すでに一部のGoogleChromeのバージョンにおいてサードパーティクッキーの廃止が始まっており、2024年後半には完全にGoogleChromeからサードパーティクッキーが廃止される予定です。
サードパーティクッキーが廃止されると、広告のリターゲティング配信や広告効果計測に多大な影響が出ます。
従来はクッキー情報を用いてコンバージョンを計測していましたが、サードパーティクッキー廃止後の対策として、
Google広告では拡張コンバージョン、YDAでは詳細マッチング、Meta広告ではコンバージョンAPIがそれぞれ用意されています。
今回は、Google広告の拡張コンバージョンについてお伝えします。
すでに世の中に同様の記事はたくさん出ていますが、できる限りわかりやすく拡張コンバージョンの概念と設定方法について書いていきます。
コンテンツ
拡張コンバージョンとは?
サードパーティクッキーではなく、ファーストパーティデータを用いてコンバージョン計測する技術です。
ここでは、
ファーストパーティデータ=メールアドレスや電話番号などのユーザー提供データ
です。
計測のロジックは以下のようになります。
1)フォームからメールアドレスなどのユーザー提供データを入力してコンバージョンページに到達
2)このとき、ユーザー提供データがハッシュ化(暗号化)されてGoogleに安全に送信される
3)ハッシュ化されたユーザー提供データ(メールアドレスなど)とGoogleアカウントを照合してコンバージョンを計測する
このようにサードパーティクッキーを使わない仕組みのため、サードパーティクッキー廃止後のコンバージョン計測技術として活用されます。
拡張コンバージョンの設定方法は?
ここでは、最も主流になるであろうGTM(Googleタグマネージャー)を使用した方法をお伝えします。
やることは大きく以下の通りです。
1)Google広告の管理画面上で拡張コンバージョンの設定をオンにする
2)サイト上でどのようにユーザー提供データを取得しているか確認する
3)GTMで対象のコンバージョンの設定でユーザー提供データを取得する設定を行う(ユーザー提供データを取得する変数を設定する)
詳しく解説します。
1)Google広告の管理画面上で拡張コンバージョンの設定をオンにする
Google広告の「コンバージョン>設定」で拡張コンバージョンの設定をオンにします。
そのうえで、設定したいコンバージョンの設定を確認し、拡張コンバージョンの設定をオンにします。
2)サイト上でどのようにユーザー提供データを取得しているか確認する
これはサイトによって状況が変わるのでサイトの管理者に確認しましょう。
ここで大事なのは、どこのタイミングでユーザー提供データを取得しているかです。
具体的には、
フォーム→コンバージョンページに行くまでの間でサーバーに送信されるのか?
コンバージョンページ上のソースコードからユーザー提供データを取得できるのか?
です。
これによって次のGTMでの設定の仕方が変わるためです。
3)GTMで対象のコンバージョンの設定でユーザー提供データを取得する設定を行う
まずは、拡張コンバージョンで計測したいコンバージョンタグの設定画面で、
自社のウェブサイトでユーザーから提供されたデータを含める
にチェックを入れます。
そして、ここからが一番肝心なポイントです。
ユーザー提供データを変数として取得するのですが、それをどのように設定するかを選択します。全部で3つの方法があります。
a:自動収集(Automatic collection)
b:手動設定(Manual configuration)
c:コード(Code)
3つの違いですが、設定の簡単さと計測精度の違いになります。以下のようなイメージです。
設定の簡単さ:自動収集>>手動設定>コード
精度の高さ:コード>手動設定>>自動収集
まず、コンバージョンページ上でユーザー提供データが取得できる場合は、自動収集を選択可能です。
ただし、信頼性が他の2つに比べ劣るため、出来れば手動設定またはコードを使用しましょう。
「自動収集」はページ上のユーザー提供データを自動検出してくれます。ページ上で自動検出するため、コンバージョンイベントのページ上にユーザー提供データが表示される場合はこの方法が使えます。逆にページ上に表示されない場合は選ばない方がよいでしょう。
「手動設定」はユーザー提供データが含まれるCSSセレクタまたはJavascript変数を手動で指定します。データレイヤー変数を使用することも可能です。一定のコードの知識が必要なため、不明な場合はエンジニアやサイト管理者に相談しましょう。
CSSセレクタを使う場合はサイトの書式(CSS)を書き換えた場合に動作しなくなる可能性があります。そのため、できればJavascript変数・データレイヤー変数を用いて設定することを推奨します。
「コード」は変数のコードを記述する必要があります。
サイト上ではユーザー提供データは必ず何かしらの変数に格納されて取得されます。
その変数をGTMで共通認識できる変数に書き換えるような処理を行うイメージです。
例えば、サイト上でメールアドレスをuserEmail という変数で取得している場合、以下のようなコードを書きます。
function () {
return {
"email": userEmail // userEmail となっている箇所は、実際にユーザーのメールアドレスが格納される変数の名前に置き換えます
}
}
以上です。
拡張コンバージョンの設定は技術知識が必要で設定が難しいという声も多く聞きますが、難しい部分はエンジニアやサイト管理者と連携すれば意外と簡単に設定できますので、ぜひ挑戦してみてください。
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Kyotaro Yamaoka
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