YDAで注目しておきたいアップデートがありました。
基本的にYDAでは「クリック課金・動画再生課金」のいずれかから課金の方式を選ぶ形でしたが、β版として「ビューアブルインプレッション課金」が選択できるようになっています。
詳しくは公式のリリースページを御覧ください。
より正確に言えば「ブランド認知」というキャンペーン目的の場合は既にビューアブルインプレッション課金を活用できましたが、今回のアップデートで「コンバージョン数」や「動画生成数」を目的としたキャンペーンでも、ビューアブルインプレッション課金を選択できるようになりました。
今回はビューアブルインプレッションの定義のおさらいと、活用シーンなどをまとめていきたいと思います。
ビューアブルインプレッションって?
まずビューアブルインプレッションの定義についてですが、ビューアブルインプレッションとは「ユーザーの視認領域に広告が表示された際のインプレッション」を意味します。
つまり通常指標として見ている「インプレッション」は、ページの下部の広告枠に表示されるなど、ユーザーの視界に入っていない場合でもカウントされてしまうということですね。
どのようなタイミングで「視認」したと判断されるかは下記のとおりとなっています。
- 広告の50%以上の範囲が1秒以上連続して表示された場合
- インストリームの掲載面では、広告の50%以上の範囲が表示された状態で2秒以上連続して動画再生された場合
更に正確に言えば、広告の掲載面によってはビューアブルインプレッションを計測できない場合があるようなので、あくまでビューアブルインプレッション数の計測が可能なインプレッション(メジャードインプレッション)の中で視認領域に広告が表示された回数ということになります。
インプレッション関連の指標は実はたくさんあるので一覧を載せておきます。
測定指標名 | 説明 |
---|---|
メジャードインプレッション数 | ビューアブルインプレッション数の計測が可能なインプレッション数。 |
メジャードインプレッション測定率 | インプレッションに対するメジャードインプレッションの測定率。 |
ビューアブルインプレッション数 | 広告がインターネットユーザーの視認領域内に表示された(見られていると考えられる)回数。 |
ビューアブルインプレッション率 | ビューアブルインプレッション数の計測が可能なインプレッション率。 |
ビューアブルクリック数 | ビューアブルインプレッションのうち、広告がクリックされた回数。 |
ビューアブルクリック率 | ビューアブルインプレッション数のうち、広告がクリックされた割合。 |
リーチ数(メジャードインプレッション) | 期間内に1回以上のメジャードインプレッションが発生したユニークユーザー数。 ※2021年6月23日以降のデータを取得可能 |
平均接触回数(メジャードインプレッション) | ユニークユーザー単位で発生したメジャードインプレッションの平均回数。 |
リーチ数(ビューアブルインプレッション) | 期間内に1回以上のビューアブルインプレッションが発生したユニークユーザー数。 |
平均接触回数(ビューアブルインプレッション) | ユニークユーザー単位で発生したビューアブルインプレッションの平均回数。 |
耳慣れない指標が多くて混乱してきますね。
下記の図を見ておくとイメージしやすくなるかと思います。

【画像引用元:Yahoo!広告ヘルプページより】
「インプレッション」という指標だけで広告効果の良し悪しを判断するとミスリードが生まれやすいですが、これらの指標も上手く活用すると、広告がどのような面に表示されていて、実際にどれくらいユーザーが視認したインプレッションを獲得できているのかを把握できるので、より精緻なディスプレイ広告の成果を把握することができます。
ビューアブルインプレッション課金について
ビューアブルインプレッション課金(vCPM)は、1,000ビューアブルインプレッションごとに広告料金が発生する課金方式となります。
実際に管理画面上でも「コンバージョン数の最大化」のキャンペーンを作成する際に「ビューアブルインプレッション課金(β版)」が選択できるようになっています。
「クリック課金」と「ビューアブルインプレッション課金」のどちらが良いの?という疑問が湧いてくるかと思いますが、現状β版ということもありYahoo!側でもどのような挙動をするか、またどんな運用が最適か明確になっていないとのことです。
そのため、実際にテスト的に配信してみて検証するのが1番早いというのが回答になってしまうのですが、ビューアブルインプレッション課金の場合、ビューアブルインプレッションが計測できない掲載面には広告配信されないと表記があるので、クリック課金よりもインプレッション自体は少なくなると予想できます。
またクリック課金とビューアブルインプレッション課金のどちらが誘導効率が高くなるかはCTRがポイントになるので、現状のクリエイティブがユーザーの興味関心に本当にマッチしているかをどうかを検証する良い手段になるのではないかと考えられます。
まとめ
ビューアブルインプレッション課金が柔軟に選択できるようになったことで、戦略の幅が広がったように思います。
β版ということもあり今後機能改善を行ったうえで正式リリースとなるようですが、上手く活用できれば、しっかりとディスプレイ広告で認知を獲得しながら、コンバージョン数の最大化を目指せるという可能性もあるため、今からでも試す価値がありそうです。
入札戦略でも「ビューアブルインプレッションの最大化」を選択できるようになっているので、商品やサービスの認知をメインとした施策を検討中の場合は有効な施策となってくるのではないかと考えられます。
ビューアブルインプレッション関連の指標を頭に入れて、広告が「見られているがクリックされていない」のか、「そもそも見られていないからクリックされていない」のかをしっかりと把握したうえで、ディスプレイ広告の成果改善につなげていきましょう。