広告を開始したばかりの時期は数値も安定しておらず、ついつい様々な修正を取り入れたくなる時期です。しかし過度に修正を入れることは、機械学習の促進を妨げるだけでなく逆効果となる可能性もあるため注意が必要です。

広告運用において過度な修正が逆効果な理由とは

短い期間での修正がなぜ良くない理由について考えてみたいと思います。

十分なデータ収集が出来ず、学習を阻害する恐れがある

Google広告などの運用型広告は、広告配信データを収集しコンバージョンデータを基に最適化を進めていきます。媒体により学習期間に差はありますが、学習を進めるには一定期間の学習期間は設ける必要があります。頻繁な修正はこの学習を阻害するだけではなく、状況によっては学習をリセットさせてしまう可能性もあり注意が必要です。

キャンペーンの学習期間の長さと、それに影響を与える要因

短期的な改善は動向を読み取り切れない恐れがある

広告運用を行っているとわかりますが、ある指標(例えばコンバージョン単価)が同じ数字で推移することはほとんどありません。競合の広告の出稿状況や、検索キーワードのトレンド等の外的要因を受けて日々変化します。短期的な広告改善は、このトレンドを無視した運用に陥りやすく、結果誤った運用につながる恐れがあります。

改善を行う際には、十分なデータを蓄積し、安定した動向を把握した上で、慎重に変更を加えることが重要となります。

【広告運用初心者が陥りがちなこと】前日のCPAを参考にして改善策を取り入れた

戦略的な運用に繋がらない恐れがある

一般的なECサイトの場合、広告表示から獲得するまでに様々なステップを踏んで獲得に至ります。広告管理画面上では成果が良くないように見えても、全体の実勢を基に評価した場合、全く異なる答えにたどり着くこともあります。戦略的な運用を行うためには、短期的な成果を追求するだけでなく、事前に設定したKPIや全体的な目標に基づいて意思決定を行うことが重要です。

【広告運用初心者が陥りがちなこと】コンバージョン数が低下したので広告管理画面の数字の中だけで要因を探した

機械学習を考慮して修正は段階的に実施

運用型広告は、日々の数値を確認できかつ気軽に調整を入れることが出来ます。しかし気軽に調整入れることが出来ることから、必要以上に修正を入れてしまうことがあります。短期的な目線ではなく、超長期的な目線で改善を行うようにしましょう。

学習期間を設けた運用を心掛ける

上記の通り、機械学習を適切に稼働するには一定の期間をかけてデータを収集することが重要となります。最低でも1~2週間の学習期間を確保するようにして、安定した運用を心掛けることが重要となります。

大きな変更を入れる場合は徐々に修正を入れていく

配信設定やターゲティングに大きな変更を加える場合、一度に行うと機械学習が最初からやり直しになる恐れがあります。徐々に変更を加えることを意識して、荒れることが無い運用も心掛けましょう。

 

今回は以上となります。

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Hiroshi Shimada

リクルートにて求人広告制作のディレクター、Googleにてアカウントマネージャーをそれぞれ経験。その後、健康コーポレーション(現RIZAP)にて、WEB施策のデータ分析を行う部署を統括。直近10年はWEBマーケティングに専念しているが、広告領域の業務で言えば22年の経験。オンライン・オフラインどちらの戦略立案・実施・分析においても、知識・経験が圧倒的に豊富なマーケター。