Apple が開発者向けに開催する年次イベントWWDC 2025で、Safariのプライバシー機能を強化し、従来「プライベートブラウズ」に限定されていたトラッキング防止機能を、今後すべてのブラウジングモードに適用する方針を明らかにしました。

これは広告効果測定においてどのような意味を持つのでしょうか?この変化は、広告業界にとって再び大きな転換点となる可能性があります。

Safariの「標準モード」にもトラッキング制限が?

これまでSafariの「プライベートモード」では、サードパーティCookieとリファラーが完全にブロックされていましたが、今回の変更により、これらの仕様が標準モードにも適用される可能性があります。簡単に言えば、Safariを日常的に使用するユーザーを計測することが困難になる可能性があります。

影響を受けるのはどのような施策か?

大きな影響を受けるのは、以下の点です。

  1. WEB広告のCV計測
  2. LPからのリファラー判定
  3. リターゲティングとアトリビューション分析
  4. GA4と広告媒体における流入元とコンバージョンの紐付け

特に日本では、iOSユーザーの割合が多いため、CV数やCPA数に直接的な影響が出る可能性があります。

具体的にどんな影響がでる?

Safariの「プライベートモード」に課せられている制限を通常モードにも適用すると、以下の影響が出ることが予想されます。

  1. 広告 → LP → CV の流れが「ダイレクト」と表示される
  2. 一部の広告施策の効果測定が過小評価される
  3. GA4と実際のCV実績に乖離が生じる
  4. コンバージョンAPIとサーバーサイド計測への依存度が高まる

広告主・マーケターができる対策は?

現時点で考えられる対策としては以下が考えられます。

  1. MetaコンバージョンAPIやGoogle拡張コンバージョンを導入することで、CVロスを補う
  2. ファーストパーティCookie・ドメインの整備
  3. サーバーサイドGTMなど、サーバーサイドでの計測を開始する

主要な広告媒体側は何等かの情報を提供しているか?

2025年7月現在においてはGoogleやYahoo!、Metaといった媒体側からの具体的な対策や、情報は出ておりません。恐らくまだ未確定情報も多いため、現段階においては様子見という感じではないかと思います。

過度に不安にならずまずは情報のキャッチアップ

Appleのプライバシー強化は一過性ではなく、継続的な流れです。ユーザーのプライバシーを尊重しながら、計測の透明性を確保する姿勢が今後ますます重要となります。

とはいえ、現段階おいては不明確な情報も多く、制限の範囲は限定的であるという見方もあり、もう少し情報を待つタイミングかと思います。

過度に不安になることなく、自社サイトにおけるSafariユーザー比率の再確認や、コンバージョンAPI導入など検討しつつ、最新情報をキャッチアップしていきましょう。

ではまた。



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