今週、ついにGoogleの全自動キャンペーン 「パフォーマンスの最大化」(通称:パフォーマンスマックス、P-MAX)が全ての広告主で利用可能になるとアナウンスがされました。
といっても、まだ完全にすべてのアカウントで導入できるというわけではなく、一部のアカウントではまだ展開が完了していないようです。
※ちなみに私の担当しているアカウントでは8割以上のアカウントで展開されていました。
今回は、「パフォーマンスの最大化」とは何か?何が設定できるのか?の概要をお伝えしていきます。
パフォーマンスの最大化とは?
Google広告の新しいキャンペーンタイプです。
Googleの持つすべての配信面(検索、ディスプレイ、Youtube、Gmail、Discover)に対して1つのキャンペーンで広告配信が可能になり、
全ての配信面に対して包括的に最適化をかけていくキャンペーンです。
これにより、ターゲットの調整や細かな入札管理を自動化することで、
クリエイティブやマーケティング戦略等の人の力(アイデア)が必要になる部分に時間を避けるようにするものです。
設定方法と選択項目
1)キャンペーンタイプを選ぶ画面で「パフォーマンスの最大化」を選びます。
2)予算と入札戦略を設定します。
入札戦略はコンバージョン値の最大化、目標広告費用対効果、コンバージョン数の最大化、目標コンバージョン単価のいずれかになります。
3)配信地域と言語、広告の配信スケジュールなどを設定します。
配信スケジュールに関しては、従来のスマートディスプレイキャンペーン(SDC)では設定できない項目だったので、ここが調整できるのは個人的に嬉しいポイントです。
この時、「最終ページURLの展開」という項目がありますが、ここは特に気を付けるべきポイントです。
デフォルトではオンになっており、最終ページURLも最適化されます。
最終ページURLを指定したい場合はオフにすることが必要です。
オンのままだと、次のアセットグループで指定する最終ページURLが書き換えられる可能性があります。
4)アセットグループを設定します。
パフォーマンスの最大化では、広告グループの代わりにアセットグループというものになっています。
広告アセットとオーディエンスシグナルの組み合わせを設定できます。
広告アセットについては、レスポンシブディスプレイ広告(RDA)の設定に近く、以下の項目が設定できます。
・最終ページURL
・画像(最大15個)
・ロゴ(最大5個)
・動画(最大5本)
・広告見出し(半角30文字、最大5個)
・長い広告見出し(半角90文字、最大5個)
・説明文(半角60文字、最大4個)
・行動を促すフレーズ
・会社名(半角25文字)
レスポンシブ検索広告(RSA)のように見出しや説明文のピン止めは出来ないようです。
また、RDAと比べると、長い広告見出しが5本設定できる点や、説明文の文字数が半角60文字までとなっている点が異なります。
また、RSAと同様に広告の有効性があります。
各配信面のプレビューは右側のプレビュー画面から確認できます。
オーディエンスシグナルについては、以下の項目が設定できます。
・カスタムセグメント
・選択したデータ(リマーケティングリストなど)
・ユーザーの興味関心
・ユーザー属性(性別、年齢、子供の有無、世帯収入)※性別は不明だけを選択することは出来ません。
ユーザー属性なども従来のスマートディスプレイキャンペーン(SDC)では設定できない項目だったので、調整できるのは個人的に嬉しいポイントです。
ただ、こちらアセットグループごとに設定できるのは1つのオーディエンス名のみになります。
なので、複数のオーディエンスで効果を見るためにはアセットグループを分けて管理する必要がありそうです。
また、検索キーワードの指定はできないため、カスタムセグメントなどを上手く活用していく必要がありそうです。
5)広告表示オプションを設定します。
以下の項目が設定できます。
・サイトリンク表示オプション
・コールアウト表示オプション
・電話番号表示オプション
・リードフォーム表示オプション
・構造化スニペット表示オプション
・価格表示表示オプション
・プロモーション表示オプション
こちらは従来の検索広告のメインどころを引き継いでいますが、
住所表示オプションや画像表示オプション、アプリリンク表示オプションなどは見当たりません。
6)最後に概要で設定内容を確認して、設定完了となります。
未設定の項目があるとエラーが表示されます。
最後に
従来のキャンペーンを全て包括した、Google広告の最終形態のようなキャンペーンですが、
検索とその他の面で同じ広告アセットを使うため、見出しや説明文を考えるのが、従来の感覚のままだと非常に難しくなりそうな気がします。
「検索としてどういうテキストを出すか」「ディスプレイとしてどういう見出しを出すか」という配信面毎での見せ方のコントロールは出来なくなるため、
「既存ユーザーにどういう訴求を出すか」「新規ユーザーにどういう訴求を出すか」というような、ユーザーのファネル単位で訴求軸を考えることに真摯に向き合う必要がありそうです。
広告の見せ方よりも、本質的なマーケティング戦略として「どういうユーザーにどういう訴求を出すか?」がよりダイレクトに反映されるようなキャンペーンだと感じました。
このキャンペーンを上手く活用できるかどうか、マーケターとしての実力が問われていきそうです。
まだ配信の挙動などは不明瞭な部分が多いので、引き続き様子を見ていきながら、分かったことがあれば共有いたします。
Kyotaro Yamaoka
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