2024年以降でGoogleはChromeのサードパーティーCookie廃止を進めていくことを公表しており、広告配信や計測への影響が懸念されています。

特にリマーケティングを中心としたディスプレイ広告の効果・精度が低下することが想定され、それらの代替案を模索されている方も多いのではないでしょうか。

規制が厳しくなっていく状況下で、今後特に価値を増していくのは「自社で保有する顧客データ」などのファーストパーティーデータであることは間違いありません。

有効な施策として、顧客データを活用した「カスタマーマッチ」での配信が挙げられますが、この記事ではGoogle広告でカスタマーマッチを登録・活用する際の留意点をまとめていきます。

カスタマーマッチリストの自動適用について

基本的にオーディエンスリストを作成する際は、作成後に適用したいキャンペーンへの紐付けが必要になるかと思います。

カスタマーマッチリストの場合は、作成されると自動的にアカウント内の全てのキャンペーンへ適用されることは理解しておく必要があります。

以下、Google広告のカスタマーマッチに関するヘルプの抜粋です。

スマート自動入札および最適化されたターゲティングを使用したキャンペーンに、アカウント内のカスタマー マッチ リストがすべて自動的に含まれるようになります。これにより、目標(コンバージョン数など)に応じて広告キャンペーンのパフォーマンスが向上することが見込まれます。

これはキャンペーンのターゲット設定には影響しません。キャンペーンで最適化されたターゲティングを使用している場合、広告はコンバージョンに至る見込みの高いユーザーに表示されます。

カスタマー マッチ リストが一部のキャンペーンに関連していない場合でも、スマート自動入札と最適化されたターゲティングによって、どのカスタマー マッチ リストがキャンペーンのパフォーマンス向上に役立つのかが自動的に学習され、リストの適用がリアルタイムで継続的に最適化されます。

自動入札を適用している場合は、アカウント内のカスタマーマッチリストを参照してパフォーマンスを最適化しているということになります。

そのため、カスタマーマッチの更新は定期的に実施したほうが良いということと、過去に追加して使用していないカスタマーマッチのリストは削除を検討したほうが良いでしょう。

カスタマーマッチリストの自動適用を解除する方法

カスタマーマッチリストを自動的にシグナルとして活用することは、機械学習を促進する上でプラスになる面が多いと考えられますが、中には自動適用をしたくないケースもあるかと思います。

例えば1つのアカウント内でターゲットが全く異なる商材の広告配信を実施していて、それぞれの商材ごとのカスタマーマッチリストを作成した場合、などが考えられます。

カスタマーマッチの自動適用を解除する方法としては、アカウント設定から進めることが出来ます。

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管理画面左側のメニューから「アカウント設定」を選択し、「カスタマーマッチ」の項目を開きましょう。

「スマート自動入札と最適化されたターゲティングで、すべてのカスタマーマッチリストを使用する」のチェックを外せばオプトアウトが可能です。

基本的には複数のリストがある場合でも、どのリストがパフォーマンスの向上に役立つかを学習するので影響は少ないとのことですが、オプトアウトの方法は念のため知っておいたほうが良いかと思います。

カスタマーマッチリストの自動適用スケジュール

カスタマーマッチリストの自動追加は、現状全ての広告メニューで適用されているわけではありません。

2024年1月現在、ヘルプページで公表されているのは下記のスケジュールです。

広告キャンペーンのタイプ タイムライン
YouTube 動画アクション キャンペーン 2022 年第 4 四半期にリリース済み
YouTube のおすすめ 2022 年第 4 四半期にリリース済み
検索広告 2023 年第 3 四半期にリリース済み
ショッピング 2024 年第 1 四半期にリリース予定
ファインド(YouTube 広告以外) 2023 年第 3 四半期にリリース済み
Gmail 広告 2024 年第 1 四半期にリリース予定

YouTubeに関しては2022年にリリースされていますが、検索やファインド(デマンドジェネレーション)は2023年の秋頃から適用されています。

2024年はショッピング広告やGmail広告での自動適用が実施される予定となっています。

まとめ

意外とカスタマーマッチリストが、自動的にアカウント全てのシグナルに活用されているということを知らなかった方も多いのではないでしょうか。

自動的に学習をして、どのリストがパフォーマンスに役立つかを判別してくれるため、成果が大きく悪化するなどの影響はほとんどないかと思いますが、運用する上では是非頭に入れておきたい内容です。

これを機に、カスタマーマッチリストの更新頻度を高めたり、使用していないカスタマーマッチリストの整理などを実施してみてはいかがでしょうか?

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Keisuke Asou

前職は福島県の広告代理店に8年間勤務。デザイナーとしてキャリアをスタート後、新規事業となる求人事業や、デジタル広告運用事業を立ち上げ、統括。中小企業や地方自治体のクリエイティブ・マーケティング支援を得意とする。マーケターとして更なる経験を積むため、2022年8月から援軍に入社。日々修行中。