リスティング広告は多くの広告主が利用している広告メニューの1つです。Google検索やYahoo検索等、検索エンジンを利用して情報収集するユーザーは非常に多く、「情報を調べている=確度の高い見込客」ということで多くの広告主がリスティング広告を活用しています。

絞り込んだキーワードを狙って広告配信されることが多い

例えば、ダイエットドリンクを販売する為にリスティング広告を利用しているとしましょう。その場合、リスティング広告では、キーワード「ダイエット ドリンク」やキーワード「ダイエット 飲み物」等を検索するユーザーを狙うような設定を行うのが一般的でしょう。また、「ドリンク=食事に関連するもの」として、キーワード「ダイエット 食事」やキーワード「ダイエット 置き換え」等を検索するユーザーを狙うような設定をするのも一般的かもしれません。

しかし、キーワード「ダイエット」はどうでしょうか?主に一語のキーワードであるビッグキーワードと言われるようなものは、ユーザーのニーズが非常に分かりにくいです。この場合で言えば、「運動をして痩せたいのか?」「美容外科等で医療の力を使って痩せたいのか?」「サプリ等で痩せたいのか?」等のユーザーニーズがこのビッグキーワード「ダイエット」の中にはたくさん含まれています。その為、「ビッグキーワードの検索ユーザーを狙ったリスティング広告は費用対効果が悪くなる傾向にある」と言われています。

ビッグキーワードは無駄な広告表示であるという考えは正しいのでしょうか?

ビッグキーワードは、絞り込まれた二語・三語のキーワードよりも費用対効果の面では悪くなるでしょう。しかし、それでも「ビッグキーワードを狙ったリスティング広告を永遠に実施しないというのはNG」と考えます。なぜなら、

・ビッグキーワード=圧倒的に検索ボリュームが大きい
・購買ファネルのMid / Upper Funnelにいるユーザーにリーチできる

このような理由からです。絞り込まれたキーワードというのは、当然ながら検索される回数自体が少なくなります。広告表示機会がそもそも少ないわけです。このような機会の少ない場所でいくら頑張っても、大量の顧客獲得には繋がりにくいです。余程商品力があり、購入後のサポートも充実しており、現状の施策のゴールを何年も先に見据えているならいいですが、大抵は目の前の売上等目標がありますし、出来るだけ早く事業拡大させたいというのが本音でしょう。そうであれば、少ないユーザーにしかリーチできないようなやり方でリスティング広告を配信していてはダメですよね。

ビッグキーワードを狙って利益を出す仕組みを作るべき

ビッグキーワードを狙った場合、絞り込まれたキーワードを狙った場合よりも費用対効果は悪くなります。しかしながら、ビッグキーワード vs 絞り込まれたキーワードで費用対効果を比較する意味合いはそれほどない(その比較で費用対効果が悪くとも、利益さえ出ればよい)ですし、そもそもビッグキーワードの方が圧倒的なユーザーリーチ(圧倒的な広告表示機会)を得ることができて大規模な顧客獲得を狙えます。ですので、

・ビッグキーワードを検索するユーザーに対するLPをきちんと作り込む
・ニーズが曖昧なユーザーでも初回購入してしまうようなキャンペーンを企画する
・新規顧客獲得に対するCPAが悪くても客単価を上げるアップセル・クロスセルを仕込む
・顧客に対するリピート販売を促進する仕組みを作りLTVを引き上げる
・顧客が情報拡散して無料で次の顧客を獲得できるような仕組みを作る

等、目の前のリスティング広告運用業務だけにとらわれず、少なくとも「販売している商品 / サービスの事業だけでも事業全体を捉えて事業拡大施策を考える」ことをお勧め致します。ビッグキーワードは、絞り込まれたキーワードの何倍の検索ボリュームが大きいです。リスティング広告開始直後には、まず絞り込まれたキーワードを狙ったリスティング広告だけから広告配信開始する形で良いと思いますが、いつまで経ってもそれだけやっているようだとなかなか事業が拡大していきませんので、是非とも最終的にはビッグキーワードを狙ったリスティング広告にもチャレンジしてみて下さい。

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Akira Kodaka

2005年、SEO・サイト制作で起業。法人向けSEOを請け負いつつ、アフィリエイターとしても活動(当時国内上位1%の報酬獲得実績達成)。また、同時期に美容室を買収し、黒字化させてバイアウト。その後、2010年から8年間、Googleで広告運用スペシャリストとして活躍。新規クライアント専門ビジネス支援部門リード、広告代理店営業マネージャー、通信テクノロジー業界シニアアカウントマネージャーを経験。2018年、株式会社援軍設立。