Google広告の広告メニューの中でも、機械学習の機能を多分に活用したものがP-MAXでしょう。ターゲティング、ビッディング、クリエイティブと過去には手動で調整していたようなことのほとんどを自動調整し、広告オークションごとにシステムが最適だと考える広告表示を行ってくれるのがP-MAXとなります。そんな万能と思えるようなP-MAXですが、機械学習の機能を活用するということで「精度を高く動作させるには十分な学習データ(広告配信データ)が必要」になりますから、むやみやたらにキャンペーンを分けて広告運用するのは良くないと思われがちです。しかしながら、実際にP-MAXを複数のキャンペーンに分けて広告運用するのは絶対にNGかと言われると・・・その回答を今回は手短に解説いたします。
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回答:P-MAXのキャンペーン分割は絶対にNGというわけではない
冒頭で述べました通り、P-MAXは機械学習を活用した広告メニューであり、それが故にキャンペーン・アセットグループに対する大量の学習データ(広告配信データ)の蓄積が広告配信の精度向上に繋がります。それは事実であり、基本的な仕様として理解しておかねばならないことです。しかしながら、どんな状況においてもP-MAXを1つのキャンペーンで広告運用するのがベストなのかと言われると、答えはNOとなります。自社サービス・商品の状況を適切に把握して必要に応じてキャンペーンを分割することが正しい判断であることがあるのです。
理由:キャンペーン分割によって広告成果が向上することもあるから
P-MAXのキャンペーンを分割するのが正しい判断になりえる理由は、当然ですが「広告成果の向上を期待できる場合があるから」です。機械学習の精度向上には大量の学習データ(広告配信データ)が必要であるという基本的な考え方が変わることはありませんが、その点にマイナスの影響が出ても、キャンペーン分割がそれ以上にプラスの影響をもたらすことがあります。もちろん、そのようなことが全ての広告主において必ず起こるのかと言われればそうではありませんが、そういう場合もあるということは覚えておくと戦略立案の幅が広がることでしょう。
例:商品フィードの商品ジャンルごとに目標ROASや予算の設定を変えたい場合
P-MAXのキャンペーンを分割した方がよい場合はいくつか考えられますが、そのうちの1つを例として述べます。それは「商品フィードの商品ジャンルごとに目標ROASや予算を変えたい(調整したい)場合」です。たくさんの商品を取り扱っていると商品ジャンルごとに「適切なROASが異なる」や「事業計画上の予算が異なる」の状況になることがあるかと存じます。そのような場合はキャンペーンを分けるしかありませんので、「事業の目的」を「広告の仕様を踏まえること」よりも優先して広告配信してください。ただし、それによってキャンペーン・アセットグループに対してあまりに学習データ(広告配信データ)が蓄積されないようですとP-MAXの広告配信の精度は向上していきませんから、そのあたりのバランスには注意するようにしましょう。
今回は以上です。大量の学習データ(広告配信データ)を蓄積することで広告配信の精度が高まっていくP-MAXではありますが、明確な意図がある場合は学習データ(広告配信データ)の蓄積状況が分散してしまうことを理解した上でキャンペーンをいくつかに分割してもよいということになります。ただし、言うまでもないかもしれませんが、明らかに学習データ(広告配信データ)が少なくなりすぎるようなキャンペーンの分割は避けるようにしてください。あなたが運用するP-MAXがより良い成果を出しますように。
Akira Kodaka
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