Google広告やGA4では様々なアトリビューションモデルを選択することができましたが、2023年4月6日にGoogleからデータドリブンアトリビューション(DDA)以外のアトリビューションモデルを廃止することが発表されました。

参照:First click, linear, time decay, and position-based attribution models are going away

これらの概要や自動移行のスケジュールなどをまとめていきます。

そもそもアトリビューションモデルとは?

データアトリビューションモデルとは、マーケティング活動の効果を正確に測定するために、顧客のコンバージョン(購入や問い合わせなど)に至るまでの接触ポイント(広告やチャネルなど)に対して、それぞれの役割や貢献度を割り振る手法です。これにより、マーケティング活動の最適化が可能となります。

データアトリビューションモデルにはさまざまな種類がありますが、主なものは以下の通りです。

  1. ラストクリック: コンバージョン経路で最後にクリックされた広告とそれに対応するキーワードだけに貢献度を割り当てます。
  2. ファースト クリックファースト クリック: コンバージョン経路で最初にクリックされた広告とそれに対応するキーワードだけに貢献度を割り当てます。
  3. 線形線形: コンバージョン経路で発生したすべての広告インタラクションに貢献度を均等に割り当てます。
  4. 減衰減衰: コンバージョンまでの時間が短い広告インタラクションに、より多くの貢献度を割り当てます。貢献度は 7 日間の半減期を使って割り当てられます。つまり、コンバージョンの獲得日から 8 日前の広告インタラクションには、コンバージョン達成の前日の広告インタラクションの半分の貢献度が割り当てられます。
  5. 接点ベース接点ベース: コンバージョン経路の最初と最後の両方の広告インタラクションとそれに対応するキーワードにそれぞれ 40% の貢献度を割り当て、コンバージョン経路で発生したそれ以外の広告インタラクションに残りの 20% を均等に割り当てます。
  6. データドリブン: コンバージョン アクションの過去のデータに基づいてコンバージョンの貢献度を割り当てます。他のモデルとは異なり、アカウントのデータを利用して、コンバージョン経路全体における各広告インタラクションの実際の貢献度が計算されます。

データドリブンアトリビューション(DDA)モデルは、他のモデルと比較してより精度の高い効果測定が可能です。これは過去のコンバージョンデータをもとに、機械学習アルゴリズムを活用して、各接触ポイントの貢献度を自動的に計算するためです。

このモデルを利用することで、マーケティング活動の効果を最適化し、広告費の効率的な配分が可能になります。

どうして他のアトリビューションモデルが廃止になるの?

発表によると現状使用されているほとんどがデータドリブンアトリビューションとなっており、他のアトリビューションモデルの使用は約3%未満にとどまっていることから廃止に踏み切ったようです。

 Data-driven attribution is now the most-used attribution model for conversions used for automated bidding in Google Ads1, resulting in a decline in the overall use of rules-based models. Today, less than 3% of Google Ads web conversions are attributed using first click, linear, time decay, or position-based models.

廃止のスケジュールとしては下記のようになります。

  • 2023年6月:ラストクリック、線形、減衰、および接点ベースのアトリビューションモデルが徐々に選択不可に
  • 2023年7月:Google AdsおよびGoogle Analytics 4で、DDA以外のアトリビューションモデルが廃止
  • 2023年9月:コンバージョンアクションをデータドリブンアトリビューションに自動移行

Starting in June 2023, we’ll remove the ability to select first click, linear, time decay, and position-based attribution models for conversion actions in Google Ads that do not already use one of these models. Then, starting in September 2023, we’ll switch any conversion actions still using these models to data-driven attribution.

DDAに切り替わることでどんな影響がある?

線形や接点ベースなど、他のアトリビューションモデルからデータドリブンアトリビューションへ移行したことで成果が大きく悪化したケースは現状耳にしたことがありません。

そのため移行したからといってあまり変化はないと考えられますが、様々な事情でどうしてもラストクリックのアトリビューションのまま運用したいというケースもあるかもしれません。

その場合は何かオプトアウトなど手続きをする必要があるかもしれませんが、ラストクリックのアトリビューションを使い続けることも可能とのことでした。

 If you don’t want your conversions to use data-driven attribution, you’ll be able to use the last click model.

まとめ

アトリビューション2

ほとんどのコンバージョン アクションは、コンバージョンやインタラクションの数に関係なくデータドリブン アトリビューションに対応しているとのことですが、例外もあることを念頭に置いておきましょう。

コンバージョン アクションの種類によっては、サポート対象ネットワークで 30 日以内に 300 回以上のコンバージョンと 3,000 回以上の広告インタラクションが必要な場合があります。このようなタイプのコンバージョン アクションのデータドリブン アトリビューションの使用中に、過去 30 日間でサポート対象ネットワークでの広告インタラクション数が 2,000 回未満に減少するか、コンバージョン アクションのコンバージョンが 200 回未満になると、このモデルの利用を継続できなくなります。この水準以下にまでデータ量が減少するとアラートが表示され、その後 30 日間にわたり引き続きデータ量が低い場合、該当のコンバージョン アクションは「ラストクリック」アトリビューション モデルに切り替わります。

参考:データドリブン アトリビューションについて

データドリブンアトリビューションモデルの精度は、データ品質に大きく影響されます。

コンバージョントラッキングを適切に設定し、正確なデータ収集が行われることがより重要となってくると言えるでしょう。

DDAの活用やコンバージョントラッキングの設定に関して不安がある場合は、お気軽に援軍までご相談ください。

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Keisuke Asou

前職は福島県の広告代理店に8年間勤務。デザイナーとしてキャリアをスタート後、新規事業となる求人事業や、デジタル広告運用事業を立ち上げ、統括。中小企業や地方自治体のクリエイティブ・マーケティング支援を得意とする。マーケターとして更なる経験を積むため、2022年8月から援軍に入社。日々修行中。