Google広告の広告運用している場合に「ターゲティングごとに適切なメッセージングを行いたい!」と思うことは少なくないでしょう。例えば、検索連動型広告を実施している場合に「キーワードごとに細かく広告テキストを変えて広告運用したい!」等といった場合がそれにあたります。こういった場合、広告グループを細かくすればするほどターゲティングごとにメッセージングを変えることはできますが、その一方で広告グループに蓄積される広告配信データの量が少なくなることで目標コンバージョン単価入札等の自動入札の機械学習が上手く促進されない可能性が出てくるということも考えられます。困りますよね。そこで今回は、目標コンバージョン単価入札の機械学習を妨げないようにすることを前提とした時の「広告グループの細分化の基準」について手短に述べていきます。

広告グループの細分化の基準は月間コンバージョン数が30件あるかどうか

ターゲティングごとにメッセージングを変えるということだけを考えて広告グループを細分化するということはせず、それに加えて目標コンバージョン単価入札の自動入札機能の機械学習のことも考えて広告グループを細分化するようにしてください。目標コンバージョン単価入札の機械学習においては、当然ながらコンバージョンのデータが必要であり、そのデータが多ければ多いほどより高い精度で目標コンバージョン単価入札が動作するということになります。その為、広告グループを細分化した結果、1つ1つの広告グループのコンバージョン数が少なくなりすぎてしまった場合、目標コンバージョン単価入札の精度が落ちてしまいます。基準として「1広告グループあたりの月間コンバージョン数が30件未満にならないように広告グループを細分化する」くらいがよいでしょう。

細分化した広告グループの一部は表示回数が伸びないことがある点に注意

広告グループを細分化すると、成果の良い広告グループと成果の悪い広告グループができてきてしまうことが多いです。その際、成果の良し悪しは「あくまで同一キャンペーン内の全ての広告グループ」を対象に相対的に判断されることとなり、その結果として「成果の良い広告グループの広告配信を強める」「成果の悪い広告グループの広告配信を弱める」という自動調整が行われる為、成果が悪いと判断された広告グループは表示回数が抑制されることとなります。今後成果が良くなるというポテンシャルがあったとしても、同一キャンペーン内に「初動で成果が良い他の広告グループ」があったりすると、「初動で成果が悪い広告グループ」は長期間にわたって表示回数が抑制されたままになることがあります。

どうしても表示回数が伸びない広告グループは他キャンペーンに移動

表示回数が抑制されたままの広告グループがある場合、その広告グループに「成果に対するポテンシャルがあるかどうか」を確かめる為に、新しく作った他のキャンペーンにその広告グループを移動させてみることをお勧めいたします。元々は「成果が出るだろう!」と思って入稿した広告グループなのですから、「表示回数さえ伸びれば、その後少しの期間を経て成果を出し始める」という可能性がありますよね。他に「より成果を出す他の広告グループ」が存在しない新しい他のキャンペーンにその広告グループを移動させて、広告配信の強い抑制がない状況下で改めて成果状況をチェックしてみましょう。

今回は以上です。広告グループを細分化してターゲティングごとに最適なメッセージングを行うことは広告運用テクニックの1つかと存じますが、闇雲に広告グループを細分化してしまうのではなく、機械学習の活用を考慮しつつ広告グループを細分化するようにしましょう!

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Akira Kodaka

2005年、SEO・サイト制作で起業。法人向けSEOを請け負いつつ、アフィリエイターとしても活動(当時国内上位1%の報酬獲得実績達成)。また、同時期に美容室を買収し、黒字化させてバイアウト。その後、2010年から8年間、Googleで広告運用スペシャリストとして活躍。新規クライアント専門ビジネス支援部門リード、広告代理店営業マネージャー、通信テクノロジー業界シニアアカウントマネージャーを経験。2018年、株式会社援軍設立。