前回の記事ではLooker Studioの活用について解説しました。
広告運用には問い合わせ数、CPA、CTR、ROASなど様々な指標があり、どれをレポート化すべきか判断に迷うことも多いのではないでしょうか。この記事では設定すべき指標、手動で分析すべき指標について解説します。
Looker Studioにレポート化するときの考え方
先にお伝えすると、何をレポートかするかは、運用スタイルによります。ですのでここでは一つの考え方を説明したいと思います。
判断基準は「定点観測」か「要因分析」か
レポートをどう作成すべきかの判断基準は、そのレポートの目的が「定点観測」なのか「要因分析」なのかで決まります。
定点観測とは毎回同じ指標を確認する作業のことで、例えば毎日の問い合わせ数やCPAの推移を確認する日次レポートがこれに当たります。こうした定型的な確認作業は毎回同じ手順で同じ指標を見るため、Looker Studioでのダッシュボード化に最適です。
一方、要因分析とは「なぜCPAが上がったのか」「なぜCV数が減ったのか」といった変動の理由を深掘りする作業で、状況に応じて見るべきデータや分析の切り口が変わります。こうした柔軟な分析が必要な業務は手動で行う必要があります。つまり毎回やることが決まっている業務はLooker Studioで効率化し、状況に応じて判断が必要な業務は手動で行うという使い分けが効率化の鍵となります。
自動化と手動を組み合わせて効率化
最も効率的な運用は、Looker Studioによる自動化と手動を組み合わせて使うことです。
日次や週次で確認する定型的なレポートをLooker Studioで自動化することで、毎日のデータ確認にかかる時間を大幅に削減できます。
例えば手作業で30分かかっていたレポート作成が、ダッシュボードを開くだけの5分で完了するようになります。この浮いた時間を、CPAが急騰した原因調査や競合分析、新しい施策の立案といった深い分析業務に充てることができます。定型業務に時間を取られて改善施策が後回しになっていた状態から、本来やるべき分析と改善に集中できる状態への転換が可能になります。
自動化だけでも手動だけでも不十分で、両方を適材適所で使いこなすことが成果を上げる広告運用の近道なのです。
自動化すべきレポート:日々モニタリングする指標
では実際に設定したほうがいい指標についてみてみましょう。
主要KPIの推移
日次で確認すべき主要KPIをダッシュボード化することで、トレンド把握と異常値の早期発見が可能になります。具体的に以下のような成果(コンバージョン)に直結する内容が適しています。
- 問い合わせ数・CV数:日次推移グラフで成果の変動を確認
- CPA・ROAS:効率指標の推移で費用対効果を把握
- 予算消化率:月間予算に対する進捗状況を管理
- 前日比・前週比:通常の変動か異常な変動かを即座に判断
- CTR・CVR:広告とランディングページの質を確認
これらの指標を一つのダッシュボードにまとめることで、毎朝5分程度で全体状況を把握できます。例えばCPAが前日比で30%上昇していれば、何か問題が起きている可能性が高いと即座に気づけ、問題が大きくなる前に対処できます。
媒体別・キャンペーン別の推移
複数の媒体やキャンペーンを運用している場合、それぞれのパフォーマンスを一覧で確認できるダッシュボードが便利です。具体的には以下の項目を表示させましょう。
- 媒体別の統合データ:Google広告・Meta広告を一画面で確認
- キャンペーン別のCV数・CPA:どのキャンペーンが成果を出しているか一目で判断
- 予算配分の状況:各キャンペーンの予算使用状況を確認
- インプレッション・クリック数:露出状況とユーザーの反応を確認
- デバイス別・地域別の内訳:効果の高いセグメントを把握
全体で見ると目標CPAを達成しているように見えても、個別のキャンペーンを確認すると一部のキャンペーンでCPAが大幅に悪化しているケースもあります。こうした問題を早期に発見するためにも、キャンペーン別の一覧表示は重要です。これは次月の予算配分を決める際の重要な判断材料になり、リアルタイムで最新データを確認できるため素早い意思決定が可能になります。
手動で作るべきレポート:個別の要因分析
「なぜそうなったか」を分析するレポートは、手動での作成が必要です。
イレギュラーな変動の原因調査
CPAが急騰した、CV数が半減した、特定のキャンペーンだけ成果が悪化したといったイレギュラーな変動が起きた際には、その原因を調査する必要があります。原因は競合の入札強化かもしれませんし、クリエイティブの疲弊かもしれませんし、サイト側の不具合かもしれません。状況によって確認すべきデータも分析の切り口も異なるため、こうした要因分析は自動化できません。データを見ながら仮説を立て、検証していくという柔軟な思考が必要になります。
競合の広告出稿状況の変化
広告管理画面で確認できるのは自社の広告データのみで、競合の出稿状況やクリエイティブの変化は確認できません。そのため競合分析は手動でレポート化する必要があります。例えば自社の指名キーワードで検索して競合が広告出稿を始めていないか、一般キーワードで新規参入者が増えていないか、競合のクリエイティブがどう変化しているかなどを定期的に確認。市場環境の変化を捉えることは手動での確認が必要になります。
最後に
効率的な広告運用を実現するには、定型的な確認作業は自動化し、深い分析に時間を使うという使い分けが重要です。まずは毎日確認している主要KPIをLooker Studioでダッシュボード化することから始めましょう。完璧を目指す必要はなく、問い合わせ数とCPAの2つだけでも十分です。限られた時間の中でも成果を上げられる広告運用が可能になりますよ。
今回は以上となります。
