リスティング広告は、低予算から始めることができるため中小企業が始めやすいweb広告として知られています。そのリスティング広告の運用方法として、代理店に委託する方法と自社内で運用する「インハウス運用」があります。今回は、自社で運用を行う「インハウス運用」を検討されてる方にメリット・デメリットについて詳しく解説していきたいと思います。

リスティング広告をインハウス運用する4つのメリット

インハウス運用を行うメリットは主に4つあります。

  • 代理店に支払う手数料を削減できる
  • アップデート情報・市場の変化に迅速な対応が可能
  • 自社でノウハウが蓄積されることで長期的な成長に繋がる
  • 自社の強みや業界のトレンドを生かした広告配信が可能

それぞれのメリットについてご説明します。

広告代理店に支払う手数料を削減できる

インハウス運用の最大のメリットは、代理店に支払う手数料を削減できることです。広告代理店に依頼する場合、広告費の15%〜20%程度の手数料が発生することが一般的です。

例えば、月間100万円の広告費を使う企業が代理店に依頼すると、手数料として月に15万円から20万円程度を代理店に支払う必要がありますが、インハウス運用に切り替えることで、手数料として支払うコストを削減し、その分を広告費として活用することができます。

広告費が増えることで、その分より多くのユーザーにリーチできるだけでなく、キャンペーン最適化に予算を投下することができます。

また、コスト削減だけでなく、自社で運用を行うことで代理店に依頼する手間が省けるため、予算の管理や広告の管理などが柔軟に行える点もインハウス運用の魅力です。

たとえば、特定の期間に集中して広告を展開したい場合や、キャンペーン終了後にすぐに予算を調整したいときなど、スピーディーに対応することができます。

スピード感をもった運用ができる

デジタルマーケティングの世界は非常に早いスピードでアップデートされていきます。市場のトレンドや競合他社の動向は季節などに応じて変わっていくため、これらの変化に対して即座に対応できるかどうかが、広告運用の成功を左右する要因となります。

インハウス運用は、自社内で広告を管理するため、戦略や広告内容の変更がスムーズに行えます。

特に、リスティング広告はリアルタイムのデータを管理画面で確認することができるため、効果を確認しながら成果の良いキャンペーンに予算を寄せたり、キーワードの入札単価を調整することが可能です。

広告代理店に依頼している場合、変更依頼から実行までに時間がかかることもありますが、インハウス運用なら自社の担当者が即時に対応できるため、スピード感を持った運用が可能です。

例えば、急に競合が新しいキャンペーンを打ち出した場合でも、インハウス運用であればその動向をいち早くキャッチし、自社の広告戦略に反映することができます。このような柔軟性が、インハウス運用の大きな強みと言えます。

自社でノウハウが蓄積されることで長期的な成長に繋がる

インハウス運用のもう一つの大きなメリットは、広告運用を通じて得られた失敗や成功事例を分析することで、自社に最適なノウハウを蓄積することができまが、代理店運用の場合はノウハウ・スキルを身に着けることは難しくなります。

また、チーム全体でスキル共有を行うことによって、社員全体の成長にも繋がり、長期的にみると競合他社との差別化のポイントとして、自社の強みとして活かせるようになります。

自社の強みや業界のトレンドを生かした広告配信が可能

広告代理店は運用のプロですが、自社の社員ほどサービスの強みや製品、市場の動向や細かいマーケット状況など熟知しているわけではありません。

自社の商品やサービスを最も深く理解している自社の担当者が最新の商品情報やサービス内容を把握して、タイムリーに広告に反映することができます。

これにより、ターゲットユーザーに合致した広告クリエイティブを作成し、より効果的に商品やサービスをアピールできます。

例えば、突発的なキャンペーンや新商品のリリースがあった際にも、社内で情報共有が素早く行われるため、迅速に広告内容を変更することができます。このように柔軟性が高い点がインハウス運用の効果を得られる点として上げられます。

インハウス広告運用のデメリットと注意点

上記で解説させていただいた通り、インハウスで運用することには多くのメリットがありますが、一方で専門的な知識や人的リソースの確保が求められるため、いくつかのデメリットや課題も伴います。ここでは、インハウス運用を行う際に直面する可能性のあるデメリットや注意点について、詳しく説明します。

リスティング広告の専門知識&豊富な経験が必要

成果が出るリスティング広告を運用するためには、深い専門知識と豊富な経験が不可欠です。最適な広告戦略を立てるためには、広告キーワードの選定、入札戦略、ターゲティングの調整、広告文の作成など、さまざまな要素を管理し日々の調整を行っていく必要があります。

