企業のマーケティング担当者は、広告運用を含む多岐にわたる業務を抱えています。そのため、広告運用に関してはAIにほぼ任せて自分は空いている時間にだけ数値を確認しているという声を伺うことがあります。ここ数年でAIの精度は大きく向上しており任せることが出来る部分は増えています。しかし運用者にしか判断できない部分も引き続き存在しており、広告運用で効果を最大化するためには、定期的なモニタリング・改善は変わらず必要不可欠です。

AIに任せきりにする広告運用上のリスクとは

考えられる問題点についていくつかピックアップします。

成果の低いキャンペーンに予算を投下し続ける

AIは過去のデータをもとに最適化しますが、学習精度が十分でない場合は成果が向上しない状況が続き予算を使い続けてしまう恐れがあります。運用者はこのような状況を避けるために改善(新しいキーワード・オーディエンスの作成、クリエイティブの見直しなど)を行い対処していきますが、現在のAIの精度ではまだそこまで判断することは出来ません。

新しい市場やトレンドへの対応が遅れる

上記の通りAIは既存のデータにもとに最適化するため、これまでにはない新しい市場やトレンド(最近でいえばオリンピックなどが過去データに含まれないトレンド)に対してすぐに対応出来ない場合があります。これらの動向に事前に対応するには担当者の調整が必要となります。

広告運用中のトラブルに迅速に対応できない

広告の審査落ちや予算の超過など、運用上のトラブルはいつでも発生する可能性があります。これらの問題は早期に対応することが重要となりますが、広告管理画面を長時間見ていない場合はそのまま配信し続けることになります。

ビジネス目線での最適化が難しい

個人的には運用者が入るべき一番重要な点だと考えています。自社内のポジショニングやマーケティング戦略を踏まえると、データ通りに進めることが難しいケースは多々あります。たとえばAは売れている商品だが新商品Bが発売されるため、一時期にAの広告出稿は抑制する必要があるなど。企業の戦略や状況を考慮して総合的に判断することは、現在のAIの精度ではまだ難しい部分が多いと考えられます。

AIが得意とする内容を把握することが大切

AIの精度は大幅に向上しています。しかし現段階では広告運用の精度を高めるためには、運用者の調整や判断は変わらず必要です。AIと担当者それぞれの役割を理解し、より効果的な広告運用を行っていく形が適切な運用方法だと考えられます。

時間を作りにくい方はツールの導入を検討

たとえ1日3分であっても、定期的なモニタリングや調整を行うことで成果は変わってきます。しかし多くの時間を取ることが難しい場合は、ルッカースタジオなどツールを用いて時短しながら広告運用されることをおススメします。これらを活用することで、広告運用の状況を容易に把握することができるようになりますので、忙しい方は是非ご活用ください。

 

今回は以上となります。

 

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Hiroshi Shimada

リクルートにて求人広告制作のディレクター、Googleにてアカウントマネージャーをそれぞれ経験。その後、健康コーポレーション(現RIZAP)にて、WEB施策のデータ分析を行う部署を統括。直近10年はWEBマーケティングに専念しているが、広告領域の業務で言えば22年の経験。オンライン・オフラインどちらの戦略立案・実施・分析においても、知識・経験が圧倒的に豊富なマーケター。