Google広告やYahoo広告等の運用型広告を利用している場合、多くのケースでは「CPA」を重要指標として広告運用していることと思います。「CPA10,000円以下で見積り依頼を獲得する!」や「CPA8,000円以下で初回購入を獲得する!」等といった目標を立てて広告運用をしているということですね。そのような場合にCPAばかりを意識してしまい、とにかくCPAを安くできないかと模索する人がいますが、それは正しいのでしょうか?今回はそれに対する回答を解説していきます。
結論:CPAは安ければ良いというものではない
理由は次のセクションで話しますが、CPAは安ければ安いほど良いというわけではありません。広告運用をしている中でCPAの目標数値を定めているのは大変良いことですが、あくまで「そのCPA目標となる数値をちょうど達成するCPAくらいを維持する」のが大抵の場合は良いです。目標とするCPAを早々に達成してしまった場合であっても、適切なCPA目標を定めているのであれば、それ以上安いCPAを追うことだけに注力する必要は一切ありません。
理由:CPAを安くすればするほど、コンバージョン数は減るから
CPAを安くしようとする場合、「コンバージョン率を上げる」と「入札単価を抑制する」ということをやりますよね。コンバージョン率を上げるのは問題ないですが、CPAを短期間かつ大幅に改善しようとする場合は入札単価を抑制することが多いはずです。コンバージョン率を上げるには広告文やLPの修正を試していくことになりますが、その作業は簡単なものではなく工数がかかりますし、かけた工数の割に必ずしもコンバージョン率が上がるとは限らないからです。故に、必ず狙った結果(ここでは「入札単価抑制」のこと)に繋がる入札単価抑制が良く行われます。
が、入札単価抑制は、抑制すればするほどインプレッションシェア損失率(広告表示機会の損失率)が高まりますから、結果として「CPAは安くなったが、コンバージョン数が減ってしまった。」ということになってしまいます。いくらCPAが安くても、コンバージョン数が少なくなってしまっては商売になりません。だから、闇雲にCPAを安くすれば良いというものではないのです。
補足:関係者全員でCPAに関する認識合わせをしておくこと
CPAを安くすればするほどコンバージョン数が減少する傾向にあることを理解したら、そのことを関係者全員で共通認識として理解するようにしましょう。関係者全員が参加するミーティング等のアジェンダの1つにそのことを入れて、関係者全員に向けて説明する等しましょう。なぜなら、複数いる関係者の中には「CPAは安ければ安いほど良い」という誤った認識を持っている人もいる可能性があるからです。そういった認識を持っている人が上司であったり役員であったりすると最悪で、正しい広告運用に対して誤った認識を持って指摘してきたりします。後々の余計なやり取りを無くして生産性の高いやり取りに時間を使えるようにする為にも、最初に1回だけ関係者全員でCPAに関する認識合わせをしておくことをお勧めします。
今回は以上です。今まで本格的な広告配信によるマーケティング活動・施策を実施したことのない人であれば、CPAは安ければ安いほど良いと考えがちです。しかしながら、本当はその逆が正解です。CPAが高くても耐えられるだけのビジネスモデル(「客単価やリピート回数を総合的に踏まえたLTVの最大化」や「人件費や設備投資等の経費削減」等の様々な要素を最適化した事業の仕組み)をいかに構築できるかを追求しながら広告配信を実施するというのが望ましいです。自社の目標CPAの金額が高ければ「競合はその金額感での広告配信にはついていけない」ということになり、独占的に見込客を自社に取り込んでいくことができるようになるからです。もちろん、これは「言うは易く行うは難し」ですが、この考え方だけは頭の片隅に入れて広告運用及び事業構築していきたいですね!
Akira Kodaka
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