サードパーティーCookieの規制が進む中で、広告運用において特に重要なデータとなるのが「顧客データ」の活用です。

自社で保有している電話番号・メールアドレスなどの顧客データを広告アカウントにアップロードして、よりコンバージョンに近いユーザーのデータを機械学習・配信に活用していくことは必須となってきています。

その中で特に注意しなければならないのが電話番号やメールアドレスなど重要な個人情報の取扱です。

基本的に媒体側に顧客データをアップロードする際は、ハッシュ化され復元できない安全な形で渡すことが可能ですが、そのような個人情報をまとめたCSVなどの元データの扱いは慎重になる必要があります。

データが外部に漏洩してしまったりすると大変なことになるため、可能であれば複数の関係者に共有するのではなく、個人情報を責任を持って扱い、しっかりと管理できる最小限の人数でとどめたいところです。

今回はYDAで顧客データのアップロード方法に関して、アップデートがあったのでご紹介します。

顧客データの活用イメージとアップロードの流れ

顧客データのアップロード

【引用元:Yahoo!広告ヘルプ】

Yahoo!をはじめ、GoogleやMetaなどの主要な広告媒体では顧客データのアップロードをしてオーディエンスリストを作成し、広告配信に活用することができます。

アップロードされた顧客情報は、媒体側が保持しているユーザーのデータと照合され、オーディエンスリストとして登録されます。

その際に各媒体の指定した形式に合わせて、顧客データの情報をエクセルなどでまとめてアップロードをするのですが、例えば代理店が所有する広告アカウントで運用を実施している場合、広告主がアカウントにアクセスできないというケースもあるかと思います。

その場合は、広告主側で顧客データを事前にハッシュ化して代理店に共有するなど手間ががかり、また関係者間でのデータの扱いも非常に慎重になる必要があるため、そもそも顧客データを活用した配信自体を断念するというようなことも多いかもしれません。

アップロード用URLを発行可能に

直近のYDAのアップデートで顧客データのアップロード用のURLを発行できるようになりました。

そのため広告アカウントにアクセスできない場合でも、直接顧客データのアップロードが可能になっています。

オーディエンスリスト

URLの発行・アップロードの手順は簡単で、まずはツールのオーディエンスリストに進みます。

URLを作成

その後、顧客リストを作成している場合は「顧客データ」のリスト種別の項目に「URLを発行」というリンクがあるのでクリックしましょう。

URL発行の確認ページが開くので「URLを発行」をクリックすれば、顧客データのアップロード用URLが発行されます。

有効期限は5日となっているので、アップロードを依頼する際はその点もお伝えしたほうがよいかもしれません。

YDAでアップロードできるインポートできる顧客データは以下のとおり。

  • アプリ用広告識別子(IDFAまたはAAID)
  • メールアドレス
  • 電話番号

アップロード可能なファイル形式は公式のヘルプページをご参照ください。

下記は公式ヘルプからの引用です。

ファイル形式
  • ハッシュ化していないメールアドレス・電話番号の場合
    • CSVファイル(.csv)
  • ハッシュ化したメールアドレス・電話番号、およびアプリ広告用識別子(IDFAまたはAAID)の場合
    • CSVファイル(.csv)
    • CSVファイル(.csv)をZIP形式で圧縮
文字コード UTF-8(BOMなし)、Shift-JIS
※ファイルには半角英数記号以外は含まない
改行コード LF、CRLF
列の見出し(必須) ファイルの1行目には、入力するデータに合わせて以下の列見出しを必ず入れてください(見出しはハッシュ化不要です)。

  • メールアドレスの列見出し
    Email
    ※複数のメールアドレスを入力する場合は最大3列まで追加可能。メールアドレスのデータを入力する列には必ず見出しも入れてください。
  • 電話番号の列見出し
    Phone
    ※複数の電話番号を入力する場合は最大3列まで追加可能。電話番号のデータを入力する列には必ず見出しも入れてください。
  • アプリ広告用識別子(IDFAまたはAAID)の列見出し
    Mobile Device ID
    ※1つのアップロードファイルでは、IDFA・AAIDのいずれかのみ登録可能。
ファイルサイズの上限 200MBまで
データ数
  • ハッシュ化していないメールアドレス・電話番号の場合
    10万件まで
    ※10万件以上のデータをアップロードする場合は、ファイルを分割してください。
  • ハッシュ化したメールアドレス・電話番号、およびアプリ広告用識別子(IDFAまたはAAID)の場合
    件数に制限はありませんがファイルサイズ上限以下でおさまるようにしてください。

こちらを参考にしてデータを作成しましょう。

まとめ

顧客データの媒体へのアップロードのハードルが下がったことで、これまで顧客データを活用した配信を試せなかった方もチャレンジしやすくなったのではないかと思います。

顧客データの扱いは非常に慎重になる必要があるため、このような機能を積極的に使って、適切にデータを扱いながら配信に活用していきましょう。

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Keisuke Asou

前職は福島県の広告代理店に8年間勤務。デザイナーとしてキャリアをスタート後、新規事業となる求人事業や、デジタル広告運用事業を立ち上げ、統括。中小企業や地方自治体のクリエイティブ・マーケティング支援を得意とする。マーケターとして更なる経験を積むため、2022年8月から援軍に入社。日々修行中。