Google広告やYahoo広告等の代表的なインターネット広告において、自動化を駆使した広告運用が一般的になってきています。それに伴って、「今まで広告代理店に任せていた広告運用業務をインハウス化しよう!」という動きをする広告主も増えてきました。広告運用の自動化と聞くと「簡単そう!」というイメージがしますので、そのような広告主が増えるのも頷けます。しかしながら、実際のところ、広告運用のインハウス化は決して難易度が低いものではなく、インハウス化が軌道に乗るまでにはそれなりの期間が必要です。

経験者がいてもインターネット広告運用のインハウス化には3ヶ月~1年の期間が必要

インターネット広告運用のインハウス化を行う場合でも、メンバーにインターネット広告運用の経験者がいるのかいないのかで軌道に乗るまでの期間が変わってきます。サッカーチームを作った場合に、チームメンバーの半数が経験者なのか全員が素人なのかでは初めて試合に勝つまでの練習期間が変わりそうですよね。それと同じイメージです。なお、メンバーにインターネット広告運用の経験者がいる場合でも、インハウス化が軌道に乗るまでに半年~1年の期間はかかります。メンバー全員が実力を伴う経験者であれば3ヶ月程度でインハウス化が軌道に乗るかと存じますが、少数の経験者がチームメンバーを指導していく形ですと軌道に乗るまで1年程度の期間がかかることでしょう。

経験者不在ではインターネット広告運用のインハウス化はかなり大変

インターネット広告運用の経験者がいない状況でインハウス化を軌道に乗せる場合の必要期間ですが、1年以上かかるのが一般的です。単に広告配信するだけであれば当然そのような期間はかかりませんが、様々な広告媒体やそれらの各種機能を使いこなしてデータ計測基盤を社内に構築・活用するという「広告代理店による普通の広告運用を実施している状態=軌道に乗る」と定義するなら1年以上かかってしまうことでしょう。更に、その間に失うのは時間だけではありません。インターネット広告運用の未経験者がお金を使って広告配信をしながら経験を積んでインターネット広告運用のインハウス化を軌道に乗せようとするわけです。かなりのお金を無駄に使ってしまうことは避けられないはずです。

メリット・デメリットを考えて「経験者の採用」か「インハウス化支援業者へ委託」を選ぶのが無難

インターネット広告運用の経験者がいない状況でインターネット広告運用のインハウス化を行おうとするのは、かなり大変(時間的にも金銭的にも大変)だと述べました。その為、大抵は「経験者の採用」か「インハウス化支援業者へ委託」のどちらかを実施しながらインターネット広告運用のインハウス化を行うことと存じます。これらの選択肢のメリット・デメリットをしっかりと考慮して、自社にとって最適な選択を行ってください。

なお、弊社ではインターネット広告運用のインハウス化支援を行っていますので、「インハウス化支援業者への委託」に関するメリット・デメリットを述べておきますと、「メリット:すぐ広告運用の経験者の指導の下でインハウス化を行える(採用は時間がかかる)、支援業者のレベルが低いと判断したらすぐ解約できる(採用した場合はすぐ解雇できない)、経験者を複数名するより支援費用の方が安い(複数名の人件費の方が支援費用より高いことが多い)等」と「デメリット:支援業者から指導を受ける社員のやる気がないと指導の意味がなくなる(社員がしっかり学んで実践しないと支援費用が無駄になる)等」になります。

今回は以上です。インターネット広告運用のインハウス化をするとなった場合、「広告運用は自動化を活用すればいいだけだから簡単!」とインターネット広告運用の業務を侮っていると、想像以上に業務量が多くて驚くはずです。更に、インターネット広告運用の機能の進化速度は相当早いですから、日々の継続した勉強も必要になってきます。その為、片手間でインターネット広告運用のインハウス化を成功させるのは至難の業となりますから、覚悟を決めて本気で広告運用を学び実践していく気持ちを初めから持っておくことをお勧めいたします。

The following two tabs change content below.

Akira Kodaka

2005年、SEO・サイト制作で起業。法人向けSEOを請け負いつつ、アフィリエイターとしても活動(当時国内上位1%の報酬獲得実績達成)。また、同時期に美容室を買収し、黒字化させてバイアウト。その後、2010年から8年間、Googleで広告運用スペシャリストとして活躍。新規クライアント専門ビジネス支援部門リード、広告代理店営業マネージャー、通信テクノロジー業界シニアアカウントマネージャーを経験。2018年、株式会社援軍設立。