リスティング広告運用をしていると、成果が見合わないキーワードを止めるべきか悩まれたこともあるかと思います。

CPAが高い、CVが獲れない、そういった理由でばっさりキーワードを止めてしまって良いものか。

本日はその点についてお話したいと思います。

安易にキーワードを停止すべきではない

結論としては表面的なCVやCPAのみで安易に止めるべきではないと考えます。

理由としては以下です。

サイトへの誘導数が減る

当然ながらキーワードを止めることでサイトへの誘導数は減少していきます。その時はコンバージョンに至らなくても後程オーガニック経由でサイトに再来訪してくれてコンバージョンしてくれるかもしれません。そういった見込みユーザーの減少に繋がる可能性があります。

間接的な貢献がなくなる

上記と似ていますが、一回の広告接触のみでコンバージョンしてくれるわけではありません。何回かの広告接触を経てコンバージョンに至るケースがあります。いわゆる間接コンバージョンと言われる、直接獲得(ラストクリック)ではなくても、間接的にコンバージョンをアシストしているキーワードもあります。
表面的なコンバージョンのみで判断すると間接効果が徐々になくなり、最終的なCVも減少するリスクがあります。

テールワードで構成されている場合、CVが減少する

CPAが高いという理由だけで止めてしまうと、細かいテールワード(インプレションが少ないキーワード)が大量に止まってしまう可能性があります。その場合、1件1件の積み上げでコンバージョン数を積み上げていた場合、総件数が大きく減る可能性があります。

停止前にチェックすべきこと

サービスと関連するキーワードであるなら、CVに繋がらない要因やCPAが高い理由が何かあるかもしれません。以下のようなポイントで改善出来ないかを検討しましょう。

  • おかしな検索語句に拡張して出ていないか?
  • リンク先は適切か?
  • 広告文の見直しで改善できないか?
  • 入札単価の見直しで改善できないか?
  • 手動入札の場合、自動入札に切り替えることで改善できないか?

キーワード停止を検討して良いケース

以下のようなケースは一旦停止を検討しても良いでしょう。

予算が大幅に削減となり、入札等見直した場合でも予算による抑制がかかってしまう場合

この場合は出稿量を大幅に下げる必要があるため、キーワードを一旦絞ることを検討しても良いかと思います。

とにかくCV数よりもCPAが重要な場合

件数減っても良いからCPAは順守したい場合です。ビジネスをグロースしていく段階ではこれはあまりないと思いますが、とにかくCPAは守りたいということであれば停止しても良いと思います。

コンテンツがないキーワード

サービスと関連しないキーワードであればそもそもキーワードとして登録すること自体が微妙ですが、よくあるものとして「〇〇 ランキング」というキーワードがあります。結構検索数が多いためキーワードとして登録していることも多いと思いますが、大抵の場合、ランキングに関するコンテンツはサイト側にはありません。それでもCV獲れたりするのですが、成果が見合ってなければこういったキーワードは止めても良いかと思います。

キーワード停止は最終手段

多くの運用者が自動入札を活用していると思いますが、自動入札登場以降は成果に応じてCPAが見合うように入札を自動調整してくれています。

Googleの場合、アトリビューションモデルを「データドリブンアトリビューション(DDA)」にしていれば、間接的な効果も含めて最適化してくれます。

自動入札が世の中に出てくる前は手動で入札していたため、テールワードにまで細かい手が及ばず、キーワード停止という手段を取るケースも割とあった気はしますが、自動入札が当たり前になった現在はサービスとマッチしたキーワードであるならば、キーワード以外の部分での改善を優先したいところです。

また、長く運用に関わっている方なら、キーワードをバッサリ止めた結果、誘導が徐々に減っていき、全体成果も落ち込んでいったという経験をされた方もいるのではないでしょうか?私も何度かそのような状況を目の当たりにしたことがあります。

キーワード停止の前に他施策を優先して実施していくことをお勧めします。除外キーワードや、広告文の有効性改善は以下記事も参考にしていただけると幸いです。

部分一致×自動入札の時代だからこそ、除外キーワードの設定が重要!

Googleレスポンシブ検索広告:広告の有効性の改善方法とその効果とは?

ではまた。

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Junichi Nakamura

前職は大手ネット広告代理店のインターネットプロモーション部門の部長。マネジメント兼プランナー/ディレクターとして、SEM、ディスプレイ領域中心に、業界問わず大手クライアントのプロモーション支援を行う。現場に拘り、コツコツと改善施策を積み上げながら、着実に改善に繋げていく職人。