長く、リスティング広告に携わっている方であれば、キーワード作成時にキーワードの掛け合わせを行った経験があると思います。

キーワードの掛け合わせとは、あるキーワードを軸として2語、3語のキーワードを機械的に作ることです。

例えば、賃貸マンションを取り扱っている会社であれば以下のような例になります。

軸キーワード 掛け合わせる要素 掛け合わせキーワード
賃貸マンション 豊島区 賃貸マンション 豊島区
新宿区 賃貸マンション 新宿区
港区 賃貸マンション 港区
品川区 賃貸マンション 品川区

掛け合わせ自体はエクセルやスプレッドシートの関数を使ったり、無料の掛け合わせツールもたくさん出ていますので、それらを活用して作ります。

さて、そもそもキーワードの掛け合わせって有効なのでしょうか?本日はその点についてお話ししたいと思います。

なお、複数語句のキーワード(2語、3語)が有効か否かではなく、「複数キーワードを機械的に大量に作ることが有効か否か」のお話しです。

掛け合わせが有効なケース

上記で例として示したように、「地域」と関連するサービスを展開している場合には、有効と言えるでしょう。

例えば、全国の賃貸マンションを取り扱っている場合には、さまざまな地域との組み合わせで検索されますので、リスティング広告のキーワードでも掛け合わせキーワードを作ることで、広く検索パターンを捉えることができます。

ただし、地域ごとの検索結果があるような構造的なサイトであれば、DSA(動的検索広告。Yahoo!だとDAS)を使ったほうが効率的です。

DSAについてはまた別の機会にお話ししたいと思いますが、興味のある方は以下Google広告ヘルプをご参照ください。

https://support.google.com/google-ads/answer/2471185?hl=ja

逆に何らかの理由でLPに集客する必要があるが、テキスト情報が少なく、DSAだとエリアのキーワードに反応しない場合は、掛け合わせキーワードを用意する必要が出てきます。

掛け合わせが有効ではないケース

以下の例のように「地域」と関係ないキーワードで大量に掛け合わせキーワードを作るのはあまり有効ではありません。

軸キーワード 掛け合わせる要素 掛け合わせキーワード
tシャツ メンズ tシャツ メンズ
レディース tシャツ レディース
おしゃれ tシャツ おしゃれ
オリジナル tシャツ オリジナル

手っ取り早く様々なパターンを作れて、広く網羅できる!という考え方もありますが、一方で検索されないようなキーワードも大量に出てきます。
このような場合は、むしろ無駄に掛け合わせキーワードを作るのではなく、キーワードアドバイスツールなどで検索実績のあるキーワードをピックアップしたほうが良いでしょう。

掲載開始後は、検索語句レポートを見ながらクエリを追加したり、新たなキーワードパターンが出てくれば、それを元にまたキーワードアドバイスツール、関連語句など調べて追加する方が良いでしょう。

まとめ

キーワードの掛け合わせは簡単に様々な検索パターンを作れるというメリットもありますが、無駄に掛け合わせを増やして検索されないようなキーワードを大量に作られてしまうため、アカウント管理が煩雑になります。
掛け合わせが必要となるケースは経験的に「地域」に関連することが圧倒的に多いと思います。
掛け合わせが悪いということではありませんが、もしビジネスが広く地域に関連するものではない場合は、いきなり掛け合わせを作るよりも、キーワードアドバイスツールなどを使って検索実績のあるキーワードからピックアップすることをお勧めします。

ではまた。

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Junichi Nakamura

前職は大手ネット広告代理店のインターネットプロモーション部門の部長。マネジメント兼プランナー/ディレクターとして、SEM、ディスプレイ領域中心に、業界問わず大手クライアントのプロモーション支援を行う。現場に拘り、コツコツと改善施策を積み上げながら、着実に改善に繋げていく職人。