの分け方になります。
ブランドワード:ダイソン、dyson、ダイソン 掃除機
一般ワード:掃除機 購入、掃除機 充電式、コードレス 掃除機
キーワードの選定方法
キーワードの選定方法としては色々なやり方がありますが、代表的なところをご紹介します。
キーワードプランナー
Google広告のプランニングツールとして提供されています。関連するキーワードを抽出したり、キーワードの月間の検索数を調べることも可能です。
ラッコキーワード
無料で使えるキーワード抽出ツールです。サジェストキーワード(自動的に表示される検索候補のキーワード)も手早く抽出してくれます。
キーワードの選定方法については以下の記事でもご紹介しています。
【入門者向け】Google広告:検索連動型広告のターゲティングに使うキーワードの決め方
除外キーワードの設定
出したいキーワードもあれば、出したくないキーワードもある。そんな時に設定するのが除外キーワードです。
例えば、ネガティブな表現で検索した時には広告は出ないようにしたい、競合名で検索した時に自社の広告は出ないようにしたい、と言った場合に設定します。
また、実際に広告掲載開始後も、どんな検索語句で広告が反応しているのかをチェックして、関連性の低い検索語句で広告が反応していた場合は除外キーワード設定することが重要です。
除外キーワードについては、除外登録できない文字や記号があるので注意が必要です。除外キーワードのポイントについては以下の記事もご覧ください。
広告文の作成
キーワード選定の次は広告文の作成です。
現在、広告文は「レスポンシブ検索広告」と呼ばれるテキストフォーマットが主流となっています。レスポンシブ検索広告とは見出しを15個、説明文を4個設定して、あとはユーザーが検索するキーワードによって自動的に最適な組み合わせで出してくれる広告フォーマットになります。
レスポンシブ検索広告の成果を上げる方法は以下の記事で詳しく説明してますので、よろしければご覧ください。
【Google広告】レスポンシブ検索広告の有効性を高めるためのコツ。
その他に、アセット(広告表示オプション)というメインの広告文とセットで出てくるテキストや画像があります。本記事では詳細は省かせていただきますが、広告文と併せて設定することが推奨です。
「アセット」については、以下の記事もご参照ください。
リンク先URL(ランディングページ)
ではキーワードと広告文を設定してどのページに誘導するかの選定です。主に以下の2パターンがあります。
- 既存サイト内の関連するページをリンク先として設定する
- 広告用ランディングページを作成して、そこに誘導する
既存サイト内で適切にサービスを紹介しているページがあれば、そこにリンクするのが良いですが、コンバージョンまでの導線が最適化されていないことも多々あります。
そのため、広告用のランディングページを作成することも多いです。ランディングページとは、広告用に特化した1枚のWEBページです。広告から誘導してサービスや商品のメリットを訴求してスムーズにコンバージョンさせることを目的としています。
既存サイトのページであれば、簡単に改修することが難しいこともありますが(大きな会社であれば余計に)、広告用のランディングページであればすぐに修正可能なので、最適化のスピードが上がりやすいメリットがあります。デメリットとしては制作費がかかります。内容によりますが、外注した場合で、30〜40万円程度が相場かなと思います。
ランディングページも作ったら終わりではなく、改善を進めていくことが大事です。ランディングページを改善する方法については以下の記事でもご紹介しています。
入札方式
リスティング広告はオークション方式で掲載順位が決まります。
金額を決めて入札するのですが、手動で金額を変えるパターン(手動入札)と、自動のパターン(自動入札)があります。
昨今は、AIの精度も高まり、様々な情報(シグナル)をもとに最適化ができる自動入札が主流であり、媒体側の推奨でもあります。
手動入札
自分で1クリック辺りの上限金額を決めて入札する方式。このキーワードならクリック辺り100円までは払えるよという設定。
主な手動入札の種類
- 個別クリック単価
- 拡張クリック単価(eCPC)
自動入札
入札を自動に任せる方式。1コンバージョン辺りの単価(CPA)や、費用対効果(ROAS)を目標値として設定して、それに向けて自動で調整する機能。現在はこちらが主流かつ、成果を得られやすい。
主な自動入札の種類
- クリック数の最大化
- コンバージョン数の最大化
- コンバージョン値の最大化
- 目標広告費用対効果(ROAS)
掲載順位の決定方式
リスティング広告の掲載順位は、単純に高いお金を出したほうが上位にくるわけではなく、広告の品質も要素として加味されます。
ざっくりいうと、広告の品質×入札単価によって、広告ランクと呼ばれるものが決定し、ランクが高いものほど上位に掲載される仕組みです。
いくら入札価格を高くしたところで品質が低いと上位掲載は難しくなります。逆に品質が高ければ、入札単価は低くても上位に出せる可能性が高く成ります。
この掲載順位が決まる仕組みの詳細は以下の記事でご説明していますので、よろしければご覧ください。
ちなみに「掲載順位」と便宜上言っておりますが、実際には1位、2位といった数値の指標はありません。過去にはあったのですが、現在はなくなっています。そのため、優先的に上のほうに出る、ぐらいに思ってください。
また、見る人によっても順位がバラバラです。より広告の内容に関心が強い人には上位に出たり、関心がない人には広告が出なかったりします。
リスティング広告の改善事例
リスティング広告は、運用型の広告です。出して終わりではなく、日々のチューニング、施策立案、実行、検証のサイクルで運用することが重要です。
運用によって成果は大きく変動します。
具体的な事例
コンバージョンポイント、入札方式を見直してCPAを68%抑制した事例
リアル店舗をもつ企業様でコンバージョンを増やしつつ、CPAを68%抑制した事例です。
【Google広告改善事例】キャンペーン個別の目標に切り替えてCPAを約68%抑制
レスポンシブ検索広告を改善してコンバージョンを2.5倍にした事例
人材系の企業様でレスポンシブ検索広告を見直して、コンバージョン数を2.5倍、クリック率は1.91倍、クリック単価を10pt改善した事例です。
【改善事例】Googleレスポンシブ検索広告の有効性を上げるとどれぐらいパフォーマンスは改善するのか?
初めてのリスティングならプロに相談
本記事ではリスティング広告とは何なのか、その特徴やメリットとデメリットについてご説明しました。
リスティングの構成要素としてはご説明したとおり、主にキーワード、広告文、リンク先の3つですが、日々の入札単価の調整やキーワード追加・除外、広告文の見直し、ランディングページの改善などやることがかなり多いです。
また、これから初めて取り組もうとしている企業様にとっては、どういったキーワードで始めるべきか、広告文はどのように設定すべきか、リンク先やランディングページはどうしたら良いか、非常に悩まれるポイントだと思います。
そんな企業様に向けて弊社では初期のアカウント構築サポートとその後のサポートプランをご用意しています。最適なアカウント構成のご提案から、掲載開始後の軌道に乗るまで、運用歴10年以上のスタッフが伴走します。これからインハウスで始めたい方も、すでに実施しているけど、イマイチ成果が上がらなくて困っている方も、ぜひお気軽にご相談ください。
Junichi Nakamura
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