最適化されたターゲティングという機能をご存知でしょうか。Googleの自動適用にもある機能の一つで設定しているコンバージョン単価の範囲内でコンバージョンに結びつく可能性が高いユーザーにアプローチできるという機能です。今回はこの機能を使用したデータの実績が見えてきたので共有させて頂きます。

コンバージョンの内訳から確認できます

下記の実績はとあるキャンペーンの3月次のコンバージョンの内訳です。コンバージョンを増やすため「最適化されたターゲティング」の機能を追加して運用しています。

コンバージョンの内訳をみると28%が「ターゲティングの拡大と最適化されたターゲティング」から獲得できています。

月次での獲得比率を調べてみると2022年1月は12%、2月は21%、3月は28%と着実に割合は高くなってきています。

ターゲティングの拡大と最適化されたターゲティングとは

「ターゲティングの拡大と最適化されたターゲティング」は具体的にどのようなユーザーに向けて広告配信しているのでしょうか。下記はGoogleヘルプに記載されている内容です。

ターゲティング(オーディエンス)の拡張
手動で選択したオーディエンス セグメントに類似したオーディエンス セグメントにリーチを広げることで、コンバージョン数を増やします。

最適化されたターゲティング
コンバージョンに至ったユーザーが最近検索した語句など、キャンペーンのリアルタイムのコンバージョン データに基づいて、コンバージョンに至る可能性が高いユーザーをターゲットに設定することでコンバージョン数を増やします。

参照:最適化されたターゲティングについて

どちらも類似するオーディエンスに向けて広告配信している点は同じですが、参照しているオーディエンスソースは異なります。オーディエンスの拡張は広告グループに設定されているオーディエンスの類似を参照するのに対して、最適化されたターゲティングはコンバージョンに繋がったオーディエンスの類似を参照しています。

ちなみにオーディエンスの拡張と最適化されたターゲティングどちらで獲得されているのかを調べてみましたが確認する方法はないようでした。(私が確認した範囲では分割して確認できるような項目を見つけることは出来ませんでした)

取り入れることでコンバージョンを積み上げることが出来る

最適化されたターゲティングはどんなユーザーからコンバージョンすることが出来たのか不明瞭である等の理由で積極的には取り入れない運用者も多いかもしれません。しかし実績やGoogleヘルプを見る限り積極的に取り入れてもよいのではないかと考えております。下記はGoogleヘルプに記載されている内容です。

最適化されたターゲティングでは、選択されているセグメントの枠外でコンバージョンの獲得を目指します。

ターゲットとして設定していないがコンバージョンが見込まれるユーザーに向けて広告配信されており取り入れることでコンバージョンの取りこぼしを減らし数を積み上げることが可能となります。未コンバージョンデータも含めて改善していく機械学習の仕様上、すぐに成果が良くなるとは限りません。むしろターゲットを変えた後は一時的に数字が悪化するのは広告運用上、一般的であったりします。しかし上記の事例のように時間をかけて機械学習を進めていくことでコンバージョン数を積み上げていくことは実現できます。今よりもコンバージョンを増やしたいという目的がある場合は、成果を見つつ積極的に取り入れてみてはいかがでしょうか。

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Hiroshi Shimada

リクルートにて求人広告制作のディレクター、Googleにてアカウントマネージャーをそれぞれ経験。その後、健康コーポレーション(現RIZAP)にて、WEB施策のデータ分析を行う部署を統括。直近10年はWEBマーケティングに専念しているが、広告領域の業務で言えば22年の経験。オンライン・オフラインどちらの戦略立案・実施・分析においても、知識・経験が圧倒的に豊富なマーケター。