データポータルはデータを可視化したりまとめたりすることが出来る便利なツールですが、使用してみると出来ないこともあることに気が付きます。今回はデータポータルでは出来ないことと簡単な対処方法についてお話ししたいと思います。

新規フィールドを用いて比率指標を計算することができない

過去データポータルを用いて新しいカテゴリ(データポータルでは新規フィールド)を作成する記事を書きました。

検索語句を自動的にカテゴリ分けする方法

とても便利な方法なのですが、作成時行うことが出来ずこまったところもあります。それは新しく作成したフィールドではクリック率やコンバージョン率の集計を行うことが出来なかった点です。新規フィールドを使用してクリック率を取り入れると下記のエラーが出てきます。

データポータルの説明は下記のとおりです。

「比率指標を集計できませんでした」というエラーの意味

このエラーは、データポータルで、集計済みの比率指標を使っては実行できないことをリクエストした際に表示されます。たとえば、比率指標を含むグラフに計算フィールドに基づくフィルタを適用した場合です。

内容は少しわかりにくいのですが、自分なりに理解するとデータポータル上で集計できるのはデータを取り込むまで(集計される前)のデータが対象であり、データポータル上で作成されたデータ(集計された後)は計算対象に含まれていないようです。新しいフィールドの数字を用いて再計算するには元データにまでさかのぼる必要がありますが、データポータルの仕様上そこまではサポートされていないのだと思われます。

データ統合の機能を用いて比率指標を計算する

では新規フィールドを使用した場合はクリック率などの比率指標を出力することが出来ないのでしょうか。ひと手間加える必要はありますが対処方法は存在しました。

データポータルでの再集計

統合を使用して比率列を作成する
統合のもう 1 つの用途は、すでに集計された数値で比率の指標を作成することです。

統合は元々複数のデータ(広告データとスプレットシートデータなど)を同じ指標の元に結合して分析できるようにするための機能です。この機能を用いればデータポータル上の数字でも再集計できるようになります。ここからはデータ統合の方法についてご説明したいと思います。

①データポータルにログインし新規フィールドを作成した状態にします。(作り方は上記の添付記事を参照ください)

②データポータル上のデータソースから「データを統合」をクリック。

③次に結合するデータを選択する画面がでてきますので「別のテーブルを結合する」をクリック。

④結合できるデータソース一覧が出てきますので、該当するデータソースを選択(今回はGoogle広告)。

⑤次にどのような方法で結合するかを設定します。デフォルトでは「左外部結合」が選択されておりこちらを選択します。結合条件は左側・左側共に同じテーブルを使用します。使用するフィールドは今回作成した商品カテゴリ。選択し終えたら保存します。

⑥次に確認したい指標をえらびます。(今回はクリック数)

⑦さらに結合データ内に新しいフィールドを作成します。今回算出したいクリック率の計算式を記入します(クリック数/表示回数)。計算式は左テーブル・右テーブルどちらで作成しても問題なく計算されるようでした。

作成できた表は下記のとおりです。

統合データを使用する前はエラーで算出することが出来なかったクリック率をデータポータル上で計算することが出来るようになりました!

整形・加工は別の手段でも行えるようにする

新規データフィールドを用いて再計算する方法は以上となります。

データポータルはとても便利なツールですが、あくまでデータを可視化するためのツールであり、整形・加工を行うには出来ることに限りがあります。データの整形・加工はデータポータルに頼らず別の方法でも行えるようにしておくことが重要であることを再認識しました。

今後GA4の導入も進みますし広告運用者もSQLなどのデータベースのスキルが求められてきます。質の高い広告運用を行うためにも使用できるよう今の内に準備しておきましょう。

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Hiroshi Shimada

リクルートにて求人広告制作のディレクター、Googleにてアカウントマネージャーをそれぞれ経験。その後、健康コーポレーション(現RIZAP)にて、WEB施策のデータ分析を行う部署を統括。直近10年はWEBマーケティングに専念しているが、広告領域の業務で言えば22年の経験。オンライン・オフラインどちらの戦略立案・実施・分析においても、知識・経験が圧倒的に豊富なマーケター。