Facebook広告は機械学習を使って配信を最適化しています。
広告セットで以下のように「情報収集が不十分」と出ているのを見たことがあると思いますが、この状態はパフォーマンスを最適化するためのデータがまだ足りていない状態です。

情報収集が不十分
本記事では機械学習を考慮して、なるべく早くパフォーマンスを最適化させるために担当者が押さえておくべき、基礎的な考え方をご説明します。

1広告セット1週間に50コンバージョン以上が最適化の推奨

パフォーマンスを最適化するための目安は、「1広告セットで50コンバージョン以上」です。まずはこれを超えるコンバージョンが獲得できるオーディエンスのサイズや、予算が必要となります。

オーディエンスを細かく分けない

不必要に広告セットを分けたり、オーディエンスを細かく分けたりしすぎないようにしましょう。
前述のとおり、「1広告セットで1週間50件のコンバージョン獲得」が目安となります。

リターゲティングのリストをリーセンシー(サイト来訪からの日数)で細かく切って広告セットもその単位で分けたりすることは避けましょう。

オークションの重複も考慮する

広告セットを分けた場合、広告セット間でオーディエンスが重複し、競合しあう可能性があります。
オークションが重複しているか否かは、以下から確認できます。

1.広告セットの下部に表される「確認」をクリック

広告セット確認

2.表示された「配信ビュー」のページ下部「オークションの重複」を確認

オークションの重複率

ここでオークションの重複が多い場合は、他の広告セットとの統合を検討しましょう。

情報収集中は不必要に変更しない

手動による「大幅な」編集は、学習をリセットさせます。Facebookが大幅な編集とみなしているのは以下になります。

ターゲット設定の変更
クリエイティブの変更
最適化イベントの変更
広告セットへの新しい広告の追加
広告セットの7日以上の停止(広告セットの停止を解除した時点で、その広告セットが再び情報収集期間に入ります)
入札戦略の変更

新しいクリエイティブの追加も大幅な編集に該当します。情報収集中は不必要な変更はなるべく避けましょう。

詳細は以下Facebook広告ヘルプページもご参照ください。
https://ja-jp.facebook.com/business/help/316478108955072?id=561906377587030

キャンペーン予算の変更も「大幅な編集」になるケースがある

キャンペーン予算を変更しても大幅な編集になるのはどのようなケースか。

それは「20%以上変更した場合」です。

例えば、予算が10,000円だった場合、12,000円以上に変更すると大幅な編集に該当します。

もし予算の変更が必要な場合は、できるだけ20%の範囲で行うということを覚えておくと良いでしょう。

機械学習をうまく活用する基本的な考え方

Facebook広告に限らず、機械学習を使っている広告の最適化については、以下が基本的な考え方です。

  • 十分は学習データが必要(なるべく多くのコンバージョン)
  • 学習中は大きな変更はできるだけ加えない(学習がリセットされる)

ついついいじりたくなってしまうかもしれませんが、過度な変更は返って最適化までの時間を長くしてしまいます。

まとめますと、以下が最適化までの近道になりますので、担当者はこの点を考慮して対応しましょう。

なるべく早期にデータがたまるアカウント構成を検討する

  • オーディエンスを細かくしすぎない
  • なるべく広告セットを束ねる

推奨のコンバージョンがたまるまで大きな変更は加えない

  • 広告の追加や、ターゲットの変更は避ける
  • 予算の変更はできるだけ20%の範囲内で。

機械学習を使った最適化では、「触りたくなるのをグッと我慢する」というのも重要だったりしますね。

ではまた。

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Junichi Nakamura

前職は大手ネット広告代理店のインターネットプロモーション部門の部長。マネジメント兼プランナー/ディレクターとして、SEM、ディスプレイ領域中心に、業界問わず大手クライアントのプロモーション支援を行う。現場に拘り、コツコツと改善施策を積み上げながら、着実に改善に繋げていく職人。