自動化に関連する機能がどんどん進化していっているGoogle広告において、特に自動化機能を多く使っている広告メニューがP-MAXかと存じます。ターゲティング、入札、クリエイティブとベースの設定を行ったら、あとはGoogle広告のシステムにお任せという形で広告配信することが可能です。広告運用に関する深い知識や豊富な経験がなくても「とりあえず広告配信することができる」のが良い点の1つかもしれません。しかしながら、ほぼ全自動で広告配信できるからこそ「どんな広告最適化をすればいいのか」が分かりにくいと思われている方もいるかもしれません。そこで今回は「P-MAXの成果があまりに悪い場合、広告最適化では何を実施するのが最も良いと思う?」ということに対する回答を手短に述べていきます。

広告プロモーション全般で言えば「LPでの訴求内容を大きく変える」のが成果への影響大

P-MAXの広告最適化と言っても、必ずしも広告管理画面での設定変更だけが広告最適化ではありません。広告配信に関連することをより良い状態に改善することが広告最適化かと存じます。様々な広告最適化方法がありますが、P-MAXに限らず「LPでの訴求内容を大きく変える」のが最も成果への影響が大きいでしょう。「LP内の訴求内容を変えるという小手先のテクニックでカバーできそうな改善」から「そもそものオファー内容(サービス内容、価格、特典等)を変えるという規模の大きな改善」まで色々とやり方は考えられますが、規模の大きな改善になればなるほど、良くも悪くも成果への影響は大きくなることが多いはずです。

広告管理画面内の設定で言えば「オーディエンスシグナルを大きく変える」のが成果への影響大

LPでの訴求内容を大きく変えたいとは思うものの、LPの修正に時間や費用がかかることもあり、なかなかLPの変更には踏み切れないということも少なくないかと存じます。そのような場合は、P-MAXのアセットグループのオーディエンスシグナルの変更を検討しましょう。オーディエンスシグナルは「P-MAXの機械学習で使用するシグナルを自分で設定できる機能」であり、設定するオーディエンスシグナルが異なることで広告の配信具体(ターゲティングや入札)が変わります。同じ広告クリエイティブを使ったままにしているとしても、広告の配信具合が変われば成果は大きく変わる可能性があります。同じ商品を売る場合でも、売る相手を変えたり、販促費を変えたりすることで、最終的な儲けが変わるということと同じようなイメージです。

ほぼ全自動で広告配信できるが故に広告運用初心者にとって広告最適化するのが難しい

自動化という言葉を聞くと「広告運用って簡単そう!」と思い込みがちですが、決して簡単とは言えません。ほぼ全自動とは言え「全ての広告主が良い成果を出せるなんてことはない」わけで、結局は広告主間での勝ち負けは決まってきます。その際、負けの状態に陥ることがあれば広告最適化の策を立案・実施していく必要がありますが、広告運用初心者の方ですと「ほぼ全自動だと思っていたから、どこをどう改善したら広告成果が改善するのか分からない。」なんてことになりかねません。市場全体を全ての企業で均等にシェアするなんてことはありませんから、広告配信の自動化機能が進化しても、結局は広告最適化を行う必要が出てきます。自動化を駆使した広告メニューを使っていても上手く成果が出ない時に焦らずしっかりと問題に対処できるよう、日頃から広告運用の勉強と実践を継続して行い、広告運用スキルを高めていくことをお勧めいたします。

今回は以上です。P-MAXはほぼ全自動で広告配信できますので成果が良い場合はそのまま静観していればいいのですが、成果が悪い時は広告最適化するのが難しいかと存じます。最低でも「適切なシグナルをP-MAXに機械学習させて適切な訴求内容をLPに落とし込む」ということを繰り返し企画・実践できる広告運用者でなければ、あまりに成果が悪いP-MAXを成果が良い状況まで改善していくことは不可能でしょう。ただし、そうは言っても、誰もが最初は初心者かと存じますので、試行錯誤しながら成果の悪いP-MAXに向き合って、P-MAXの成果を改善させる経験を積んでいきましょう!

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Akira Kodaka

2005年、SEO・サイト制作で起業。法人向けSEOを請け負いつつ、アフィリエイターとしても活動(当時国内上位1%の報酬獲得実績達成)。また、同時期に美容室を買収し、黒字化させてバイアウト。その後、2010年から8年間、Googleで広告運用スペシャリストとして活躍。新規クライアント専門ビジネス支援部門リード、広告代理店営業マネージャー、通信テクノロジー業界シニアアカウントマネージャーを経験。2018年、株式会社援軍設立。