Google広告とYahoo!広告を運用していると広告文やキーワードは同じなのにクリック率が全く異なるのはなぜ?と疑問に思うことがあるかと思います。広告運用を始めたばかりの方は差を埋めるために何らかの改善方法を考える方もいらっしゃいます。しかし改善を考える前にそもそもなぜ媒体によって差が生まれるのか考える必要があります。原因を知らずに行なう改善は誤った方向に進む可能性があるためです。今回はなぜ媒体によってクリック率の差が出てくるのかお話ししたいと思います。

下記のクリック率はとあるブランドワードの同一期間中のGoogle検索広告・Yahoo!検索広告のクリック率です。

例:ブランドワードのクリック率

Google検索広告:28.09%

Yahoo!検索広告:14.48%

なぜクリック率に違いが生まれるのか

全く同じキーワードなのにクリック率に差があります。なぜこのような差が生まれるのかを知るためにそれぞれの媒体を確認してみましょう。

検索広告の掲載面が異なるため

まず配信されている場所について確認してみたいと思います。

Google広告

Google と提携して検索結果に広告や無料商品リスティングを掲載する検索ネットワークのサイト

検索パートナー

上記ページでは明記されておりませんがBIGLOBE、goo、nifty、価格.com などに掲載されています

Yahoo!広告

Yahoo! JAPANをはじめ、国内の主要提携サイトの検索結果などに広告を掲載

広告掲載メディア

Bing、excite、朝日新聞DIGITAL などに掲載されています

それぞれ主軸となる検索エンジンに加えて提携パートナーの検索面にも広告が出ています。検索パートナーにはそれぞれ色があり閲覧しているユーザー層が異なり、クリック率の違いを生んでいることが考えられます。

デバイスの比率が異なるため

次にデバイス別の比率について確認してみます。配信されたデバイスの比率は下記のとおりです。

Google広告

PC        10%

スマートフォン   85%

タブレット       5%

Yahoo!広告

PC        58%

スマートフォン   38%

タブレット       4%

業種にもよりますが、一般的にPCよりスマートフォンの方がクリック率は高い傾向にあります。Google広告はYahoo!広告と比べてスマートフォンから検索されるケースが多いため、比べるとGoogle広告はクリック率が高くなる傾向にあると考えられます。

またデバイス比率が違うということは使用するユーザー層も異なるということになります。一般的にスマートフォンの比率が高いGoogleは若年層(主に20~30代)が多いといわれており、Yahooは中高年層(主に40~50代)が多いといわれています。クリック率の違いは閲覧しているユーザー層が異なっている点もあることを考える必要があります。

部分一致の拡張範囲が異なるため

次にGoogle広告とYahoo!広告では部分一致はどのように拡張してるのかを確認してみます。確認方法は同一期間・同一のキーワードで拡張した検索語句(検索クエリ)の数を調べてみます。

Google広告:667

Yahoo!広告:1052

キーワードによって拡張の変動はあるかと思いますのであくまで一例までとなりますが、Yahoo!広告はGoogle広告と比べて拡張する数が多い傾向にあると考えられます。

拡張される範囲が広くなるとどの様なことが起こるのでしょうか。一般的には拡張される範囲が広くなるほど広告を当てるユーザー数は増えるが元の検索キーワードとニーズが離れるためクリック率は低くなる傾向にあります。

なお自社の広告アカウントではどれくらい拡張しているのか気になる方は下記の方法で確認することが出来ます。

拡張した検索語句(検索クエリ)の確認方法

検索語句レポートにキーワードの項目を追加。検索語句がなんの検索キーワードで拡張したのか確認することが出来ます。なおYahoo!広告は広告管理画面から直接確認することは出来ず、検索クエリレポートにキーワードの項目を追加してをダウンロードする形で確認することが出来ます。

媒体ごとの特徴やを違い理解することが重要

いかがでしょうか。媒体が異なると数字が異なることがわかるかと思います。もし媒体ごとに数字の違いがある場合は何が違うのかを深堀して確認することをお勧めいたします。広告運用では「なぜその数字になるのか」を知ることは重要な業務のひとつです。適切に媒体の違いを理解して効果的な広告運用を実施していきましょう。

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Hiroshi Shimada

リクルートにて求人広告制作のディレクター、Googleにてアカウントマネージャーをそれぞれ経験。その後、健康コーポレーション(現RIZAP)にて、WEB施策のデータ分析を行う部署を統括。直近10年はWEBマーケティングに専念しているが、広告領域の業務で言えば22年の経験。オンライン・オフラインどちらの戦略立案・実施・分析においても、知識・経験が圧倒的に豊富なマーケター。