Google広告のデマンド ジェネレーション キャンペーン(DGC)では、動画クリエイティブの成果に大きな差が出ることがあります。

「成果の良い動画が見つかったけれど、次に何を作ればいいのかわからない」

「同じ動画をそのまま増やすべきか、短尺にするべきか迷う」

「どの要素を勝ちパターンとして判断すればいいのか」

このように、成果の良い動画が見つかった後の“横展開”に悩むケースは少なくありません。

DGCでは、単純に新しい動画を量産するのではなく、成果が出た動画の「どこが良かったのか」を分解しながらクリエイティブを増やしていくことが重要です。

今回は、DGCで成果の良い動画を横展開するときの考え方や、具体的な改善方法について解説します。

 

まずは「成果の良い動画」をどう判断するか

 

動画を横展開する前に、まずはどの動画を勝ちパターンとするのかを整理します。基本的には、コンバージョン数やCPAを中心に判断します。ただし、配信量が少ない動画は、たまたま1件コンバージョンがついただけでCPAが良く見えている可能性もあります。

そのため、以下の指標をまとめて確認するのがおすすめです。

  • コンバージョン数
  • CPA
  • CTR
  • CVR
  • 視聴率
  • 視聴単価
  • 消化金額

特に重要なのは、「一定以上配信されているにもかかわらず、CPAやCVRが良い動画」です。逆に、CPAだけが良くても消化金額が極端に少ない動画については、すぐに勝ちパターンと判断せず、もう少し配信データを蓄積した方がよいでしょう。

勝ち動画は「動画全体」ではなく「要素」に分解する

成果が良かった動画を見つけたら、その動画を丸ごとコピーするのではなく、成果につながった可能性のある要素を分解します。

たとえば、以下のような観点です。

冒頭の見せ方

動画広告では、最初の数秒が非常に重要です。特にDGCでは、YouTubeやDiscoverなど、ユーザーがコンテンツを見ている途中に広告が表示されます。

そのため、「自分に関係のある内容だ」と思ってもらえる冒頭になっているかどうかが、その後の視聴やクリックに大きく影響します。

たとえば、

  • 悩みを最初に提示している
  • 商品を最初に見せている
  • ビフォーアフターから始まる
  • 利用シーンから始まる
  • インパクトのあるテロップから始まる

など、成果の良い動画に共通する冒頭表現を確認します。

 

訴求内容

同じ商品でも、訴求軸によって成果は大きく変わります。

たとえば美容商材であれば、

  • 価格
  • 成分
  • 使用感
  • 年齢悩み
  • 実績
  • 限定オファー

などがあります。

成果の良い動画が特定の訴求に寄っている場合は、その訴求を残したまま別動画を制作することで、勝ちパターンを横展開できます。

動画の尺

動画の長さも重要なポイントです。

たとえば2分程度の長尺動画で成果が出ている場合、必ずしも「長いから短くした方がよい」とは限りません。長尺でもコンバージョンが取れているのであれば、その動画にはユーザーを納得させる情報が含まれている可能性があります。

そのため、まずは元動画を残したまま、

  • 60秒版
  • 30秒版
  • 15秒版

などを追加し、比較する方法がおすすめです。特に15秒版では、元動画を単純に途中で切るのではなく、

「冒頭→メリット→CTA」のように、短時間でも内容が完結する構成にすることが重要です。

 

最初は「冒頭だけ変える」のも有効

成果の良い動画を横展開するときは、最初から動画全体を大きく変更する必要はありません。

むしろ最初は、「冒頭だけ変更し、それ以降は同じ」というパターンを複数作る方法がおすすめです。

たとえば元動画が、

「こんなお悩みありませんか?」

商品説明

特徴

オファー

という構成だった場合、冒頭だけを以下のように変更します。

  • 「○○で悩んでいる方へ」
  • 「実は○○の原因は…」
  • 「○○を諦めていませんか?」
  • 「知らないと損する○○」

後半の構成を同じにしておけば、成果の違いが冒頭表現によるものなのかを判断しやすくなります。ABテストでは、一度に複数の要素を変更しすぎないことが重要です。

成果の良い動画から横展開する3つのパターン

実際の運用では、以下の3パターンで増やしていくと整理しやすくなります。

1. 冒頭違い:最も優先度が高いパターンです。動画本編は同じまま、冒頭3〜5秒程度を変えます。制作工数も比較的少なく、どのフックがユーザーに刺さっているのかを検証できます。

2. 尺違い:成果の良い長尺動画をベースに、30秒版や15秒版を作ります。長尺では商品理解を促し、短尺ではテンポよく訴求するなど、それぞれ違ったユーザー層に届く可能性があります。

DGCでは配信面によって動画の見られ方も異なるため、複数尺を用意しておくことは有効です。

3. 訴求違い:構成やテンポは維持しながら、メインメッセージだけを変えます。たとえば、

「価格訴求で成果が良かった」

「限定性」

「実績」

「悩み」

「成分」

といった別訴求を同じフォーマットで展開します。これにより、成果の良い「動画フォーマット」を残しながら、新しい勝ち訴求を探すことができます。

一度に全部変えないことが重要

クリエイティブ改善でよくあるのが、

  • 「冒頭も変える」
  • 「尺も変える」
  • 「訴求も変える」
  • 「出演者も変える」

と、すべてを一度に変更してしまうケースです。これでは成果が改善したとしても、どの変更が良かったのか判断できません。

横展開するときは、

元動画

冒頭違い

尺違い

訴求違い

のように、少しずつ変数を分けながら検証する方が、勝ちパターンを蓄積しやすくなります。

成果の悪い動画はすぐ停止するべき?

DGCでは、成果の悪い動画をすぐにすべて停止する必要はありません。配信量が少ない段階では、十分な判断材料がないケースもあります。

一方で、

  • 一定金額を消化してもCVがない
  • 他動画と比べてCPAが大幅に高い
  • CTR、CVRともに低い

といった動画については、停止や差し替えを検討してよいでしょう。成果の良い動画だけを残す場合でも、1〜2本だけに絞るのではなく、複数のクリエイティブを残しておくことをおすすめします。Google側がユーザーや配信面に応じて動画を出し分ける余地を残すためです。

DGCの動画改善は「勝ちパターンを育てる」考え方でDGCのクリエイティブ改善では、毎回まったく違う動画を作り続ける必要はありません。

成果の良い動画が見つかったら、「なぜこの動画が良かったのか?」を考え、

  • 冒頭
  • 訴求
  • 構成
  • テンポ
  • CTA

といった要素に分解します。

そのうえで、成果の良かった部分を残しながら一部分だけ変更した動画を追加していきます。

特に最初は、

「勝ち動画の冒頭だけ変更する」

「勝ち動画を15秒・30秒に編集する」

といった小さな横展開から始めるのがおすすめです。

DGCでは、クリエイティブの勝ちパターンを一度見つけて終わりではなく、そこから派生パターンを作り続けることで、成果を安定させやすくなります。成果の良い動画を「完成形」と考えるのではなく、「次のクリエイティブを作るための型」として活用することが、DGC運用では重要です。