Meta広告を実施する際に「FaceBookページはあるけど、Instagramのアカウントの作成は必要か?」というご質問をいただくことがあります。
結論から言えばMeta広告はInstagramアカウントが無くても広告を配信することは可能です。
ただし「デメリット」も有るということを念頭に置いたうえで、Instagramアカウント無しで配信するかを検討する必要があります。
広告管理画面での設定

まず広告を設定する際に必ずFaceBookページを広告に紐付ける必要があります。
これは広告主の情報・プロフィールをユーザーに提示するためです。
Instagramアカウントが無い場合どのような設定になるかというと「Facebookページを使用」という項目が表示されます。
そのためInstagramのアカウントがなくてもしっかりとInstagramのフィードやストーリーズ面などには配信が可能となっています。
ではFaceBookページのみでの配信はどのようなデメリットがあるのでしょうか?
デメリット①アカウントのフォローができない

当然ですが、Instagramのアカウントがない場合Instagramのユーザーはフォローができません。
つまり、例え広告を見て興味関心を持ってもらえたとしてもフォローをしてもらう(継続的に情報を届けられる)機会を逃しているということになります。
またInstagramでコメントがきても返信などはすることができません。
Instagram広告で興味を持ったユーザーが広告主のプロフィールを見ようとすると「このFaceBook広告主はInstagramを利用していません」と最上部に表示され、かつフォローもできないので、ユーザー視点に立つと少しがっかりしてしまうかもしれませんね。
ユーザーとのコミュニケーションをしっかりと取りたい場合は、Instagramのアカウントは作成したほうが良さそうです。
デメリット②広告配信にInstagramのデータを十分に活用できない

Metaの広告マネージャーとInstagramアカウトントを紐付けていると、Instagramのフォロワーやオーガニックの投稿にいいねなどのリアクションをしてくれたユーザーなどをオーディエンス化して、広告配信に活用することができます。
Instagramアカウントがない場合はそのようなカスタムオーディエンスを作成することができません。
これは裏を返せば、Meta広告は「どのユーザーがブランド・サービスに関心を持っているか」を学習するための基礎データとして、オーガニックなエンゲージメント(いいね、プロフィール訪問など)も活用していることを示していると考えられます。
つまり広告の成果を良くするためにはFaceBookページやInstagramアカウントをしっかりと運用して、オーガニックのデータを蓄積していくことも重要な側面があるのです。
広告とオーガニック投稿は表裏一体と言えるでしょう。
デメリット③ASCがうまく機能しない可能性がある

ASC(Advantage+セールスキャンペーン)は、従来よりもアップデートされた機械学習を活用して、ターゲティングや配置を自動化しつつ、成果を拡大することができるMeta広告の有力な広告メニューです。
弊社の実績でもASCを導入することで広告の成果を大幅に改善することができた事例が多く見受けられます。
ここで問題になるのはInstagramのアカウントがない場合、Threads面への配信ができないことが考えられます。
なぜならASCを最大化するためには「配信可能な配置」を全て網羅する必要があるためです。
そのためThreads面がカバーできていないことでAdvantage+ セールスキャンペーンが最大限に機能しない恐れがあります。

ASCの推奨事項は下記の3点で、これらを満たしていない場合は管理画面上でASCが「オフ」と表示されてしまうため注意が必要です。
- 予算:キャンペーン予算(または単一の広告セット)を使用
- オーディエンス:1件以上の広告セットでおすすめ設定を使用しているか、設定が推奨値となっている。
- 配置:すべての広告セットにすべての利用可能な広告配置を含んでいる
まとめ/Instagramアカウントは作ったほうが良い
これらのことから個人的にはMeta広告を配信する際はInstagram広告(およびThreadsアカウント)は、特別な事情がない場合、ほぼ必須で作成したほうが良いと考えています。
Instagramのアカウントを運用するリソースが無いという場合でも、一旦最初の投稿をいくつかして、プロフィールの情報を整理しておくだけでも広告の成果は変わってくるはずです。
特にすべての媒体の中でMeta広告の比重が高く、Instagram面の配信割合が高い場合はアカウントの作成を推奨いたします。
とりあえず配信できればOKという場合でも、長期的にMeta広告の成果を伸ばしていくためにはどうしても必要になってきますので、早いうちにアカウントの作成と、アカウントの運用方法について検討された方が良いかと思います。

