本記事のタイトルを見てどうお考えになりましたでしょうか?

社名のクリック単価の1円に重みがあるということに
「そんなの当たり前だ」と思われたでしょうか?
それとも、「意外だ」と思われたでしょうか?

もし当たり前だと思われた方は優秀な運用者だと思います。
ある程度運用経験のある方であれば当たり前かもしれませんが、改めてその1円の重み・インパクトについて書いてみます。

想定ケース

さて、実際に以下のようなケースを想像してみます。

・検索広告の日予算 10万円
社名検索に1万円、一般検索に9万円という割振
・社名検索のクリック単価:6円、CV率:20%
・一般検索のクリック単価:200円、CV率:5%

※社名、一般いずれも予算制限にかかっており、予算が増やせればもっとクリックを増やせるという状況

この状況では全体の成果は以下のような状況です。

さて、この時広告のクリック単価を改善して、CPA・CV数を改善していきたいと思いますが、社名と一般検索どちらを優先すべきでしょうか?
ぱっと見、社名検索は十分に安いので一般検索のクリック単価を下げたほうが良いと感じるかもしれませんね。

では、実際に、社名検索・一般検索をそれぞれ改善していった場合の成果を比較してみましょう。
※いずれもクリック単価のみ改善し、CV率や広告費には変化がないものとします。

A:一般検索を200円→100円に改善した場合

まず、一般検索では以下のような変化が起こります。

クリック単価を半分に抑制できているので、当然、CV数は2倍、CPAは半減しますね。
では、これによって全体の成果はどう変わるでしょうか。

全体のクリック単価も47円→39円に約17%改善、CV数も356件→378件に6%増え、CPAも281円→264円に6%改善しました。
※ただし、CV率の低い一般検索のクリック数が増えているため、CV率は12%ほど低下しています。

B:社名検索を6円→5円に改善した場合

さて、さきほどは一般検索でクリック単価を半分まで抑制しましたが、こちらではわずか1円のみの改善です。

社名検索では以下のような変化が起こります。

クリック単価はわずか1円の差ですが、6円→5円なので、17%ほど改善したことになります。
それによって、CV数は20%増加しています。当然CPAもクリック単価に合わせて17%ほどの改善です。
では、これによって全体の成果はどう変わるでしょうか。

全体のクリック単価は47円→41円に約14%改善、CV数は356件→423件に19%増加、CPAも281円→237円に16%改善という結果になりました。
クリック単価はAパターンほどの改善は見られませんでしたが、CV数が大幅に増え、CPAもこちらの方がより大きく改善した形となります。

総括

いかがでしょうか。
Aのように一般検索のクリック単価を頑張って半分に抑えた場合に比べ、Bのようにわずか1円でも社名検索のクリック単価を下げた場合の方がCV数・CPAの改善幅が大きくなりました。
その理由は社名検索のCV率が一般検索に比べて特に高いためです。

今回はあくまで想定ケースなので、クリック単価を抑制した場合に社名・一般それぞれでCV率が変わる可能性も十分にあります。
状況によってそれぞれのクリック単価もCV率も違うので、一概にすべてのケースで同様なことが起こるとは言えませんが、多くの場合、社名検索のCV率の方が一般検索の何倍も高いのではないでしょうか。

もちろん、社名も一般もどちらも改善できるに越したことはありません。
ですが、限られたリソースの中では、よりインパクトの大きい改善を優先的にしていく方がよいでしょう。
社名検索のクリック単価を1円下げることももしかしたら難しいかもしれませんが、一般検索のクリック単価を半分に抑えるよりは簡単かもしれません。
難易度は状況によって変わると思いますが、今回のように社名検索のクリック単価を1円下げることの方がインパクトが大きい場合は、そちらの改善を優先しても良いと思います。

それでは。

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Kyotaro Yamaoka

横浜国立大学工学部卒。2児の父。重工業系エンジニアを経て、2015年にWebマーケティング業界に参入。電通アイソバーや博報堂DYデジタル、インティメートマージャーなどとの協業経験を経て、ベンチャー企業のリーダー運用者として多様な業種の広告主を支援。2021年に援軍入社。データ分析に強みを持つ理系ディレクター。