広告運用には様々な業務が含まれます。入札の調整、オーディエンスの見直し、クリエイティブの変更など。中でもクリエイティブの変更は他業務と比べて工数が大きくなりやすく、頻繁には実施しない方もいらっしゃいます。しかし機械学習などの自動化が日々進んでいる現在は運用者が最も注力すべきはクリエイティブの修正です。広告運用でクリエイティブの定期的な見直しはとても重要な業務となります。ではなぜ定期的な見直しが必要なのか改めて考えてみたいと思います。

誤った運用の事例

同じ広告クリエイティブを使い続ける

※ここでのクリエイティブとはディスプレイ広告で使用するバナーや検索広告で使用するテキストなどを指しています。

同じ広告を出し続けることの弊害とは

同じクリエイティブを提示し続けることは様々な弊害をもたらす可能性があります。

ユーザーが求めてる情報と異なっている可能性がある

広告を閲覧するユーザーの気持ちは常にそして微妙に変わり続けています。以前はクリックされたクリエイティブであってもユーザーの気持ちが変わらり刺さらなくなる(クリックされなくなる)ことがあります。今のユーザーが求めてるものとズレが発生している場合は効果的にサイトに誘導できなくなります。

競合がより魅力的な訴求を打ち出している可能性がある

競合もあなたの広告をみて更に強い訴求で広告を配信する可能性があります。特に検索広告は他広告と比較検討されやすい広告媒体です。以前は効果的であったクリエイティブであっても現在は他社のクリエイティブに負けている恐れがあります。

たとえば下記は「オンライン英会話」での検索結果です。金額、時間、支援内容などで差別化を図っています。同じクリエイティブでは今の競合と比べて差別化することが出来ず埋もれてしまう恐れがあります。

同じクリエイティブは飽きられる可能性がある

WEB広告は同じようなクリエイティブの広告は徐々に成果が落ちていく傾向にあります。同じクリエイティブをあてられたユーザーは「また同じ広告だな」と認識されては徐々に広告をスルーしていくケースが増えていくためです。

ユーザーにとって魅力的な訴求になっているのかを検証しよう

同じ広告を出し続けることがないようにするために何を実施すべきでしょうか。

アセット毎に小さなテストを繰り返す

現在の広告は広告の要素(バナーやテキストの訴求内容など)をアセット単位で管理します。何のアセットが最も興味を持たれているのかをパフォーマンスという形で確認・検証することが出来ます。効果の低いアセットは別の訴求に切り替えて常にテストを実施するようにしましょう。

競合のクリエイティブと比べて見劣りしていないかを確認する

競合のクリエイティブと比べて良い商品・サービスとなっているのか、差別化は出来ているのかを確認していきましょう。

なお競合の情報を定点観測するためにツールを使用するという方法もあります。方法については下記記事をご確認ください。

IMPORTXML関数が重たいとお悩みの方必見!おすすめのスクレイピングツール

さいごに

自社、他社のクリエイティブを見ながらチューニングしていきますが、最も重要なのはエンドユーザーの気持ちを理解することです。

悩みを持っているユーザーがすべて適切に検索窓に入力するとは限りません。ダイエットに悩んでいる方は「ダイエット 〇〇」と詳細まで入力することは少なく、多くは複合のキーワードではなく「ダイエット」とざっくりと検索します。もちろんこの「ダイエット」の中には様々な願望が含まれており、広告運用者は何を望んでいるのかを適切に読み取る力が求められます。

サービスを実施される事業者さまはエンドユーザーに最も近いポジションにいらっしゃいます。広告運用において声を聴くことが出来るポジションにいることはそれだけで大きなアドバンテージとなります。だれよりもエンドユーザーの声を聴くことが出来る利点を活かして効果的なクリエイティブを作成していきましょう!

今回は以上となります。

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Hiroshi Shimada

リクルートにて求人広告制作のディレクター、Googleにてアカウントマネージャーをそれぞれ経験。その後、健康コーポレーション(現RIZAP)にて、WEB施策のデータ分析を行う部署を統括。直近10年はWEBマーケティングに専念しているが、広告領域の業務で言えば22年の経験。オンライン・オフラインどちらの戦略立案・実施・分析においても、知識・経験が圧倒的に豊富なマーケター。