インターネット広告を利用している広告主であれば「実施していない広告主はいない!」と言っても過言ではないGoogle広告。そんなGoogle広告の広告メニューの1つである「ディスプレイ広告(通称「GDN」)について、今まで「標準のディスプレイ広告」と「スマートディスプレイキャンペーン」と分かれていたキャンペーンタイプが2022年2月頃に統合されました。新ディスプレイ広告ではこれらのキャンペーンタイプが1つに統合され、より広告管理しやすくなるというわけです。

この統合により、最適化されたターゲティングがディスプレイ広告でデフォルトの機能となりました。しかも、ターゲティングの最適化に関する機能も改善されているとのこと。細かいこと抜きにザックリ言いますと、今までは「良い成果が出そうな集団を狙うようターゲティングが最適化」されていたのが、今回の機能改善により「良い成果が出そうな個人を狙うようターゲティングが最適化」されるようになりました。これにより「集団を狙うことによる無駄打ち(集団全員が良い成果に繋がるはずがないですよね)」が減ることになり、更なる成果改善が見込めるというわけです。

新ディスプレイ広告を「目標コンバージョン単価入札×オールターゲティング」で配信

先に冒頭で述べました通り、Google社がターゲティングの精度改善を施したとなれば、Google広告のこの新ディスプレイ広告に期待せざるを得ません。「許容できるCPAを維持したままオールターゲティングでぶっ放し配信ができる!(コンバージョンを獲得しまくれる!)」とワクワク。そこで新ディスプレイ広告を「入札方式:目標コンバージョン単価(設定した目標CPAは、既存のディスプレイ広告の平均的なCPAより2割ほど高めの数値としました。)」・「ターゲティング:最適化されたターゲティングのみ(関連性のあると判断される見込客の範囲内でオールターゲティングとしてリーチの最大化をしたく、このようにしました。)」・「日予算:目標コンバージョン単価の10倍(低い日予算設定が原因で広告配信が抑制されるといけない、とこのようにしました。)」として、ある通販案件(広告主様からご了承を得て、今回の内容の広告配信を行っております。)で広告配信の設定を行いました。

結果は、インプレッションがショボショボ・・・(涙)

あえて設定変更せずに3ヶ月ほど静観しましたが、結果としましては「インプレッション(広告の表示回数)がショボショボな状態が続いただけ」でした。具体的には、1日あたり数回~数百回程度のインプレッションがあるだけで、ほぼ何も起きない(インプレッションが少なすぎて、クリックすらなかなか発生しない)状況が続いただけでした。奇跡的に最初の数クリック(とは言え、その数クリックの獲得に2ヶ月半かかっています)でコンバージョンが発生したものの、わずかなコンバージョンではインプレッション増加の刺激にはならず、その後もショボショボなインプレッションが続いて今に至ります。

ターゲティング設定は「最適化されたターゲティング+シグナル」が無難かも

広告配信でコンバージョンを獲得するには、当然ですがインプレッションが無いと何も始まりません。その為、今回のケース(「最適化されたターゲティングのみ」でオールターゲティング配信)でインプレッションを得るには「入札を引き上げる=目標CPA設定を引き上げる」か「入札方式を目標コンバージョン単価入札からコンバージョン数の最大化入札等に変更する」という対処法が考えられますが、それだと許容CPAを守り切れなくなるリスクが出てきてしまったことでしょう。

その為、ターゲティング設定としては「最適化されたターゲティング+シグナル追加(リマーケリスト等の確度の高いユーザーに関するユーザーリストの追加)」としてターゲティングの安全性(絞り込んだ広告配信をターゲティングに含めることで、チャレンジングな入札方式・入札単価を試しやすくなる)を高めつつ、入札方式や入札単価を「本来の許容よりも若干緩める」形くらいから新ディスプレイ広告を試す程度が良いのかもしれません。

今回は以上です。進化した新ディスプレイ広告ということで期待しましたが、確かに進化はしていそうなものの、想像を超えるような大きな進化というわけではないかもしれません。しかしながら、数年前のディスプレイ広告と比較したら、ディスプレイ広告も今日までに大きな進化を遂げております。一気に大きな進化はないにしろ、日々少しずつ進化していることには違いないと思いますので、今後のディスプレイ広告の更なる進化を楽しみにしながら日々広告運用をしていきたいと思います。いつの日か「サイトURLと目標CPAを入力するだけで、100%確実な精度で目標CPAを達成するほどの自動配信広告!」というレベルまでディスプレイ広告が進化するといいですね!

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Akira Kodaka

2005年、SEO・サイト制作で起業。法人向けSEOを請け負いつつ、アフィリエイターとしても活動(当時国内上位1%の報酬獲得実績達成)。また、同時期に美容室を買収し、黒字化させてバイアウト。その後、2010年から8年間、Googleで広告運用スペシャリストとして活躍。新規クライアント専門ビジネス支援部門リード、広告代理店営業マネージャー、通信テクノロジー業界シニアアカウントマネージャーを経験。2018年、株式会社援軍設立。