Google広告やYahoo広告等の運用型広告を広告配信している場合、関係者の間で「平均クリック単価(平均CPC)が高騰気味だから、どうにかして引き下げよう。」といった類のことがたまに議論されるかと存じます。しかしながら、この議論が意味のあるものである場合と意味のないものである場合があります。平均クリック単価は安ければ安いほど良いと考えがちですが、モノが安ければ安いほど良いわけではないのと同様にクリック単価も必ずしも安ければ良いというわけではないのです。今回はクリック単価に対する基本的な考え方を手短に述べていきます。
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平均クリック単価の金額が重要ではないケースが多い
広告主の多くはコンバージョン数・コンバージョン単価等を重要な指標とする「コンバージョンの獲得」を目的に広告配信を行っています。広告の表示回数・クリック数・リーチ数等を重要な指標とする「認知度の向上(ブランディング)」を目的に広告配信を行っている広告主は一部だけです。コンバージョンの獲得が目的なのであれば、平均クリック単価が高くてもコンバージョン単価が見合っていてコンバージョン獲得できていれば何の問題もないはずです。
広告配信の目的によって平均クリック単価が重要かどうか決まる
平均クリック単価が重要になるのは「広告配信の目的が認知度の向上(ブランディング)の時にその成果の良し悪しをサイト閲覧数(LP閲覧数)としている場合」等です。多くの広告主の広告配信の目的がコンバージョンの獲得なのであれば、多くのケースでは闇雲に行う平均クリック単価の引き下げが重要になることはありません。特に、最近の広告配信は自動入札機能を活用した広告運用で行われますので、膨大な広告配信データを考慮した結果の自動入札調整によってその平均クリック単価になっているわけです。自動入札機能を上手に活用できているのであれば、目標達成の為に平均クリック単価が適切でないと考えるよりも他の指標(コンバージョン率等)が適切でないと考える方が妥当と言えます。
平均クリック単価に対する安さの追求は機会損失の拡大に繋がる
平均クリック単価の安さを追い求めた場合のデメリットについても述べておきます。平均クリック単価の引き下げを行えば広告オークションで負ける可能性を高めることになるということを認識しておきましょう。つまり、平均クリック単価を引き下げれば引き下げるほど、広告掲載されなくなる確率が上がるということです。平均クリック単価がいくら安くなったとしても、広告表示回数が減少してしまっては広告配信を行う意味が失われていってしまいます。広告配信している時は定期的にインプレッションシェアを確認して、各調整作業によってインプレッションシェアが失われすぎていないか注意するようにしてください。
今回は以上です。関係者との打ち合わせ等で「平均クリック単価を下げよう」という議論が始まりそうになったら、本当に平均クリック単価の引き下げが必要か考え、不要であるなら「平均クリック単価と事業目標の関係性」や「平均クリック単価の引き下げとインプレッションシェアの損失の関係性」等を示しながら関係者へ平均クリック単価の引き下げが不要であることを伝えましょう!
Akira Kodaka
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