インターネット広告をご利用の広告主であれば、一度はGoogle広告・Yahoo広告の検索連動型広告を実施したことがあるでしょう。指定のキーワードを検索するという「確度の高い見込客」を狙い撃ちして広告掲載できるのが検索連動型広告であり、数あるインターネット広告の中でもとりわけ費用対効果の高い広告の1つです。今回は、そんな検索連動型広告で使用する広告(テキスト広告)を改善して広告のクリック率を向上させる基本的な方法を解説していきます。基本でありながら、検索連動型広告のクリック率向上効果は十分にあります。

方法1.表示回数の多い検索クエリを広告タイトル・説明文に含める

検索連動型広告のターゲティングに使用しているキーワードがトリガーとなって広告表示に繋がった検索クエリを検索クエリレポートで表示(対象期間は直近1ヶ月程度で良いかと思います)させて下さい。そして、検索クエリを「表示回数の降順」でソートし、「表示回数が多く、かつ広告タイトル・説明文に含まれていない検索クエリ」を特定し、それを広告タイトル・説明文に含ませましょう。検索クエリは見込客のニーズを文字で表したものであり、それを広告内に含めればクリック率向上に繋がります。

方法2.様々な訴求軸を狙った広告を入稿する

通常のテキスト広告であれば複数入稿(1日当たりの表示回数に応じて2~5個の広告)しつつ、レスポンシブ検索広告であれば設定可能なだけのタイトル・説明文を設定して下さい。その際、同じような訴求軸(例えば、「激安」「格安」「安価」等の同じような意味の訴求)の広告を複数入稿するのではなく、「価格訴求」「機能訴求」「利便性訴求」「人気訴求」「権威性訴求」など様々な訴求軸の広告を入稿しましょう。見込客によってどの訴求軸が刺さるのかは異なりますので、様々な訴求軸の広告を用意しておくことで「自動入札機能が見込客ごとに最適な広告を表示させる」ことを狙います。

なお、「コンバージョン重視の自動入札機能を利用している場合、自動入札機能が広告を出し分けするもののクリック率向上には繋がらないのでは?」と思う方もいらっしゃるかもしれませんが、一般的に「コンバージョン率が高い広告=クリック率も高い」ということが多い為、コンバージョン重視の自動入札機能を利用している場合でもこの方法でクリック率が向上することが多いです。

方法3.カスタマイザ機能を活用して動的に広告表現を出し分ける

同一広告グループに設定してあるキーワードの微妙な文言の違いによって、見込客に刺さる広告表現が変わることがあります。例えば、キーワード「ダイエット 食事」とキーワード「ダイエット プロテイン」はどちらも「食べ物に関するダイエット情報を探している検索キーワード」ではあるものの、「食事をどのようにコントロールするとダイエットに繋がるのか?」と「プロテインを摂取してダイエットする方法はどういったものか?」という異なる情報を探しており、見込客のニーズが異なることが分かります。同一広告グループに多数のキーワードが設定されている場合は、広告カスタマイザを活用して「キーワードごとにタイトルや説明文を出し分け、見込客ごとに最も刺さる広告表現をあてる」ようにしましょう。

なお、「広告カスタマイザを使用してキーワードごとに異なる広告表現を表示させるくらいなら、キーワードごとに広告グループを分けてしまえばいいのでは?」と思う方もいらっしゃるかもしれませんが、広告グループは無駄に分割しない方が良いです。広告の表示回数(インプレッション)が広告グループごとに分散してしまうと、自動入札機能の精度が落ちるからです。というわけで、キーワードは出来る限り少ない広告グループにまとめていきつつ、見込客の微妙なニーズの違いに対応すべく広告カスタマイザを活用していきましょう。

今回は以上です。検索連動型広告で使用する広告(テキスト広告)によるクリック率向上の方法を解説しましたが、今回解説した方法を1回実施するだけでは完全に不十分となります。今日効果の高い広告が3ヶ月後・6ヶ月後・1年後も同じように高い効果のままであることは極めて稀だからです。同じ広告は見込客に見飽きられてしまいますし、競合がより良い広告表現をしてきた場合に見込客からすれば相対的に競合よりも悪い広告に見えてしまったりもしますよね。

広告は常にテストを繰り返し続けるくらいの感覚で定期的に改善・差し替えが必要です。非常に地味な作業の繰り返しになりますが、だからこそその地味な作業を継続的にやりたい人・やれる人は少ないものであり、競合に大きな差をつけることにも繋がっていきます。知識を得るだけでなくしっかりと実践に落とし込んでいき、常に良い広告を表示し続けていきましょう!

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Akira Kodaka

2005年、SEO・サイト制作で起業。法人向けSEOを請け負いつつ、アフィリエイターとしても活動(当時国内上位1%の報酬獲得実績達成)。また、同時期に美容室を買収し、黒字化させてバイアウト。その後、2010年から8年間、Googleで広告運用スペシャリストとして活躍。新規クライアント専門ビジネス支援部門リード、広告代理店営業マネージャー、通信テクノロジー業界シニアアカウントマネージャーを経験。2018年、株式会社援軍設立。