Google広告やYahoo広告等の運用型広告を運用している場合、コンバージョンデータをどう蓄積するか色々と工夫していることと思います。自動化機能を上手く活用することが広告運用で成果を出すことに繋がる現状においては、機械学習に大きな影響を与えるコンバージョンデータの蓄積方法を試行錯誤するのは当然でしょう。そんなコンバージョンデータの蓄積について、蓄積量を多くするにはマイクロコンバージョンを設定するのが手っ取り早いです。その為、マイクロコンバージョンを設定して自動化機能を上手く促進しようとする広告運用者は少なくありませんが、マイクロコンバージョンを設定する時に「カート離脱(もしくはフォーム離脱)」と「ページスクロール70%」であればどちらのマイクロコンバージョンを設定するのがより良いのか悩ましいところです。そこで今回は、これらのどちらがより良いかについて私なりの意見を手短に述べていきます。

高い費用対効果に繋がる可能性が高いのは「カート離脱(もしくはフォーム離脱)」

マイクロコンバージョンのデータを機械学習で参照させることで「確度の高い見込客をより多く集めたい」のであれば、「カート離脱(もしくはフォーム離脱)」のマイクロコンバージョンの方がお勧めです。単にそれなりの深さまでページスクロールしたというだけでなく、カートやフォームの入力(もしくは入力直前)までアクションを進めた見込客の方がコンバージョンの確度が高そうなのは容易に想像できると思います。そういった確度の高そうな見込客のデータを機械学習に参照させることは、当然ながら費用対効果の高い広告配信に繋がる可能性が高いです。

十分なマイクロコンバージョンが集まらないなら代替案として「ページスクロール70%」

確度の高い見込客のマイクロコンバージョンデータを蓄積したいとしても、それがなかなか難しいということもあるでしょう。「見込客がカート(もしくはフォーム)まであまり到達しないんだよ!」というようなケースでは、「カート離脱(もしくはフォーム離脱)」のマイクロコンバージョンデータは少ししか蓄積できず、機械学習で参照させるマイクロコンバージョンデータとしてデータ量が不十分となってしまうからです。そのような場合に代替案として役立つのが「ページスクロール70%」になります。「カート離脱(もしくはフォーム離脱)」するような見込客より確度は低くなりますが、直帰や少ししかページスクロールしない見込客よりは確度が高くなりますので、代替案としてはどうにか使える可能性が出てきます。

残念ながら正式なコンバージョンデータに対してマイクロコンバージョンデータは弱い

ここまでマイクロコンバージョンについて述べてきましたが、「正式なコンバージョンデータで機械学習を促進させるのが最も良い」ということは忘れないようにしましょう。マイクロコンバージョンを活用した機械学習による広告配信というと何だか凄いことをやっているような気もしますが、マイクロコンバージョンは「あくまで正式なコンバージョンのデータが上手く集まらない場合に仕方なく使うもの」にすぎません。基本的なことではありますが、このことをしっかりと頭に入れておいてください。

今回は以上です。コンバージョンデータがあまり蓄積できていないようであれば、マイクロコンバージョンを上手に使いこなすことでそれまでよりも格段に自動入札機能の性能を引き出すことができることでしょう。しかしながら、同じデータ量ならばマイクロコンバージョンデータよりもコンバージョンデータの方が自動入札に与える良い影響の度合いは強いです。マイクロコンバージョンデータは魔法にはなりえませんので、コンバージョンデータがどうしても上手く集まらない場合や今の広告設定ではコンバージョンが頭打ちになっている場合等に使える「次の一手としてのマイクロコンバージョン活用」という位置づけで考えておくのが良いと考えています。マイクロコンバージョンの活用はくれぐれも慎重に行っていきましょう!

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Akira Kodaka

2005年、SEO・サイト制作で起業。法人向けSEOを請け負いつつ、アフィリエイターとしても活動(当時国内上位1%の報酬獲得実績達成)。また、同時期に美容室を買収し、黒字化させてバイアウト。その後、2010年から8年間、Googleで広告運用スペシャリストとして活躍。新規クライアント専門ビジネス支援部門リード、広告代理店営業マネージャー、通信テクノロジー業界シニアアカウントマネージャーを経験。2018年、株式会社援軍設立。