Google広告やYahoo広告等の運用型広告で広告配信を行う際、成果地点をコンバージョンとして計測するよう広告配信前の段階で設定しておくと思います。そうしないと、広告配信によって成果を得ることができたのかどうか分からないからです。成果を得たのかどうか分からないということは費用対効果を計算することもできないということですから、広告配信を続けるべきかどうかの判断をしようがないということになってしまいます。ですので、コンバージョンは計測するように諸々の設定を済ませるというのが基本です。
一方、マイクロコンバージョンはどうでしょうか。見込客がコンバージョンに至るまでの導線において、コンバージョンよりも手前の地点をマイクロコンバージョンとして計測しますが、このマイクロコンバージョンの計測は必ず必要なものなのでしょうか。計測できるものは何でも計測しておいた方がよさそうな気もしますが、実際のところはどうなのかということを今回の記事では解説していきます。
回答:必ず計測すべきというわけではない
マイクロコンバージョンは必ず計測しなければいけないものではありません。実際、マイクロコンバージョンを計測せず、コンバージョンだけ計測して運用型広告の広告配信を行っている広告主はたくさんいます。しかも、数万円/月という小さめのご予算というわけではなく、数百万円/月という大きめのご予算を使っていてマイクロコンバージョンを計測していないという広告主も普通にいます。
理由:見込客の状況を把握できていればよいから
マイクロコンバージョンを計測することで見込客がコンバージョンに至るまでの導線のどこで離脱しているのかが分かりますが、ヒートマップやアクセス解析等の他のツールでもそれを把握することは可能です。しかも、この手のツールを使った場合、マイクロコンバージョン計測を活用しただけの場合よりも更に詳細な状況把握が可能になることもあるかと思います。
また、コンバージョン数が少ない時はマイクロコンバージョンを活用して広告最適化を実施すべきですが、一定数のコンバージョンを獲得できていればその必要はありません。むしろ、一定数のコンバージョンを獲得している状況でマイクロコンバージョンも考慮して広告最適化を実施することにより、広告成果を上手く向上させられなくなる可能性もあります。
こういった理由がありますので、必ずしもマイクロコンバージョンを計測しなければいけないということはありません。運用型広告には色々な広告媒体がありますので、将来的に広告配信を拡大していくということを考えるのであれば、マイクロコンバージョンの計測環境を設定することにも一定の工数がかかることを考慮して、マイクロコンバージョンを設定すべきかどうか検討していきましょう。
補足:代表的なマイクロコンバージョンとしての成果地点の例
マイクロコンバージョンを設定する場合に「どの地点をマイクロコンバージョンとして計測すべきなのか?」と悩むこともあるかと思います。そこで代表的なマイクロコンバージョンとしての成果地点の例を以下に述べておきます。マイクロコンバージョンを計測する際の参考にしてください。
・価値貢献の高いページへの到達:地図ページ到達、料金ページ到達、事例ページ到達等
・興味関心の強いユーザーの特定:1分以上滞在、3ページ以上閲覧、資料をダウンロード等
・コンバージョン地点に近いユーザーの特定:LPの80%以上をスクロール、カートに商品を追加、無料トライアルを申し込み等
今回は以上です。マイクロコンバージョンを計測することで広告運用に活用できるということは間違いないですが、マイクロコンバージョンを計測すること自体で工数はかかりますし、見るべきデータが増えれば日々の広告管理も大変になります。ましてや複数のマイクロコンバージョンを計測するとなれば、なおさらです。マイクロコンバージョンを計測することのメリットとデメリットを理解した上で、マイクロコンバージョンの計測を実施するかどうか検討してください!
Akira Kodaka
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