今回の記事は広告運用における基本的な考えを整理したものです。
運用経験者にとっては当たり前の内容ばかりですが、初めての方にとっては分からないこともあるとは思います。
この記事が参考になれば幸いです。

分析方法と目的

広告運用において、分析の仕方は基本的に3通りあります。

1)目標値との比較
目的:KPI達成・未達の要因を把握し、課題の優先度を決める

2)カテゴリごとの比較
目的:効果の良いカテゴリ、悪いカテゴリを把握し、注力すべきカテゴリを見つける

3)期間ごとの比較
目的1:数値の変化を見て、異常が起きていないかをチェックする
目的2:施策の実施効果があったかを確認する

 

1)目標値との比較
これは、事前にシミュレーションを作成しておくことが前提となります。
私の場合は、月間のシミュレーションを媒体またはキャンペーン単位で作成しています。
これに対して、実績値とシミュレーションの達成率を一覧化することで、特にどこの媒体(又はキャンペーン)のどの指標の乖離率が大きいのかを可視化できます。
この際、達成率に条件付き書式をつけておくと一目でわかりやすいので、おススメです。

ただし、達成率だけでは各媒体の中での課題となる指標は分かっても、どこの媒体の改善を行えばよいのかの優先順位付けができません。
そのため、特に目的とする指標(主にCV数または売上)において、各媒体のシミュレーションとの差を実数値で出し、特に乖離が大きい部分から優先順位をつけて対応していきます。

例えば、上記の例ではぱっと見でP-MAXのCV率、YDAの表示回数とCPCに課題があるように見えます。
しかし、シミュレーションとの乖離幅が大きいのはGDNなので、ここを優先的に解決していく方が良いです。
GDNにおいて最も達成率が低い指標は表示回数なので、GDNの表示回数を増やすことが最も優先度の高い課題になります。

GDNの表示回数を増やす施策としては
・入稿する広告サイズを増やす
・予算を増やす
・入札単価を上げる
・配信ターゲットを増やす
・レスポンシブ広告の有効性を高める
などが挙げられます。

2)カテゴリごとの比較
ここでいうカテゴリとは媒体やキャンペーン、広告グループ、キーワード、広告などです。
データの分析軸・ディメンションという方が正確かもしれません。
単純にどの媒体の効果が良いかを判断し、予算の配分を考えたり、効果の悪い広告を見つけ停止判断を行います。

3)期間ごとの比較
これは日別や週別などで、クリック数やCV率など各種指標の推移を見て変化が起きているかどうかチェックします。

また、何か施策を行った際に指標が変化したかどうかをチェックします。
例えば、先程のGDNの表示回数を増やす施策を上げると、
配信ターゲットを増やすという施策を行った前後で表示回数が増えているかどうか、またそれに伴ってCV数が増えているかどうかをチェックします。

上記は6/7に施策を実施した例です。6/8以降に表示回数がしっかり増えているため、施策は成功といえます。
実際には、施策実施後の推移のシミュレーションに対しての達成率を再度算出し、目標に到達したのかを確認します。

以上、上記の3種類の分析を目的に応じて駆使して広告運用は日々行われています。

 

終わりに

もし上記の内容でわからないことがあったり、広告運用に関してのお悩みがある方は、以下にてご相談ください。
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Kyotaro Yamaoka

横浜国立大学工学部卒。2児の父。重工業系エンジニアを経て、2015年にWebマーケティング業界に参入。電通アイソバーや博報堂DYデジタル、インティメートマージャーなどとの協業経験を経て、ベンチャー企業のリーダー運用者として多様な業種の広告主を支援。2021年に援軍入社。データ分析に強みを持つ理系ディレクター。