― Google広告とアドエビスの計測差を正しく理解する ―

Google広告でYouTube配信を強化したタイミングで、

  • 媒体CVは増えている
  • でもアドエビスCVは増えていない
  • 結果、CV乖離が拡大している

このような状況に直面したことはありませんか?

結論から言うと、YouTube配信が増えるとCV乖離が広がるのは“自然な現象”です。

本記事では、実務者向けにその構造を整理します。


そもそもCV乖離とは?

ここでいうCV乖離とは、Google広告の媒体コンバージョン数アドエビスなど第三者計測ツールのコンバージョン数 の差を指します。

例:

  • Google広告CV:300件
  • アドエビスCV:220件
  • 乖離:約27%

この差が、YouTube配信比率の上昇とともに広がるケースが多いのです。


理由① ビュースルー(視聴後)コンバージョンの存在

YouTubeは検索広告と違い、「クリック前提」の媒体ではありません。

よくあるユーザー行動は以下です。

  1. YouTube広告を視聴
  2. その場ではクリックしない
  3. 後日、指名検索や直接流入
  4. CV

Google広告では、エンゲージメントビューコンバージョン(視聴後CV)が加味される場合があります。一方、アドエビスは基本的に「クリック起点」で計測します。

つまり、

  • Google:視聴も評価する
  • エビス:クリックがないと評価しにくい

この計測思想の違いが乖離の第一要因です。


理由② クロスデバイス計測の違い

YouTubeはスマートフォン視聴が中心です。

よくある導線:

  • スマホで広告視聴
  • PCで検索
  • PCで購入

Googleはログインデータを活用してクロスデバイス補完が可能です。一方、アドエビスはCookieベースが中心のため、

  • デバイスが変わる
  • ブラウザが変わる
  • ITP制限

などにより紐づけが難しくなります。

その結果、Google側でCVが増え、第三者計測では増えない現象が起こります。


理由③ アトリビューションモデルの違い

Google広告はデータドリブンアトリビューション(DDA)を採用しているケースが多いです。

つまり、

  • 最後のクリックだけでなく
  • 過去の接触履歴も評価

します。

YouTubeは「間接貢献」が大きい媒体の一方で、認知 → 比較 → 指名検索 → CVという流れの「認知部分」を担います。

しかし、ラストクリック型の計測では、

  • 指名検索だけが評価される
  • YouTubeは評価されない

というズレが発生します。


P-MAXで乖離が拡大しやすい理由

P-MAXは配信面が横断型です。

  • 検索
  • ディスプレイ
  • YouTube
  • Discover
  • Gmail

拡大フェーズでは特にYouTube面の比率が増えやすくなります。

結果として、

  • 媒体CVは増加
  • エビスCVは横ばい
  • 乖離率上昇

という現象が起こりやすくなり、これは異常ではなく、配信構造上の動きです。


乖離は「悪」なのか?

結論:必ずしも悪ではありません。

チェックすべきポイントは以下です。

  • 実売上は伸びているか
  • 指名検索は増えているか
  • 新規ユーザー流入は増えているか
  • LTVベースで回収可能か

乖離率だけを見てYouTube配信を止めると、中長期の獲得効率を落とす可能性があります。


実務での対応方法

① 媒体CVと第三者CVを分けて管理する

「媒体CPA」と「実CPA(エビス基準)」の両軸で見ることが重要です。

② YouTube比率と乖離率を相関で見る

月次で以下を並べると傾向が見えます。

  • YouTube表示回数
  • 媒体CV
  • エビスCV
  • 乖離率

感覚ではなく、データで判断します。

③ 経営層への説明を準備する

YouTube配信を増やす場合は、乖離が広がる可能性があること、そしてそれが仕様上の現象であることを事前共有しておくと、後からのトラブルを防げます。


まとめ

YouTube配信が増えるとCV乖離が広がる理由は、主に以下の3つです。

  1. 視聴後コンバージョンの存在
  2. クロスデバイス計測の差
  3. アトリビューションモデルの違い

乖離は「失敗」ではなく、評価軸の違いによるズレです。

重要なのは、売上が伸びているか事業としてプラスかを正しく判断すること。

数値の見え方だけに振り回されない運用設計が求められます。