2024年10月中旬頃から「Google経由のオーディエンス」というオーディエンスリストが新たに追加されている広告アカウントを見かけるようになってきました。

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「Google経由のオーディエンス」とはGoogleのサービス(Google検索、YouTubeなど)から、自社のウェブサイトにアクセスしたユーザーのリストが自動的に作成される機能です。

詳しくは公式ヘルプページをご参照ください。

今回は「Google経由のオーディエンス」の概要や、具体的な活用方法についてまとめていきます。

Google経由のオーディエンスについて

Google経由のオーディエンスに関して、まず思うのが「リマーケティングタグ」ベースのサイト訪問者のリストと何が違うの?という点かと思います。

Google経由のオーディエンスは「Googleアカウントのログインシグナル」を利用して作成されるリストになるため、現状の Protected Audience API を使用するリマーケティングタグ経由の訪問者リストとは性質が異なると記載がありました。

Protected Audience API(旧FLEDGE)はCookieベースでのリマーケティングの代替として、ユーザーの興味を示した商品やサービスの情報を「ブラウザ内」に保存し、それに基づいて広告を表示する仕組みです。

一方でCookieベースのリマーケティングよりも制限が多く、ターゲティングの粒度・精度共に劣ってしまうことが課題のようです。

Google ChromeのサードパーティーCookieの廃止は2024年7月に撤回がアナウンスされましたが、iOS・SafariやFirefoxなどでは既にサードパーティーCookieは廃止されています。

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【日本国内のブラウザシェア】

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【モバイルのみのブラウザシェア】

ざっくりと日本国内のブラウザのシェアなどを調査できるstutcounterの情報を参考にすると、全デバイスのアクセスでは約25%、モバイルのみに絞れば半分程度がサードパーティーCookieでのターゲティング不可となっているという認識を持つとよいかと思います。

そのためChromeがサードパーティーCookieの廃止を撤回したとしても、ターゲティングの精度は下がってきていると考えられそうです。

まとめると「Google経由のオーディエンス」は、「リマーケティングタグ」ベースのサイト訪問者のリストとは性質が異なり、Google広告または検索結果などをクリックをして訪問したGoogleアカウントにログインしているユーザーをリスト化するため、より精度の高いリストになっているということになります。

自動的にリスト化されるので、特に追加で設定をする必要がないということや、リアルタイムで更新されていくため常にリストを最新の状態にできることがメリットとなっています。

Google経由のオーディエンスの活用方法

具体的な活用方法として考えられるのはP-MAXのオーディエンスシグナルへの追加が挙げられます。

リマーケティングのリストを既に追加されている場合は、リマーケティングのリストを補完する意味合いでGoogle経由のオーディエンスのリストを追加することを媒体側でも推奨しています。

また検索広告のオーディエンスにモニタリングの形式で追加して、機械学習を促進するためのシグナルを増やすという使い方もできそうです。

一方で注意点としてはGoogle経由のオーディエンスのリストは「ウェブサイト単位」で作成されているため、例えば複数のターゲットが異なる商材のランディングページがある場合、リストをランディングページごとに分割するといったことはできないとのこと。

そのため、ターゲティングが異なる商品・サービスが複数ある場合は、導入の判断を慎重にするべきかと思います。

動的リマーケティングのユースケースでも対応が難しいと考えられます。

よくある質問/まとめ

Google経由のオーディエンスに関して、よくある質問もまとめられています。

参考までにいくつか引用してご紹介します。

【Google 経由のオーディエンスを使用するメリットは何ですか?】

Google 経由のオーディエンスはシグナルを活用して、お客様のウェブサイトにアクセスしたユーザーへの再アプローチを可能にします。

この機能は、他のリエンゲージメント ソリューション(タグに基づくオーディエンスやカスタマー マッチ リストのリマーケティングなど)とは異なります。広告主様がそれらのソリューションを利用できない、またはそれらのソリューションを補完したい場合に使用できます。

【Google 経由のオーディエンス リストとタグベースの顧客リストの違いは何ですか?】

タグベースの顧客リスト(リマーケティング リストなど)に含まれるウェブサイト訪問者は、プライバシー サンドボックスの Protected Audience API を使用するタグによって収集されます。一方、Google 経由のオーディエンス リストでは、ログイン シグナルを利用してオーディエンスが構築されます。この機能は、ビジネスとの関連性が高いオーディエンスを構築する補足的な方法を提供します。これらは 2 つのタイプの異なるオーディエンス リストであり、混同しないようにする必要があります。

【すでにカスタマー マッチを使用していますが、この機能も導入すべきですか?】

はい。さまざまなユーザー アクションにリーチできる Google 経由のオーディエンス リストは、カスタマー マッチ リストに代わるものではなく、補完する機能として使用できます。

カスタマー マッチでは既存の顧客にリーチできるのに対し、Google 経由のオーディエンスではウェブサイトへの興味や関心に基づいて、購入意向の強い新規のオーディエンスにリマーケティングできます。

Google AI は、最新のデータが豊富にあれば、さらに効果を発揮します。

【Google 経由のオーディエンス リストに登録されているユーザーの有効期間はどのくらいですか?】

広告主様は、リストに追加されるユーザーの有効期間を調整できます。オーディエンス セグメントのガイドラインに基づき、最大 540 日間の有効期間を選択できます。

Google経由のオーディエンスは注意しなければいけないポイントもいくつかありますが、従来のリマーケティングのリストを保管しつつ、機械学習を促進するための有効なシグナルを追加するのに今後役立ちそうです。

現状既にリストが自動で作成されているアカウントと、まだ未作成のアカウントがあるようなので、まずはGoogle経由のオーディエンスが追加されているかを確認してみるのが良いかと思います。

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Keisuke Asou

前職は福島県の広告代理店に8年間勤務。デザイナーとしてキャリアをスタート後、新規事業となる求人事業や、デジタル広告運用事業を立ち上げ、統括。中小企業や地方自治体のクリエイティブ・マーケティング支援を得意とする。マーケターとして更なる経験を積むため、2022年8月から援軍に入社。日々修行中。