Google広告の P-MAXキャンペーン(パフォーマンス最大化) では、「検索テーマ」を設定することでAIがどんなユーザーを狙うかを学習します。
しかし、多くの広告アカウントで設定されているのは、「商品名」「サービスカテゴリ」「ブランド名」といった直接的なキーワードばかりです。
もちろんこれでも配信は動きますが、AIが理解しているのはあくまで「検索語の表面」。
その裏にある、「なぜその検索をしたのか」「どんな気持ちで調べているのか」という行動心理=インサイトまでは理解できません。
そこで効果を分けるのが、“想定インサイト”をベースにした検索テーマ設計です。
想定インサイトとは何か?
マーケティングにおける「インサイト」とは、ユーザーの行動の裏にある“本音”や“気づき”のこと。
検索語が「何を探しているか」だとしたら、インサイトは「なぜそれを探しているか」です。
たとえば以下のように考えると分かりやすいでしょう。
- 「リモートワーク 疲れた」 → もっと働きやすい環境を求めている
- 「在庫管理 エクセル 限界」 → 業務効率を根本から改善したい
- 「転職 面接 不安」 → 自信を持って臨みたい、準備したい
こうした“検索の裏にある気持ち”をAIに教えてあげるのが、想定インサイト設計です。
AIはデータ上の行動パターンは得意でも、人間の感情文脈までは自動で理解できません。
だからこそ、検索テーマで「その背景」を補足してあげることが重要です。
一歩手前のユーザーにアプローチできる
広告設計の多くは「顕在層」──つまり今すぐ導入を検討している層──に偏りがちです。
しかし、実際に市場のボリュームが大きいのは、その一歩手前の潜在層です。
たとえば以下のような違いがあります。
| 直接的な検索テーマ | 想定インサイトを含む検索テーマ |
|---|---|
| 在庫管理システム 導入 | 在庫が合わない 原因を知りたい |
| 採用管理ツール 比較 | 求人応募が多くて追いきれない |
| 法人研修 導入 | 若手社員が定着しない |
| CRM 導入 | 顧客情報がバラバラで管理できない |
前者は「解決策を探している人」、後者は「問題に気づいている人」。
AIに後者の文脈を教えることで、問題を認識しているけれどまだ商品を探していない層にリーチできるようになります。
これが、P-MAXで“想定インサイト”を設定する最大のメリットです。
想定インサイト設計の3つのメリット
1. 潜在層へのアプローチが可能になる
直接的な検索語ではリーチできなかった、「まだ解決策を知らない層」へ広告が届くようになります。
AIが“課題を抱え始めた人”の行動パターンを学習することで、購買意欲が芽生える前段階から接点を作れます。
2. 広告コピーやクリエイティブの質が上がる
インサイトを考える過程で「どんな気持ちで検索しているのか」が明確になるため、
コピーライティングが機能訴求から共感訴求へ変化します。
例:
- ×「在庫管理を自動化します」
- ○「探す時間を減らして、もっと本業に集中できる仕組みへ」
“何を伝えるか”よりも“どんな感情に寄り添うか”が明確になることで、クリック率やCVRにも良い影響を与えます。
3. LP・サービス説明との一貫性が生まれる
検索テーマで設定したインサイトを、LPやサービス紹介にも反映できるようになります。
AI学習とユーザー体験のメッセージが一致することで、広告全体のコンバージョンストーリーが自然になります。
まとめ:AIにキーワードではなく「人間の気持ち」を教える
検索テーマを設定する目的は、AIに商品を教えることではなく、ユーザーを教えることです。
直接キーワードだけではAIは「何を売るか」しか理解できませんが、
想定インサイトを含めることで「その商品が“誰のどんな悩み”を解決するのか」を理解できるようになります。
検索テーマは「AIへの商品説明」ではなく、「AIへのユーザー理解トレーニング」。
AIが“人のリアル”を学べるほど、広告は自然と届くべき人に届き、売り込まなくても成果が上がる。
それが、これからのP-MAX時代の検索テーマ設計の本質だと思います!
