Google広告では現在「キーワードの部分一致化」×「スマート自動入札」×「レスポンシブ検索広告の有効性改善」による運用の効率化及び、広告の改善と効果の最大化が提唱されています。
今回は、それに関連する部分一致キーワードのアップデートに伴う結果の事例を紹介いたします。

※アップデートの詳細は以前に別の記事で紹介しております。
参考記事:

【Google広告】進化した部分一致!部分一致をうまく活用してパフォーマンスを改善しよう。

検証内容と結果

今回の検証対象は、コスメ系商材のECでブランドワードの2語掛け合わせです。
同期間において、フレーズ一致キーワード(旧:絞り込み部分一致含む)と部分一致キーワードの比較を行いました。
入札戦略はいずれも目標コンバージョン単価を使用し、入札単価も同額になります。
集計期間は直近2週間です。

・表示回数:部分一致がフレーズ一致に比べ70%増となりました。
・検索語句数:部分一致ではフレーズ一致の約3倍程の検索語句に表示が確認されました。 ※Googleの検索語句レポートで取得できた検索語句の数です。
・クリック率:フレーズ一致の方が30%程良好でした。
・クリック単価:部分一致の方が10%程度安く配信出来ました。
・コンバージョン率:部分一致の方が10%程良好でした。
・コンバージョン単価:部分一致の方が20%程安く獲得出来ました。
・コンバージョン数:部分一致の方が50%程多く獲得出来ました。

考察

やはり部分一致にすることで表示回数や、拾う検索語句の数は増えました。
それぞれの検索語句を確認しましたが、部分一致でも無関係な検索はほとんど見当たりませんでした。

驚きだったのは、コンバージョン率が部分一致の方が良好だったことです。
実は元々フレーズ一致の方が長期的に配信していたため、学習データは溜まっていたのですが、
部分一致の方が最適化に使用されるシグナルが多いためかこのような結果が得られました。
従来であれば部分一致の方がコンバージョン率は低いことが多かったため、直近のアップデートによる好影響が見られる結果だったと思います。
そしてその結果、コンバージョン単価もコンバージョン数も部分一致の方が良好という結果となりました。
今回、部分一致の方が劣っていたのはクリック率のみでした。

今回はあくまでも1事例でしかないため、他のアカウントでも必ず同様の傾向が見られるという保証はありませんが、今回の部分一致のアップデートを受けて、キーワードの部分一致化によって効果が改善する事例は確かに存在するということは言えます。

媒体内部のシステム的なことはどうしても見えない部分が多く、提唱されていることに安易に従うことに不安はつきものですが、こういった検証を重ねることで、より効率的になっていくシステムの導入ハードルを下げていきたいと思います。

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Kyotaro Yamaoka

横浜国立大学工学部卒。2児の父。重工業系エンジニアを経て、2015年にWebマーケティング業界に参入。電通アイソバーや博報堂DYデジタル、インティメートマージャーなどとの協業経験を経て、ベンチャー企業のリーダー運用者として多様な業種の広告主を支援。2021年に援軍入社。データ分析に強みを持つ理系ディレクター。