「AIを使えば、LPの構成案なんて一瞬で終わるはず」。そう思ってプロンプトを打ち込んだのに、気づけば画面の前で何時間も格闘していませんか?AIは便利な道具ですが、使い方を間違えると、逆に私たちの貴重な時間を奪う「時間泥棒」になってしまいます。本記事では、多くのマーケターが陥っている「修正ラリーの罠」の正体と、そこから抜け出すための現実的な境界線の引き方について解説します。

「効率化したはずが、逆に工数が増えている」という矛盾

「AIを使えば業務が爆速になる」と期待してLPの構成案を依頼したのに、気づけば何度も修正を指示し、結局自分で書き直すのと変わらない時間が過ぎていた——。マーケティングの現場で、今そんな「本末転倒」な事態が起きています。

AIが出してくる案は、全体の流れは悪くない。でも、肝心の「この商品ならではの強み」や「ターゲットの心に突き刺さる言い回し」が、どうしても出てこない。 この「80点の下書き」から「100点の完成品」までの、どうしても埋まらない最後の一歩。これを「ラストワンマイル問題」と呼びます。

この問題の正体は、AIの能力不足だけではありません。私たちがAIに対して、「言葉にしていない行間まで読み取ってくれるはずだ」と期待しすぎていることに原因があるのです。

AIはこだわりを汲み取りにくい

何度指示を出しても納得のいく答えが返ってこないのは、AIがあなたの頭の中にある「言葉になっていないニュアンス」を持っていないからです。

AIは「一般化された情報」の集合体である

AIはインターネット上の膨大なデータを学習し、そこから導き出された「世の中の一般的な正解」を組み合わせるのが得意です。 しかし、あなたが現場で集めた「お客さんの生々しい本音」や、自社製品に込めた「独自のこだわり」は、AIにとっては学習データに含まれない未知の情報です。 あなたが材料として具体的に提示していない情報は、AIの回答には反映されようがないのです。

「伝えたい感情や熱量」を読み取れない

「もっと情熱的に」「信頼感のある雰囲気で」といった指示は、受け取り方によって180度変わります。 AIはそれを推測で補おうとしますが、あなたの理想とする「温度感」とはどうしてもズレが生じます。 この「なんとなく違う」という感覚のズレを無理に言葉で直そうとするから、終わりのない修正ラリーが始まってしまいます。

AIに任せる「限界ライン」を決めておく

修正ラリー地獄から抜け出す唯一の答えは、AIに完璧を求めるのをやめ、「ここまではAIに、ここからは人間が」という役割分担のラインを、作業を始める前に決めておくことです。実務で「ここまではAI、ここからは人間」を判断するための具体的な例を紹介します。

・ファーストビューのキャッチコピーを20案出させても「思わず読み進めたくなる」ものがゼロなら、自分で書く (LPで最も重要なファーストビューは妥協しないライン)

・CTAボタン周辺の「最後の一押し」となるコピーが、AIの出力では弱いと感じたら人間が書き直す (コンバージョンに直結する箇所は人間が責任を持つライン)

AIが出せるのは「80点」まで。残りの20点は自分が埋める

AIはLP構成の骨格を作ることは得意ですが、「顧客がどんな言葉で悩みを検索しているか」「なぜ他社ではなく自社を選んだのか」といったリアルな情報は持っていません。その20点を埋められるのは、顧客と直接向き合ってきた制作者、広告運用者だけです。AIを「素材係」と割り切り、自分にしか書けない言葉を足していきましょう。

今回は以上となります。