Google広告やYahoo!広告といった主要なプラットフォームの仕組みを正確に理解していないと、成果を上げることが難しくなります。

Google広告やYahoo!広告の管理画面はとても複雑で、定期的アップデートが行われ新しい機能が導入されています。アルゴリズムの変更や新機能が導入された際、それを迅速に取り入れるためには、運用担当者は日々学習することが非常に重要です。

さらに、未経験者がリスティング広告運用を始める場合、実際に運用して成果が出るまでには一定の時間がかかることがあります。学習期間中に効果が出なかったり、予期せぬ結果が出たりすることもあるため、最初の数か月は試行錯誤が必要です。

リスティング広告の専門知識を持った人材の確保

インハウスで広告運用を行うためには、デジタルマーケティングの運用知識、広告の分析、クリエイティブのデザインなどに精通した人材を確保することが必要不可欠です。

それらの知識をもった人材を採用し、育成するにはコストと時間が掛かってしまいます。特にリスティング広告は、実際に運用をしながら知識やスキルが身についてくるため一定の経験がなければ最適な成果を上げることができません。

また、広告運用は数値が日々変化するため、リアルタイムでの入札戦略の変更や予算配分の調整が求められます。そのため、広告運用を行う専門の人材を確保することがベストです。

しかし、多くの企業が広告運用のみ行う人材にリソースを割り当てることが難しく、担当者が他の業務と兼任する必要があるケースがほとんどです。

このような場合、広告戦略の見直しや効果的な改善が後回しになり、競合他社に対して不利な状況に陥ることもあります。

アップデート情報の取得が難しい

デジタルマーケティングの世界は常にアップデートされているため、消費者の行動パターンの変化など様々な要素を考慮して広告運用の戦略を立てることが重要です。

代理店に依頼する場合は、運用担当者がアップデート情報をキャッチアップしてくれますが、自社運用の場合は自分たちで積極的に情報を集めていく必要があります。

また、収集した情報が自分たちにとって有意義なものなのかを見極める力も必要で、アップデート情報を自社の広告戦略にどのように組み込んでいくかを判断していくことが重要です。

リスティング広告のインハウス運用を成功させるための3ポイント

リスティング広告のインハウス運用を成功させるためには、持続的な改善が不可欠です。特に、企業内での広告運用スキルの蓄積や、社内のリソースを最大限に活かすための体制づくりが重要です。ここでは、インハウス運用を成功させるための具体的なポイントについて詳しく説明します。

広告代理店と連携して知識を身につける

いきなりインハウス運用を行うのにもし不安がある場合は、広告代理店と連携した「半内製化」を検討するのも一つの方法です。広告運用に関する専門的な知識を持った代理店にサポートしてもらうことで、運用に対する実務的なアドバイスを直接受けることができるため、パフォーマンスを悪化させずに、自然と専門的な知識を身につけることもできます。

広告運用に関する最新情報を見逃さない

デジタルマーケティングの世界は日々進化し続けているため、広告運用担当者はITやWEB関連の最新情報をチェックすることが非常に重要です。例えば、Google広告やYahoo!広告のプラットフォームのアップデートは頻繁に行われているため、細かいアップデートの情報についても、自ら積極的に情報を取りにいくことが必要不可欠です。

機械学習(AI)の賢さを上手に活用する

Google広告やYahoo!広告は、機械学習機能が主流となっています。狙うコンバージョン数や入札単価をAIが自動で調整してくれる「スマート自動入札」や広告主が設定する予算などの条件にもとづき、AIが広告クリエイティブの作成や配信作業を自動で行ってくれる「スマート広告」などを上手く活用することで、運用者の工数を減らすことができます。

まとめ

インハウス運用は専門的な知識、スキルを持った人材を確保することが成功への第一歩です。しかし、広告運用のみ行う人材を採用するのは、多くの中小企業では難しい点があります。

機械学習を上手く活用したり、一部の運用を代理店に任せて「半内製化」することで、自社内にノウハウを蓄積し長期的な視点で成長を目指すことが重要です。

弊社では、インハウス運用において重要なポイントや運用方法などを丁寧に指導する「インハウス支援」を行っています。

「インハウス運用をしたいけど不安」という方はお気軽にお問い合わせ下さい!

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Ryoko Furudate

子育てとデジタルマーケティングを両立させるママさんディレクター。Google広告黎明期から運用に携わる。女性ならではのきめ細かい対応でクライアントの成果を上げることを得意としている。