はじめに

広告運用において、曜日を意識することは大事です。

例えば、BtoB商材なら土日は検索数が落ちるから検索広告の予算は平日に寄せる。
逆にBtoCのECなら土日にCV率が高まるから予算を土日に寄せるなど。

これを意識せずに、単純に月額の広告費を単純に30日間の日割りで使ってしまうと広告予算の使い方として最適とは言えません。

BtoBで土日に検索が伸びない場合は、その前提で平日の予算を多めに使うようにしましょう。
そうしないと、月末になるにつれ予算が余ってしまい、せっかくの予算を最大限活かしきれないままユーザー獲得の機会を逃します。

また、BtoCで土日にCV率が伸びたり、サイト流入が増えることがわかっている場合は、土日に予算を多く使えるように平日の予算を抑えて配信しましょう。
平日と土日で同じ予算を使うよりも、効果のよい土日に予算を使う方が効果的です。

商材の対象となるユーザーの傾向を理解して、最適な予算の使い方を行いましょう。

具体的にやるべきこと

1)ユーザーの傾向理解

当たり前ですが、まずはユーザーの傾向を理解することが必要です。
もしまだユーザーの傾向を知らない場合は、過去の広告配信実績から曜日別のレポートを作りましょう。
それで、平日と土日で検索数やクリック率に差があるのか、CV率に差があるのかを把握しましょう。

2)配信ペースの作成

1でユーザーの傾向を理解したら、次に1か月の配信ペースを決めましょう。
具体的には、土日の獲得が少ないから、平日のペースを1としたら土日のペースは0.8とする。など。
祝日や、夏季休暇・年末年始も考慮してペースを決めましょう。
そして、月初から月末まで、すべての日の配信ペースを決めたら、月の広告予算を掛け合わせて1日に使う広告の予算表を作成しましょう。
これで、毎日均等配信するよりも最適な予算配分ができます。

※配信ペース表サンプル

ただし、配信ペース表を作成しても必ずしも設定予算通りに配信できるとは限りません。
毎日進捗をチェックして、適宜日予算は修正するようにしましょう。
(その計算もスプレッドシートやExcelで関数を組めば自動で算出できるようになります。)

3)自動化ルールの適用(任意)

毎週土日は日予算を20%増やすなど、曜日ごとに配信ペースが決められた場合は、広告管理画面から自動化ルールを設定しましょう。
今はGoogle広告もYahoo広告も自動化ルールで決まった曜日に予算を指定の割合で増減させることができます。

もし土日で予算を20%増やしたい場合は、土曜日の0-1時の間に予算を20%引き上げる。
日曜日の23-24時の間に、17%減らす。
というような自動化ルールを設定しましょう。

注意したいのは、土日に20%増やしたからと言って、平日のペースを戻すときには20%減らすという設定にしないことです。
土日の予算は平日から見て120%となっているので、これに80%をかけると、96%となり、もともとの予算より4%より少ない予算となるためです。
平日を1に戻すための正しい計算としては、1/1.2=0.833・・・になります。そのため、20%ではなく、17%減らす設定にすることが必要です。
この場合は、17%減らしても1.2×0.83=0.996となり、0.4%誤差が出てしまいますが、限りなく100%に近づけるにはこちらの方がよいです。

毎月の予算計画をしっかり立てて、最適な予算配分で効果を最大化していきましょう。

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Kyotaro Yamaoka

横浜国立大学工学部卒。2児の父。重工業系エンジニアを経て、2015年にWebマーケティング業界に参入。電通アイソバーや博報堂DYデジタル、インティメートマージャーなどとの協業経験を経て、ベンチャー企業のリーダー運用者として多様な業種の広告主を支援。2021年に援軍入社。データ分析に強みを持つ理系ディレクター。