Google広告の主要な入札戦略である目標コンバージョン単価(tCPA)と目標費用対効果(tROAS)。
導入されている企業様も多いことかと思います。
今回は、そんな2つの入札戦略の微妙な違いについてお伝えします。
今回お伝えする違いは以下の2点です。
1)最適化に使われるシグナル
2)最適化に必要なコンバージョン条件
1)最適化に使われるシグナル
検索キャンペーンの場合、tCPAでは、ターゲットとして指定している検索キーワードが最適化に使用されます。
一方、tROASでは検索語句(検索クエリ)まで見て最適化を掛けます。
例)検索キーワード「スニーカー 3000円」というキーワードに対して、
tCPAでは、ユーザーの検索語句が「スニーカー 3000円」であっても「スニーカー 3000円 赤」であっても同じターゲットキーワード「スニーカー 3000円」に紐づいて広告が表示される場合、オークションに参加するときの入札価格は変わりません。
一方、tROASでは、「スニーカー 3000円」よりも「スニーカー 3000円 赤」の方がCV率が高いと判断されれば、そちらの方が入札価格を高めてオークションに参加するというイメージです。
※tCPA・tROASともに実際には検索語句以外にも時間帯・デバイス・地域など様々なシグナルを元に判断されますが、他の条件が全く同じだった場合はこのようになります。
2)最適化に必要なコンバージョン条件
tCPAは、過去のCVが0件でもキャンペーンに設定できますが、tROASではキャンペーンで使用するために過去30日間に15件以上のコンバージョンを獲得している必要があります。
もちろん、tCPAでもtROASでも過去のCVが多い方が最適化が進みやすいので、正しいCVデータであれば多いに越したことはないかと思います。
(意図とは異なるようなCVデータが多いと、本来のマーケティング目的とは間違った方向に学習が進むので、このように表現しています。)
以上が2つの入札戦略の違いです。
実際に、入札戦略以外を全く同じ条件にして配信しているキャンペーンがありますが、tCPAよりもtROASの方がCV率が高く、CV数も多く獲得できる事例が確認できています。
(ただし、CPCはtROASの方が高いです。)
終わりに
リード獲得などCVの件数を目的とした広告配信では、tROASを使う機会は少ないかもしれませんが、
過去30日間に15件以上のコンバージョンが獲得できている場合は、tROASに切り替えてみるのも良いかもしれません。
(その場合、まずは下書きとテスト機能を使うことを推奨します。)
入札戦略のアルゴリズムは日々アップデートされていくので、変更があった場合はまたお伝えできればと思います。
Kyotaro Yamaoka
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