「バナーの修正に数日かかる」「LP作成がリソース不足で後回しになる」

広告運用に携わっていれば、誰もが経験したことのある悩みではないでしょうか。

直近のAIツールの進化はこの課題を根本から変えつつあります。今回の記事では、ツールの紹介にとどまらず、Image 2.0やCodexを実際の運用フローにどう組み込むかを、実例と共に考察します。

Image 2.0・Codexの概要

Image 2.0(画像生成AI)

Image 2.0は、OpenAIが提供する最新の画像生成モデルです。ChatGPTのアカウントがあれば無料で使用することができます。

従来の画像生成AIと比較して、テキストの描画精度とスタイルの再現一貫性が大幅に向上しており、直近特に注目を集めています。

また広告クリエイティブ用途において、これまでAI生成画像の最大の弱点のひとつだった「文字化けする・読めない」という問題が大幅に改善されており、キャッチコピーを含んだバナー素材の生成をする上でかなり現実的な選択肢になってきました。

広告運用視点で見たImage 2.0の強みと注意点は以下のとおりです。

区分内容
 強み①複数バリエーションの高速生成。ビジュアル案を数分で用意し、デザイナーへのたたき台にできる。
 強み②テキスト描画精度の向上。文字入りバナーの生成が実用レベルに近づいた印象。
注意点実写素材の完全代替は難しい。人物・商品写真はクオリティ面で実写に劣るケースが多い。
注意点ブランドガイドライン遵守。既存ブランドのCI・フォントへの完全準拠は難しいため最終確認が必須。

Codex(AIコーディング)

OpenAIが開発したCodex(コーデックス)は、一言で言えば「プログラミング言語を理解し、書くことに特化したAI」です。

やりたいことを自然言語で指示するだけで、それらを実行するためのコードを生成し、ファイルの編集やテスト実行までサポートしてくれます。

シンプルなLPのコーディングや、既存ページのデザイン修正指示といった用途では、非エンジニアでも直感的に活用できるかと思います。

課題の設定

今回は架空の美容液をお題として、バナーの作成やLPの構築までを実施してみました。

lp_sample_odai

LPの中身は壁打ちしながら詳細を決めていきました。(お題設定はClaude)

Image2.0を活用してバナーやFVを作成する

設定したブランドコンセプトを元に、デザインのトーン&マナーや、メインコピーなどを作成して、画像生成を実施。

その際に、画像を複数パターン一気に作成してブラッシュアップしていきたいので、1枚の画像に4種類のパターンを書き出すようプロンプトを記載するのがオススメです。

「4パターンバナーを作りたいから、1枚の画像へ2×2のグリッドで並べて」という指示を出すと、4パターンが作成できます。

実際に生成したのは下記の画像。

【Image 2.0】

image2_sample1

【Nano Banana Pro】

Gemini_Generated_Image_w000q7w000q7w000

Image2.0とNano BananaProのどちらでも出力してみましたが、バナー内の文字の処理がImage2.0の方が上手く生成できる印象です。

resize_image

リサイズなども簡単にできるのが便利です。

最終的に調整してできたのがこちら。

この画像をベースにLPの第2セクション(課題提起)の画像も生成します。

image2_sample3

このような手順を繰り返し、LPの中身を作成していきます。

CodexでLPを構築

画像ができれば、あとはCodexにLPの構築を依頼するだけです。

codex_sample2

生成した画像を添付して「この画像素材を使ったモバイルファーストのLPを構築するために、必要な内容や要件定義を確認して」とCodexに質問します。

あとは各質問に回答すれば自動的にコーディングが始まります。

実際に出来上がったLPのサンプルはこちら。

簡易的な内容ではありますが、約1時間程度で仮公開まで進むことができました。

実際に作成をしてみた感想と考察

Image 2.0とCodexの登場で、バナー・LP制作のクオリティ・スピードは確実に上がってきていると実感しています。

実際に現場で利用するためには更に細かな調整・ブラッシュアップが必要ではありますが、例えば広告運用者がビジュアル案を先行して作成して、クライアントやデザイナーとイメージの方向性を擦り合わせる役割としては十分なクオリティになってきました。

これからの進化がますます楽しみになる一方で、広告運用者・デザイナーとしての役割や立ち位置については改めて考え方をアップデートしていく必要ががありそうです。

今の流れを見ると、広告運用者・デザイナーに求められるものは「勝ち筋を設計し、AIを使って検証し続ける力」へ移っているように思います。

具体的には

  • AIで速く作れる人ではなく、AIに何を作らせるべきかを決められる人。
  • きれいな広告を作れる人ではなく、顧客心理と数字をつなげて改善できる人。
  • 作業をこなす人ではなく、筋の良い仮説・検証・編集・判断ができる人。

広告運用者もデザイナーも、今後は「運用スキル」「制作スキル」単体ではなく、「マーケティング思考を持ったクリエイティブディレクター」に近づいていく必要があるのではないでしょうか?

問いを立てる力、違和感に気づく力、顧客を理解する力、勝ち筋を見抜く力を、今後は特に意識していきたいところです。