機械学習の精度が向上し、広告運用においては検索語句(検索エンジン上で入力したキーワードのこと)の単体の変化ではなく「ニーズ」の変化を元に分析することが求められるようになってきました。

Google広告ではインテント マッチ(元・部分一致)と呼び方が変更されて、検索キーワードと同じニーズを持つと判断されれば、関連する語句には幅広く広告が配信されるようになっています。

本記事では、広告管理画面上で簡易的にニーズごとの成果を分析する方法をご紹介したいとおもいます。なお下記ではわかりやすく説明させて頂く為、Google広告を基にご説明します。

フィルタ機能とは

フィルタ機能は、広告データを特定の条件に基づいて絞り込むことができる広告管理画面に実装されている機能のひとつです。たとえば、特定の商品に関連する検索キーワード・検索語句だけを抽出したり、特定の広告キャンペーンの状況を確認することができます。フィルタをかけることで、大量のデータの中から自分に必要な情報だけを素早く見つけ出し、効率的に分析を進めることができます。

掲載結果データにフィルタをかける

フィルタの設定方法

Google広告におけるフィルタ機能の設定は、非常に簡単です。広告管理画面で「フィルタ」をクリックし、抽出したい条件を設定するだけでデータの絞り込みが可能です。

  1. 管理画面の上部「分析情報とレポート」から「検索語句」のタブを選択
  2. 管理画面中央にある「フィルタ」を選択して、該当する条件を入力

同一のニーズでも複数の検索語句が存在する場合は、「OR条件」で設定するために該当する検索語句を改行して入力します。これにより、同じニーズを持つ複数の検索語句をまとめて抽出することが出来ます。

フィルタ機能の活用例

次に、フィルタ機能をどのように活用できるかについて具体例を挙げて説明します。今回は、自転車の通販サイトを例にして、「折りたたみ自転車」に関連する検索ニーズをどのようにフィルタリングするかを解説します。

自転車通販サイトの例

フィルタ設定の目的

「折りたたみ自転車」に関する検索の動向を把握して、広告の調整と商品の仕入れについて検討する

フィルタ設定の内容

  • フィルタの項目

検索語句 >フィルタの種類は「 次を含む」を選択

※設定している値(この場合は検索語句)のいずれかを含む

  • フィルタの値

「折り畳み自転車」

「小型自転車」

「小さくなる自転車」

「持ち運びやすい自転車」

「旅行に持っていける自転車」

「車に積める自転車」

「小型のスポーツバイク」

「小さいミニベロ」

確認できること

このフィルタを使用することで、通販サイトで販売している自転車のうち「折り畳み自転車」に関するニーズを持つ検索を抽出することができます。抽出したデータを基に週ごとや月ごとのデータに分割することで、ユーザーのモチベーションや季節ごとの検索傾向の変化を分析・把握することが出来るようになります。

【広告運用/活用事例有り】分割機能を使用して要因特定と改善を実施

フィルタを使用する際の注意点

フィルタを使用する際の注意点を明記します。

登録できていない検索語句はないか定期的に確認する

検索語句は常に新しいものが生まれ続けています。稼働時には確認できなかった検索語句も生まれている可能性があるため、必ず定期的に「ニーズを持つのに登録されていない検索語句はないか」を確認するようにしましょう。取りこぼしが増えると、分析精度の低下に繋がります。

また登録している検索キーワードから派生している検索語句を確認してどのような検索を同じニーズとして判断しているのか、確認するようにしましょう。自分では想定していない検索を確認することが出来ます。

※「キーワード」の項目を追加すれば、どの検索語句で派生しているのかを確認することが出来ます。

コンバージョンに繋がらない検索語句は除外に設定する

「小型自転車 組み立て方」「折り畳み自転車 レンタル」などコンバージョンに繋がりにくいものが含まれている場合は、確認時に除外することを心掛けましょう。

管理画面上で見えるのは簡易的なフィルタのみであることを注意する

広告管理画面で行えるフィルタ機能は万能ではなく、あくまでデータの一部にフィルタをかけることが出来るだけです。本格的に分析したい場合は、Looker Studioや他の分析ツールを併用することを考えましょう。

 

今回は以上となります。

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Hiroshi Shimada

リクルートにて求人広告制作のディレクター、Googleにてアカウントマネージャーをそれぞれ経験。その後、健康コーポレーション(現RIZAP)にて、WEB施策のデータ分析を行う部署を統括。直近10年はWEBマーケティングに専念しているが、広告領域の業務で言えば22年の経験。オンライン・オフラインどちらの戦略立案・実施・分析においても、知識・経験が圧倒的に豊富なマーケター。