今回は、初めて広告運用の担当になった方向けに、広告媒体・メニューの選び方をお伝えしていきます。
商材によって集客したい層は変わるので、選ぶ媒体も変わってきます。

最初は確度の高い媒体を選びましょう

初めて広告運用を行う場合、よほどの場合を除き。いきなり何百万円も投資するケースは少ないと思います。
まずはCVに至りやすい確度の高い媒体から始めていき、ある程度効果が見込めれば徐々に拡大していくというのがリスクの少ない進め方です。

広告の種類一覧

一般に広告の媒体・メニューは以下に分けられます。

  • 検索広告(Googleやyahooの検索結果に配信。検索キーワードを指定してターゲティング)
    • 指名検索(例:検索キーワード「株式会社 援軍」)
    • 一般検索(例:検索キーワード「Web広告代理店」)
  • ディスプレイ広告(Webサイトやアプリにバナーや動画広告を配信。ターゲティング方法は以下の通り)
    • リターゲティング配信(サイト訪問履歴を指定)
    • オーディエンス指定配信(ユーザーの興味関心などを指定)
    • コンテンツ指定配信(配信面のURLやコンテンツなどを指定)
    • ブロード配信(行動履歴や興味関心やコンテンツを指定しない配信。指定しない場合もある)
  • SNS広告(SNSのタイムラインに投稿形式で広告配信。ターゲティング方法は以下の通り)
    • リターゲティング配信(サイト訪問履歴を指定)
    • 検索配信(SNS上での検索ワードを指定)
    • オーディエンス指定配信(ユーザーの興味関心やフォローしているアカウント等を指定)
    • ブロード配信(ユーザーの年齢・性別などで配信。指定しない場合もある)
  • Google広告 P-MAX(Google保有面に対して、全自動で配信。ターゲティングはキーワードや興味関心をシグナルとして指定)

はじめは検索広告が推奨

商材ジャンルを問わず、一般に以下の順で確度が高いとされています。

  1. 検索広告>指名検索
  2. ディスプレイ・SNS広告>リターゲティング広告
  3. 検索広告>一般検索
  4. SNS広告>検索配信
  5. ディスプレイ広告・SNS広告>オーディエンス指定配信、コンテンツ指定配信
  6. ディスプレイ広告・SNS広告>ブロード配信

1は直接自社サービスを検索している、2は一度サイトに訪問したことがあるため、いずれもサービスを認知してくれています。そのため一番CVを取りやすい配信方法です。
広告を始めて行う場合は、検索広告(上記1・3)から始めるのが推奨です。
2のリターゲティング広告を行うためにはサイト訪問履歴が必要なので、広告を始めるときからタグを設置するなどして訪問履歴を蓄積することが推奨です。
※ただし、GoogleChromeでは2024年内に訪問履歴の判別に必要な3rdPartyCookieの廃止が決まっているため、今後訪問履歴の蓄積が難しくなります。

一般にSNSやディスプレイ広告よりも検索広告の方がCVを取りやすいです。
具体的なキーワードで検索をしているわけで、具体的なニーズがあるためです。一方で、ディスプレイ広告やSNS広告は直接何かを探すわけではなく、サイトで調べ物をしていたり、SNSでコンテンツを読んでいるため、ニーズが弱いです。ただし、ディスプレイ広告・SNS広告ともに画像や動画で広告を出せるため、視覚的にサービスの認知をさせることが強みです。
ただ、最近では一部のSNS広告(Xなど)では検索広告も出ていたりするので、SNSの検索広告は比較的確度の高いユーザーを狙いやすいです。

なお、検索広告は一定の検索ボリュームがあることが大前提です。
狙いたいキーワードに検索ボリュームがなければ、そもそも検索されず広告を見てもらうことはできず、また検索されても広告枠が用意されず広告配信ができない場合もあります。
そのような場合は、Meta広告などで興味関心を指定してサービスの認知を拡大する方が効果的な場合があります。

また、最近はGoogle広告のP-MAXが主流になりつつあります。P-MAXは検索結果やWebサイト、YoutubeなどGoogle広告のあらゆる配信面を対象に、Googleが自動で最適な配信を行う手法です。検索広告よりも効果が出る事例も多く出てきており、これは立ち上げから試したい手法です。
ただし、CVデータをもとに最適化するため、CVデータが少ないとなかなか最適化が進まず配信が出にくい場合もあります。なので、最初からP-MAX一本でやることはあまり推奨できません。P-MAXと並行して、少なくとも検索広告は行うのが推奨です。

商材ごとに選ぶ場合

さて、続いては商材による媒体の選び方です。選ぶ際に気にすることは主に以下の視点です。

  • 商材が一般消費者向け(toC)か、企業向け(toB)か?
  • 主なターゲットの年齢層や性別は?
  • 商材のターゲットは限定的か?(年齢や性別、ライフステージなどを限定するか?)

例)一般消費者向けの総合通販の場合

ターゲットを絞らないので、アプローチ対象者の広いSNS・ディスプレイ広告を広めに配信しても一定の効果が見込めます。
誰でも使うような商品であれば、セール情報などが効果的になりやすいので、バナー広告でセール情報をアピールするなどが効果的です。
商品点数が多ければ自動で配信する商品を最適化してくれるCriteoなども推奨です。

例)企業向け商材の場合

企業向け商材は対象が社会人に限定されます。また、業種や職種を限定する場合も多いでしょう。
一般に検索広告の次にMeta広告が推奨されています。Metaの利用者にビジネスマンが多いことが理由です。
他にもビジネスマンが使いそうなメディア(LinkedInなど)を試してみるのもよいでしょう。

例)高校生向けコスメの場合

10代~20代前半の若年層であれば、SNS広告が推奨です。特にメインターゲットが高校生なら高校生がよく利用するTikTokなどが推奨です。

大事なのは、ターゲット層が使うメディアや心理を考えること

いくつか代表的な例を示しましたが、選ぶ媒体・メニューは商材によってケースバイケースです。
大事なのは自社のメインターゲットがどういう属性の人なのか、そのターゲットがよく見るメディアは何なのかを考えることです。
また、そのメディアを訪れるときの心理(なぜそのメディアを使っているのか)を考えることです。

ここを考えればどういうメディアに広告を出すべきかが見えてくると思います。

それでは。

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Kyotaro Yamaoka

横浜国立大学工学部卒。2児の父。重工業系エンジニアを経て、2015年にWebマーケティング業界に参入。電通アイソバーや博報堂DYデジタル、インティメートマージャーなどとの協業経験を経て、ベンチャー企業のリーダー運用者として多様な業種の広告主を支援。2021年に援軍入社。データ分析に強みを持つ理系ディレクター。