広告運用に初めて関わる方にとって、何を見ればよいか迷われることと思います。
そこで、今回は広告運用における最低限これだけ分かれば大丈夫という主要な指標をお伝えします。
社内の広告担当者との会話や、様々な広告に関連するツールを見る際における共通言語となりますので、ぜひ覚えていただければと思います。

広告における基本12指標

基本指標は全部で12個あります。
()内は別名称・別表記です。

1)表示回数(インプレッション・IMP)
実際に広告が表示された回数です。

2)インプレッションシェア(IMPシェア)
広告の表示機会に対して、実際に広告が表示された割合です。
主に検索広告で見られる指標です。
ユーザーの検索数に対して、広告が表示された割合がどの程度かを表します。
この数字が低いと、広告表示の機会損失が大きいことになります。

3)クリック数(CLICK)
広告がクリックされた回数です。
サイトに訪問された回数と言い換えることもできます。

4)クリック率(CTR)
広告の表示に対してクリックされた割合です。
「クリック数÷表示回数」 で計算されます。
この数字が高ければ広告の訴求力が高い、魅力的な広告であると言えます。
※CTRとはClick Through Rateの略です。

5)コンバージョン数(CV数)
目的とする行動(お問い合わせや商品の購入など)が達成された回数です。
主にユーザーを獲得することが目的である場合などは、これが目的の指標(KPI)となります。

6)コンバージョン率(CVR、CV率)
広告のクリックに対して目的とする行動に到達した割合です。
「コンバージョン数÷クリック数」 で計算されます。
※CVRとはConversion Rateの略です。

7)広告費(費用・COST)
広告に使用されたお金です。GoogleやYahooなど広告媒体から請求される金額となります。
広告への投資額とも言い換えられます。

8)平均クリック単価(CPC)
1回の広告クリックにかかった平均費用です。
「広告費÷クリック数」で計算されます。
※CPCとはCost Per Clickの略です。

9)コンバージョン単価(CPA)
1件のコンバージョンを獲得するのにかかった平均費用です。
「広告費÷コンバージョン数」で計算されます。
主にユーザーを獲得することが目的である場合などは、コンバージョン数と併せて目的の指標(KPI)となります。
※CPAとはCost Per Acquisition または Cost Per Action の略です。

10)コンバージョンの価値(CV値・CV Value・売上)
広告経由の売上となります。
主に通販・ECサイトで活用しますが、売上を追う場合の目的の指標(KPI)となります。

11)コンバージョン値/コンバージョン数(購入単価・注文単価)
1回のコンバージョン(購入)あたりの平均売上です。
こちらも主に通販・ECサイトで活用します。
その名の通り「コンバージョンの価値÷コンバージョン数」で計算されます。

12)ROAS
広告の費用対効果を表します。
「コンバージョンの価値(売上)÷広告費」で計算されます。
主に通販・ECサイトで活用しますが、売上と併せて目的の指標(KPI)となります。
※ROASはReturn On Advertising Spendの略です。

以上が基本の12指標です。

結局何を見ればよい?

広告の成果の良し悪しを判断する上での判断基準・目的となる指標をKPI(Key Performance Indicaterの略・重要業績評価指標)と言います。
これは何を目的にするかで変わってきますが、主に以下が一般的です。

・サイトのアクセス数を増やすことが目的の場合
KPIはクリック数・クリック単価(CPC)になります。

・問い合わせ件数や会員獲得など、営業上のリード・ユーザー獲得が目的の場合
KPIはコンバージョン数・コンバージョン単価(CPA)になります。

・ECサイトなど売上が目的の場合
KPIは売上(コンバージョンの価値)・ROASになります。

12個の基本指標がありますが、まずは上記のKPIとなる指標を抑えておけば最低限大丈夫です。

最後に

いずれも広告を出す以上、最終的に追うべきはクリック数・コンバージョン数・売上などの絶対数になります。
その獲得効率を見るうえでクリック単価・コンバージョン単価・ROASも同時に判断材料となります。
ただし、気を付けなければいけないのは、いくらROASやコンバージョン単価などの効率が良くても、最終的な売上やコンバージョン数が増えないと意味がないということです。
なので、優先順位は
ROAS・コンバージョン単価・クリック単価>売上・コンバージョン数・クリック数
ではなく、
売上・コンバージョン数・クリック数>ROAS・コンバージョン単価・クリック単価
として考える方が良いと弊社は考えます。
ROAS・コンバージョン単価・クリック単価は限りある広告予算において、最低限守るべきラインとして設定しましょう。

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Kyotaro Yamaoka

横浜国立大学工学部卒。2児の父。重工業系エンジニアを経て、2015年にWebマーケティング業界に参入。電通アイソバーや博報堂DYデジタル、インティメートマージャーなどとの協業経験を経て、ベンチャー企業のリーダー運用者として多様な業種の広告主を支援。2021年に援軍入社。データ分析に強みを持つ理系ディレクター。